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第119話 厄災のはじまり

コハルを加えた魔法勉強会がはじまって3日目


オレは昨日の時点で初級の重力魔法を習得し、今は中級の勉強に苦しんでいた


中級の勉強になった途端、一気に難易度が上がったような感覚だった

初級魔法適正のスキルが無効になったからだろう


頭を悩ませながらペンを握っていると、

隣のコハルも

「うーうー」

と唸りながら頭を抱えている

こちらも、かなり苦戦してるようだ


オレたち2人はこんな調子だが、魔法勉強会は苦しいことばかりじゃない


なにが良かったって、コハルと一緒にいる時間が増えたことだ


一緒にいる時間が増えたことで会話する時間も自然に増えて、どんどん仲良くなってきてる実感があった


だから、その晩、好感度を確認した


------------------------

コハル・カグラザカ

 好感度

  42/100

------------------------


おぉ!結構上がってきてる!もうちょっとで半分だな!


オレ自身への好感度がちょっとずつ上がってきてるのはもちろん嬉しいが、

仲間たちとコハルが仲良くしているのを見るのもすごく嬉しかった


だから、キライな勉強も頑張れている


オレは好感度上昇を確認したハッピーな気持ちで、就寝の準備に入ることにした


オレたちの冒険は順調だ、順調かに見えていた


しかし


そんなオレたちの知らぬところ


クルーセオ鉱山の深部では、まだ誰も気付いていない厄災が始まろうとしていた


♢♦♢


クルーセオ鉱山、深部


とある中堅冒険者の3人組パーティが特級Cのシルバべナードを討伐し、デルシアへの帰路についていた


「いやー、なんとかなるもんだな」


「そうだな、苦戦したが、あんな新顔たちにやれたんだ

オレたちにやれないわけねーさ」


「ははは、まぁ全員ボロボロだけどなー」


「ん?こんなところに横穴あったか?」


剣士の男は地図を確認する


「地図にものってないぞ?」


「なんだ?崩れて新しい道ができたとか?」


「おぉ、そりゃおもしれー

なんかお宝があるかもしれねーし、入ってみようぜ」


「おい、危険じゃねーか?」


「なにいってんだ!シルバべナードを倒したオレたちは最強さ!」


「ははは、まぁサクッと確認して帰ればいいか」


3人の男たちは、その横穴に入り、進んでいく


しかし、期待に反して、横穴はすぐに行き止まりにぶつかってしまう


「なんだよ!なんにもねーのかよ!」


「ははは、そんなもんだよ」


「ふぅー、帰るかー」


「、、おい、、出口こっちだよな?」


一番後ろを歩いていた魔法使いの男が不思議なことを聞いてくる


「あ?そりゃ一本道だからそうだろーよ」


「、、行き止まりだ」


「はは、なに言ってんだー?」

「はぁ?」


前衛の1人は笑いながら、もう1人は訝しげに振り返り、退路を確認した


「なんだこりゃあ、、本当に行き止まりになってる、、」


呆然と立ち尽くす男たち


ゴゴゴゴ、、


そこに底から響くような地響きが聞こえてくる


「なんの音だ!」


「わ、わからねぇ!構えろ!」


全員が武器を構える


すると、、


地響きはどんどんと大きくなり、地面を、そして、壁を、天井を、

揺らしだした


「なんなんだこれ、、」


「わからねぇ、、」


「なぁ、、壁が、、」


気づけば、男たちがいる横穴が、少しずつ動いているようだった


いや、ちがう


少しずつ、小さくなってきている


男たちを飲み込むように


「おいおいおい!なんの冗談だ!」


男の1人は壁に向かって剣を振るう


しかし、ガインッ!と鈍い音をたてて弾かれるだけだ


「ははは、なんだこれは、魔法も効果がない、、」


ひとしきり魔法を放った魔法使いは杖を抱いてへたり込んでしまう


「やべぇ!どうにかしろ!どうにか!」


騒いでいる間も壁は縮んでくる


「くそ!ふざけんな!こんなところで!」


「横穴入ろうって言ったテメーのせいだ!」


「ははは、、」


そして、男たちの声は、誰にも聞こえなくなった

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