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始まりの日

何もない平原で少女は悩む。私は何をすればいいだろう。

まずは…家。家がなければ大変だ。今は晴れているものの、いつ天気が変わるのか分からない。それに寝る所も必要だ。風邪は引かないけど、寒いのは嫌だ。凍えてしまうのは耐えられない。

少女は家を作り始めた。少女一人用にしては少々大きい、それでいてしっかりとした家。外観は暗めだが、黒樫の木材を使い木の温もりすらも感じることができる、少女だけの家。開けた場所だがその佇まいは森の中の一軒家のようにも感じさせた。

少女は家を作り上げた。一人で住むための立派な家。少女は誇らしげに家を見たあと周囲を見渡した。

元より何もないただの平原だ。今の所少女が作った家以外何もない。今この場において活きているのは少女だけだ。


「つまらないわ」


少女はちょっと不貞腐れて呟いた。それを聞くものはいない。

生き物を増やすべく少女はどこからか苗木を取り出して家の近くに植えた。幹は太く、その葉は広く伸びる品種の木だ。育ちきれば少女をすっぽりと覆う日陰を作ってくれるだろう。

少女は空を見上げる。太陽は未だに真上で輝いており少女の肌を焼く。暑いというわけではないが、何もない平原ではその光は特に眩しく思えた。

少女は家、そして植えた木の周りを壁で囲い始めた。ここが私の敷地よと主張するように。庭の広さは相当なものだが、そもそも何もない平原だ。庭の広さなどいくらあっても問題ではない。少女が管理するのに大変になるという点を除けばだが。

少女の背よりもちょっとだけ高い、家を囲うための壁ができた。その壁を正面から見て少女は少し物足りなさを感じていた。色合い…形状…大きさ…どれも物足りなさの原因ではないように思える。すると少女は思い出した。


「郵便受けを置かないとね」


この世界には少女一人。だが少女とてこの世界すべてを見たわけではなく、どこかに他の人がいないとも限らない。もしかしたらどこかの誰かさんが手紙の一通でも出してくれるかもしれない。勿論この世界に配達員などいないし、そもそも手紙を出す手段はないのだから郵便受けに何かが届くことなどありもしないのだが、そんなことは少女にとって些細なことだった。少女は他の誰とも会わないというこの世界を少しだけ寂しいと感じていたのだった。

少女は郵便受けを設置して満足し家の中に入った。今日のお仕事は終わり。明日になったら何を作ろうかな…少女はそんなことを思いながら夢の世界へと沈んでいった。


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