表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球の管理者が決まりました。  作者: ルドラ
第一章 試練編
9/60

第八話 おじさん、自身の運動性能に驚く

「なんじゃこりゃーーーー」


 叫びと共に、軽い気持ちでジャンプした事を後悔した。

 軽くジャンプしたつもりだったのだが、3メートルはあろうかと言う天井に一瞬で到達し頭を打ち付ける事になり、驚いてしまいついつい叫んでしまったのである。


 頭部をしこたま打ち付けたにも拘らず痛みはそれほどでも無く無事に着地し【ダンジョン】に落下する前の自分との違いに大いに困惑しつつも、前方ダッシュをして空気の壁を感じてみたり、反復横跳びを繰り返してみたりと、肉体の運動性能の把握に努めた結果、凄すぎるってぐらいしか分からなかったが、鉱石等を持ち上げた時に感じた力の強さと共に敏捷性もかなりの上昇が実感できたのであった。


「ふぅー、最初は吃驚したがチビちゃん二人と接する時は自然と手加減が出来てたんだな、良かった」


 不思議とチビちゃん二人と触れ合うときは最大限の手加減が出来てた事に安堵する。


「これだけ身体機能が上昇したにも拘らず、【ドロップアイテム】の重さには驚きを隠せないな。間に合わせと作製した角の武器は両手で何とか縦振りが出来る程度で、チャンバラよろしく振り回す事は不可能な重量だし」


 さて、作製した武器モドキは荷物置き場の異空間の壁際に持ち手部分を近くになる様に置き、腕だけで取り出しが可能な様にセットしたのだが、これは取り出すのが不可能だと判明する。何故かと言うと重すぎて横に出した出入口から片腕で取り出す事が出来なかったのである。


 もちろん、【ダンジョン】内を移動する際に持ちながら移動と言うのも現実的ではない。重過ぎるので慎重に移動する事なんて意識の大半が重い物の運搬に行ってしまうので注意散漫になってしまうのではないかと思う。


 色々と試行錯誤した結果、頭上に横向き方向で出入口を展開して両腕を突っ込み持ち手を持って引き出す感じで出入口を通過した際の重量を利用して、荷物置き場の異空間から取り出す事にした。


 どうやら異空間の出入口は普通にドアみたいに出し通過すると中に移動した際はこれまた普通に歩いて入る事が出来きるのだが、足元に落とし穴宜しく平面に展開して足から異空間内部に入ろうとすると、足から入っていき頭が通過した瞬間に背中から異空間内部の床面に打ち付ける結果になったのだ。異空間内部は常に床面は下側になる様になってるみたいだったのだ。


「さて、これで武器の運用方法は決まったのだが、いざ戦闘となった場合に活用できるかと言うと現実的ではない。そうなると出来るだけ魔物との接触は避けながら移動するのが良いだろう」


 意を決して、【ダンジョン】に落とされた際の最初の安全地帯を出てみる事にする。


 安全地帯から繋がる通路の方へ移動を開始し壁に身を隠しながら通路を伺ってみるも特段何かがある感じはしないので、恐る恐ると一歩を踏み出してみる。【ダンジョン】内は特段暗くも無く明る過ぎる事も無いようだ。通路の壁面がほんのりと明るくなっており、10メートル先位までは視認するのに問題がない。


 しばらく一方方向にしか進めない通路を慎重に壁や床、さらには天井にまで注意しながら進んでいくと2方向に進める分岐点へと到達した。自分を起点にするならアルファベットのワイ字の様な分岐に突き当たる。


『マッピングしたいところだが、ペンも紙も無いしな。どうしたもんかな』


 心の中で思案するも良案は思い浮かばず、古典的な方法だが壁に鉱石で印を刻み右方向の通路に進んでみる。人はなぜか左を選択する事が多いらしいって事を何かで読んだ記憶が昔からあり、自分は常に右を選ぶようにしていた。


 しばらく進んでみると前方が行き止まりに見えるも、近づいてみると右に折れ曲がってる曲がり角である事が分かる。


 慎重に曲がり角迄進み身を隠しながら通路を覗いてみると曲がって少し進んだ所が広間になってる事が曲がり角からでも視認できた。広間まで慎重に進み広間内を覗いてみると一匹の大きなウサギが居り、その頭には見た事のある角が付いている。大きさ的には六甲牧場で見た事のある牛ぐらいだろうか、でっぷり真ん丸としている。


