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第116話 ピーちゃんのご飯

狭い路地を抜けて大通りに出ようとしていたら、また新しいアドバイスの通知がきた

目をつむって攻略スキルを開きながら歩く


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コハルとのデートの際、

一緒に本屋に行き、コハルのオススメの本を買ってください


また、その本屋の1番奥の本棚へ行き、最上段の右から5冊目の本を買ってください

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ほほう?

つまり、コハルとデートできるんですか?


オレはアドバイスの内容よりもそこに着目して喜んでいた


そういえば、

ライに聞きたいことがある

ってコハルに言われてたな

この後、デート的な展開になるのだろうか


路地を抜けて大通りに戻ったところで、

「あ、そういえば、オレに何か聞きたいことがあるんだっけ」

と聞いてみる


「うん、このあと時間いいかな?」


おぉ、デートですか!!デートなんですか!?


「オレはいいよ」


「あー、、わたしはちょっと用事があるので、失礼しますね」

言いながらステラがオレにだけウインクしてきた


2人っきりにしてくれる、ということだ

空気が読めて助かる、素晴らしい嫁である


「わかった、じゃあオレだけでもいい?」


「いいよ」


そして、ステラが手を振って離れていく


「それで、オレに聞きたいことって?」


「うん、ピーちゃんのご飯のこと」

「ピー!」


「ほほう?」


「ピーちゃん、最近ボクが用意したご飯食べてくれなくて、、

ライはどこでご飯買ってるのか教えて欲しいんだ」


「もちろんいいよ、じゃあ行こっか」


「うん、お願いします」


「ピー!」

ピーちゃんが鳴きながらオレの頭に飛び移ってきた


そのまま、コハルと一緒に商店街の方に歩いていく


まずは、いつもダイコンの葉っぱを買っている八百屋に案内する


「この野菜の葉っぱが美味しそうだから、野菜ごと買って、葉っぱ以外は自分たちで料理して使おうと思ってる」


「へー、そうなんだ、じゃあ、ボクも買ってみる」


「コハルって料理できるの?」


「でき、、なくもない」


どうやら得意ではないようだ


そのあと、3軒違う店を回って、それぞれのお店にある数種類の豆を買っていることをコハルに教えた


「へー、わざわざ違う種類の豆を混ぜてるんだ」


「うん、その方が飽きなくて美味しいかと思って」


「ピー!」

と、そうだそうだ、と言いたげにピーちゃんが嬉しそうに鳴く


まぁ、色んな種類の豆を買ってるのは、攻略さんのアドバイスのおかげなのだが

頭の上の毛玉様はお気に召してくれていたようだ


「なるほどね、ほら、ピーちゃんご飯だよ?」


コハルがさっそくさっき購入した豆を掌に出すと、

ピーちゃんが腕に飛んでいき、ハムハムとついばみ出した


「良かった、食べてくれた」


コハルが安心したように、優しい顔でピーちゃんを見守る

本当にピーちゃんのことが大好きなんだな


その様子をしばらく見ていて、アドバイスのことを思い出した

本屋に行きなさい、って言われていたのだ


「あ、そうだ、デルシアって本屋あるかな?」


「本屋?えーっと、一軒あったと思うよ」


「もし良かったら案内してくれないかな?」


「うん、もちろんいいよ、さっそく恩返しができるね」


「はは、そんなこと言ったらコハルにはゴルエムさんを紹介してもらってるし、

オレの方こそもっと恩を返さないとだよ」


「そんな、、気にしなくていいよ」


「なら、コハルも恩返しなんて気負わなくていいよ、仲間に貸し借りもなにもないだろ?」


「仲間、、」


「あれ?さっきゴルエムさんにそう紹介してくれたじゃん」


「うん、、じゃ、じゃあ!気にしないことにする!」


「あぁ!それでいい!」


ふふ、と2人で笑い合って、次の目的地に向かって歩いていった

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