 その大きさに驚きつつ緊張して動悸も激しくなり、息を呑み込み気付かれない様に様子を伺うもこちらに気付いてる感じはしないが、彼我の距離は10メートルぐらいだろうか、相手がウサギ型の魔物なら耳が良いはずだから気付かれていてもおかしくはない。


 動こうにも動けずに居ると、やはり魔物はこちらに気付いてた様でゆっくりとこちらに向き、激しい殺意を向けてくる。


 どうしようかと逡巡するも、逃げ出せる雰囲気ではないので仕方なく広間に立ち入り魔物と対峙するも言葉が通じるとは思えないし、向こうは殺る気満々な様子だ。


 後手に回るがまずは相手の動きを見るべきだとは思うも、突っ立ってるなんて愚かなことはせずに、壁を背にして突撃を警戒しながら様子を伺い、ポケットに入れていた鉱石を取り出し投擲準備だけしておく。突進でもしてきてくれて角が壁に突き刺さってでもくれれば、儲けものなのだが。


 対峙する事数秒、魔物が先に動き出しのそりと近づいてき、ある程度の距離に達した直後に目で追うのがやっとな速度で突っ込んできたのを横に飛び退き回避するも、魔物は壁に激突する事無く自分の方に向き直り首を振り角を振り下ろしてきた。


 角の振り下ろしは突進程の速度は無く目で見る事が出来たので、届かない距離へバックステップし回避するも直後にジャンプし跳びついてきたのを回避行動を取るも回避できずに体当たりを食らい跳ね飛ばされてしまう。


 魔物の下敷きにならずに済んだことを喜ぶべきだろう。明らかに圧し掛かり圧し潰す感じだった。


 跳ね飛ばされた衝撃で体が痛むが蹲っていても殺されるだけなので、魔物から視線を逸らさずに注意深く次の行動を見極める様に再度壁を背にしながら鉱石を握り締めつつ、いつでも逃げ込めるように異空間の出入口を展開出来る様に意識だけはしておく。


 ふと、異空間の出入口に防御性能があるのか確認するのを忘れていた事を後悔するも、実戦で試すのも怖いので今は頭の片隅から消し去り、次の行動をどう取るべきかを考察しつつ対峙するも、悠長に考察させてくれる訳もなく、今度は角で突き刺すつもりで一直線に飛び掛かってくるのを咄嗟に鉱石を魔物の顔に当る様に放り投げ回避すると、魔物は顔に鉱石が当たるのを嫌い空中で顔を逸らし勢い余って壁に激突してしまった。


 壁に激突した魔物を見てチャンスと思い横っ腹に思いっきり跳び蹴りをかますと、横腹の柔らかい部分を強打する事が出来た。魔物も思わぬ苦痛にたじろいでいるのでチャンスと魔物の背に飛び乗り首を折ろうと締め付けつつ縺れ倒れる。


 しばらく魔物と取っ組み合い執拗に首を攻め立てつつ、魔物に振り回されるもど根性で首にしがみ付きながら首を必死に締め付け続けると、足掻き続ける魔物が自分を圧し潰そうと背を地面へと転がしに掛ったのを好機と思い今まで捻ろうとしていた首の方向を逆向きに一気に捻り角を地面に引っ掛ける事に成功し、魔物は自重で首を支点に首が捥げるのでは無いかと思うほどに捻じれてしまい、その直後に青黒い粒子となって中空に溶ける様に消えていったのであった。


 その瞬間にまたも記憶に強く残る、昨日見たレベルUPのログが流れ始める。


 《おっさん 44歳 男性 Lv204》


「はぁはぁはぁ、ふぅーふぅー」


 肩で息をしながらも、またレベルが大きく上がったなと思い、ステータス確認をする。


[ステータス]


【名前】:阪本 仁

【年齢】:44

【性別】:男性

【レベル】:205

【状態】:バツ1

【善悪値】:81

【性格】:おだやか

【結婚可能人数】:5人まで


【生命値】:45356

【魔力値】:44588


【筋力値】:17739

【体力値】:14654

【器用度】:16968

【敏捷度】:10798

【知力値】:12340

【精神力】:15425

【 運 】:67


 《スキル》:造形術Lv67


 《固有スキル》:[異空間創造作製Lv2]、


 《加護》:[女神様方の寵愛]、



[簡易表示]


【善悪値】の数値により、簡易表示は【銀色文字】で表示されます。

【名前】:おじさん

【レベル】:205

【状態】:疲労、打ち身


 【加護】の補正値は本当に凄いんだなと思う。能力値の上昇が著しいが今は感謝しよう。こんな危険な場所は出来るだけ早く脱出したいし、子供達が安全になる為なら今は感謝しかない。


 ふと足元を見ると【ドロップアイテム】が幾つか落ちている。


【サーベルデスラビットの角 Lv685】

【サーベルデスラビットの皮 Lv685】

【サーベルデスラビットの胸肉20㎏(食用) Lv685】

【サーベルデスラビットの人参30本(食用) Lv685】

【サーベルデスラビットの魔石 Lv685】


 今回は5個も【ドロップアイテム】が出たようだ。(食用)となってる物はどれだけあろうが有り難いし人参は特に助かる。どれも有効活用させてもう為に荷物置き場の空間に運び入れておくが、そこでふと気付く。


「あれだけ重たかった【ドロップアイテム】の重量が軽くなった?」


 レベルアップと筋力値の上昇が原因だろう、とりあえず片手で持ち上げれるぐらい軽くなったのは、本当に助かる。魔物に放り投げた鉱石も拾いあげて気付く。こぶし大の塊りなのに小石程度の重量しかない。やはり更に力強くなった気がする。


 あとはこの広間を調査してから子供達の所に戻り休もう。体のあちこちが痛いが、それでも先に異空間に行かない訳もある。広間の奥に箱らしき物が見えるのだ。気になっても仕方がないだろう。


 慎重に辺りを警戒しながら箱らしき物に近付いていく。近付くにつれて箱の形状が分かるようになってくると材質は木ではない様で、見た目からでは材質が不明だが作りは昔の俯瞰して進めるゲームにあったような形状のこれぞ宝箱って感じの見た目をしている。


 箱の上部を触ってみても材質は分からない。手触りは金属の様で木材の質感にも似てる感じもする不思議な触り心地だ。日本人が至極普通にイメージ出来る宝箱に見えるが罠の判別は出来ないし、悩む。


「どうしたものだろうか、罠が有った場合に怪我で済む程度なら良いのだが、毒や神経系に障害が出る罠だった場合が恐ろしいしな。」


 荷物置き場の空間の出入口を開き中に入って残っている鉄棒を持ち出し、箱に鍵が掛かってるのか、もしくは簡単に押し上げるだけで開くのかを箱から離れて確認してみる事にした。150センチ程ある鉄棒がもの凄く軽く箸の様に扱える事にも驚いたが、まずは箱の確認が先だ。


 ラノベとかでもこういった場合は箱の正面からじゃ無く正面からずれた位置からするのが鉄則だったし自分もそれに倣って、宝箱の正面からズレて斜め方向から箱の上蓋を鉄棒で押し上げてみる。


 まずは軽く押し上げてみて鍵の有無を確認してみると、僅かに上蓋が動くので鍵が掛かってる事は無さそうだと判断する。次は思い切って上蓋を一気に鉄棒で押し上げると同時にバックステップをして箱から離れるも上蓋は問題なく開き、矢が飛んできたりとか毒霧が吹きだしたりとかも無かった。最悪の場合は箱自体が爆発するって事もあり得ただろうが、それもなかった。


 それでも今しばらく近づくのを躊躇して2分ほど経過した頃だろうか。何も起こらないので意を決して箱を覗き込んでみると、箱の中には小瓶が2本と灰色の装丁の本が2冊入っていた。


 おそるおそると、それらを手に取ると。


【上級ヒーリングポーション】

【エリクサー】

【スキルブック:火魔法 Lv1】

【スキルブック:料理 Lv1】


 名称が判別出来た直後に、ゴクリと生唾を飲み込んだ。【上級ヒーリングポーション】は何となく分かる。【エリクサー】はラノベとかでも超有名な超絶回復アイテムに設定されてるあれだよな。


「魔法か、、、異空間創造作製スキルでも魔力を使ったんだし、やっぱり魔力を使って攻撃できる魔法もあったんだな。それにスキルも銀色装丁のランダムブックだけじゃなくて、確定で手に入るスキルブックも存在するって事だな。」


 思いもよらずに良い物が手に入った事に喜びつつ、体が疲れを癒せと訴えかけてくるので子供達の所へ戻って休憩する事にしようと思ったのだが、この広間で異空間に入り休んだ後にさっきの魔物はリポップしないのだろうかと不安になり、休憩後に異空間を出た直後また襲われるとかごめんなので、来た道を慎重に戻り最初の広間まで戻って、異空間へ入る事にした。


「ただいま」


「あ、おじさん、おかえり!」


 ミサキちゃんが、元気よく返事してくれたので疲れた体にも気力が戻るも、視界に入るのはミサキちゃんだけだったので、疑問に思う。


「あれ?ミサキちゃんだけ?」


「あ、うん、チーちゃんがお漏らししたからってのがあったのと、うんと、そのね、昨日から、そのお風呂に入れてないから、汗臭くてね、水浴びしてるの。」


「ああ、そうなんだ、女の子だもんね、気になるよね。」

「ごめんね、おじさんもう少し外に出てるね。」


「ううん、大丈夫だよ、おじさん覗いたりしないでしょ?」


「そんな事はしないけどね。でもね水浴びしてる最中の子等にとってはやっぱり気になるだろうからね、もう少し時間を潰してくるよ。おじさんが戻ったら食事の準備しよう。」


 そう言って異空間から出て、荷物置き場の空間に入り水を飲み少しだけ横になり、今回手に入れたアイテムの事を考えながら時間を潰すのであった。


「さてと、手に入れたポーション類は子供等の居る空間に保管して、あ!」


 さっきの宝箱も持ってくれば保管箱に出来たのでは!

 さっそくさっきの空間まで慎重に戻り、広場内部を確認してみるも魔物が居る気配は無いので、広間内に入っていき、宝箱の所に行き箱を異空間に持ち込む。


 宝箱が地面に固定されてる場合や【ダンジョン】に吸収されて消えてしまってる事も考えて戻ってきたのだが無事に回収する事が出来たので、得した気分になり、足取りも軽く最初の広間に戻り荷物置き場の空間で時間を潰す。


 回収した宝箱に、ポーション2個とスキルブック2冊とお肉と人参を収めて持ち運びしやすい様にしてから、程よい時間を潰した後に子供達の異空間に戻る。


「ただいま~」

「もう水浴び終わった?」


「うん、おかえり。おじさんが戻ってくるの待ってたよ。」


 ミサキちゃんが、再度おかえりを言ってくれたので、気持ちがほぐされる。


「よし、それじゃあ外であった事の報告するね?」


「「「うんうん」」」


「最初の広間からね通路を進んで行くと分かれ道があったから右方向に進んでいくと、魔物が居た広間に行き着いて、魔物と戦闘になりなんとか倒す事が出来て、その広間の中に宝箱があってそれを回収してきた所で、ここに戻ってきたら水浴び中だったってのが、今戻ってくるまでに有った事ね。」


「それで魔物だけど、アスファルトの瓦礫に埋まってたウサギ型の【サーベルデスラビット】が1匹居て戦ったよ。動きが早くて体当たりを食らったりしたけど、なんとか倒す事が出来て、またレベルが上がって力が強くなったかな。」


「「「ふんふん」」」


 3人が納得する様に首を縦に振ってる。


「それで、その広間にこの宝箱があってね、恐る恐ると慎重に開けたら、良い物が入ってたからってのと、ちょっと疲れたから体を休めたくて戻ってきたって感じかな。」


「「「おー」」」


「それで、宝箱には何が入ってたのー?」


 サクラちゃんが目をキラキラさせながら、食い気味に聞いてきたので、少したじろいだ。


「どぅどぅ、落ち着いて。ちゃんと見せるから。」


 そこまで話した時に、ハルちゃんに捕まえられてたマイちゃんが、自分の方に駆け寄ってきて背中側に抱き着いてきたので、マイちゃんの脇の下に手を入れて抱き上げ膝の上に座らせる。


「おいちゃん、マイちゃんねおみじゅで遊んだの。」


「おー冷たくなかった?」


「うん、きもちーかった」


「そっかー、おじちゃんとも遊ぼうね。」


 そう言いながらマイちゃんの頭を撫でて、話を戻す事にする。


「箱の中にはね、ポーションが2種類と、スキルブックが2冊あったよ。」

「それでね、そのスキルブックを使う人を決めようと思ってね。」


「ん?おじさんが使った方が脱出の役に立つんじゃないですか?」


 ナツちゃんが、私が使うのが良いと言うが、それじゃあ駄目だと説明する。


「何でもかんでも、おじさんだけに力が集中しちゃうのは、脱出を目指す上では良いとは思えないよ?

もちろんおじさんのレベルでしか使えない様な物なら、おじさんが使って力にするけど、嬢ちゃん達も手に入れれる力なら分散した方が良いでしょ。

そういう訳だから、話し合うんだよ。」


 そう言って軽く微笑んでから、手に入れたアイテムの説明をし、誰が覚えるか話し合う。


「見つけたスキルブックは、火魔法と料理のスキルでね両方Lv1だったから、誰でも覚える事が出来るんじゃ無いかと思って持ってきたの。」


 そう言って宝箱を開けて中を見せる。


「え、それじゃあ魔法とか使えるの?」


 サクラちゃんが魔法に興味があるようで、食い付いてきた。


「さぁ?」


 たじろぎながら、それだけ答えたが、おじさんにも分からないんだよ。


「まぁ、脱出するまでにスキルブックは色々と手に入るだろうしさ、今回は4人の内で2人に覚えてもらおうかとね。火魔法Lv1で外に居る魔物に効果あるかってのも分からないしね。」

「魔物のレベルからしても、ここは結構深い階層なのかなって気がするんだよね。」


「4人の中で料理が得意って子は居る?」


「それなら、ナツちゃんだ!」


 ミサキちゃんが、真っ先にナツちゃんを指名したので、ナツちゃんの方を向くとハルちゃんが「うんうん」と首を縦に振りながら相槌をしてた。


「そうなの?」


「うん、お姉ちゃんは、私や弟のご飯を作ってくれます。」

「休日のクラブ活動の時も、自分でお弁当作って持ってきてるもんねぇー」「ねぇー」


 妹のハルちゃんが自分と弟のご飯を作ってくれると言い、サクラちゃんが休日のクラブ活動のお弁当の話をしたらミサキちゃんが、相槌をする。


「それじゃあ、料理Lv1のスキルブックは、ナツちゃんが使うで良いかな?」


「「はい」」


「じゃあ、ナツちゃんこれね、読んでみて。」


 そう言いながら、ナツちゃんに宝箱の中から灰色の装丁の【スキルブック:料理Lv1】取り出し手渡す。


「読んでみますね。」


 緊張した表情で本を開き読みだそうとした瞬間、自分が【ランダムスキルブック】を使用した時と同じように、本から光の玉が浮かび上がり、ナツちゃんの胸の中にスゥっと吸い込まれていった。


「読まなくても、本を開いたら取得しますかって文字が浮かび上がって、取得しますと思ったら光が飛び込んできたよ。ステータスを見てみたらスキルの項目に〔料理Lv1〕って出ました。」


「おーそんな感じで取得するんだねー、少し驚いちゃったよ、ははは。」

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] おっさんのLvがログ?とステータスで違う
[良い点] 丁寧な描写は読み応えがある。 [気になる点] なんでこんなに一文を長くするんだ?読みにくいし疲れる。意識の息継ぎができない。 [一言] 句点をできる限り読点で済ます縛りプレイでもやっている…
[気になる点] 、、、や。。。のとこがあるがそんなもの基本使わん。 使うとして・・・やで? おそらく携帯での入力時の誤字がそのまま定着したのだろうが間違いやで使っちゃダメ。 より正確には……だけどね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