第六話 おじさん、脱出に向けて準備する。
チーちゃんが安心したのか寝ちゃったので元の場所に寝かして、中断してたスキルの検証を急ぐ事にする。
声に出さなくても出入口を出せることが分かった事だし、後はスムーズに展開出来る様に練習しながら出入口のサイズも思い通りに発声しなくても出来る様にも練習し、次は展開する出入口の金枠部分を目の前以外でも自在に展開出来ないかも試した所、これも問題なく自分の近くであれば展開出来る事が判明した。
足元に落とし穴の要領で展開する事も可能だったのが少々驚きだったぐらいだ。
スキルレベルは使ってれば上がるのだろうが今の所は上がったばかりなので上昇する気配はない。なんだかんだで結構な回数出入口を出したり消したりしたのだが、思ったよりも魔力の量が減ってないのが助かるところではあるな。回復速度の方が上回ってる感じがしないでもない。
魔力 22760/29798
異空間を作製に使った魔力も回復してる感じだし、もう一つ空間を作れる様になったんだし、今の内に子供達を避難させれる場所を用意しておくのが良いだろうな。さっきは14000の魔力で空間を作製したが次は子供達を避難させる空間にするつもりだし、2万程魔力を注ぎ込んで作ろう。
「空間創造」
【創造する空間への魔力使用量を決定してください】〔________〕
20000使用します。
【創造する空間への魔力使用量を決定してください】〔20000〕
決定した瞬間に最初に空間創造した時の比じゃ無いぐらいの勢いで体内から何かが抜け出す感覚と共に一度目を上回る酷い立ち眩みが襲ってきたが、夜番をしてる身から意識を失う訳には行かないと意地でも意識を繋ぎ留め、何とか耐える事が出来た。
【魔力値】:2760/29798
【空間が創造されました、固定化をしてください】
「空間固定」
【空間固定が完了しました、内部に入り環境設定をしてください】
「ゲートオープン」
あれ、最初に作った方の空間に繋がったぞ?
【複数の空間を創造した場合は作製準に番号が振り分けられてます】
なるほどね、2個の空間を創造作製したわけだから、2個目は番号2って事ね。
「ゲートオープン2」
ほぅほぅ、こうすると2個の出入口を同時展開出来るのか。1の方は取り合えず閉じて2の方を顔だけ突っ込んで内部の広さだけ確認して環境設定は子供たちが目覚めてからにする事にしよう。今中に入ってしまってこっちに居なくなるのは不安だしな。
「ふむふむ、広さは体育館2個分位の広さがあるようだな。これなら圧迫感を感じる事なく過ごせそうではあるが、当分は寂しさも感じる位に広いな」
「まぁ後々に期待と言う事でっと」
よし差し当たって、この2個目の出入口も発声無しで展開出来るかも確認してと。どうやら魔力さえ込めれば脳裏で思い浮かべるだけで、1個目の出入口と同じ様に展開可能なようだな。
ふむふむ、後はこの出入口が盾の役目も果たせるかの確認を明日子供達とやればスキルの確認は一応は把握出来たと思って良いだろう。
それにしても【レベル】が上がったからなのか寝なくても特に問題が無いな。普段のズボラな自分ならすでに眠くなっててもおかしく無い程の時間帯なんだが。
朝になり子供達が目覚めたら、【レベル】が上がったこの体の性能確認も必要そうだな。この広場から移動開始する前にする事はと。。。
1、本の確認。
2、体の運動性能の確認。
3、武器の作成。
4、作製空間内の水源の確認。
5、金枠の出入口が盾の役割を出来るかの確認。
取り急ぎ確認出来そうな物と言えばこんなものかな。
スキルの確認に思った以上に時間を潰せた事により、子供達がちらほらと起き出してきてどうやら朝の時間帯になったんだろうと思えた。
「おはよう」
「え、お・おはようございます?」
どうやらサクラちゃんは寝起きは頭が回らない様で少し寝惚け気味な様子だな。馴染みのないおじさんに挨拶されて混乱してるようだが、まぁそれも仕方ない事だろう。
「状況思い出せる?」
「あ、はい、大丈夫です」
「夢だったら良かったんだけどね、生憎とサクラちゃん達が寝てる間も特に何もなく時間だけが進んだよ。ほんと夢なら良かったよね、こんな危険な場所に子供達が居る事の方が悪夢だよ」
「・・・・・・」
「リュックサックを取り出して来るから、チビちゃん達を見ててねすぐに戻るよ」
「はい」
「ゲートオープン」
〔ゲートオープン〕と唱えて異空間内に入りリュックサックを持ち外に出る。
「はい、コップとお水。喉が渇いてるでしょ、どうぞ」
「ありがとう」
「まだ頭が働いてないようだね。顔でも洗えたらまた違うんだろうけど、我慢してね」
「ママー、ママーどこー?うわーん
エーン、マイちゃんのママどこー?」
マイちゃんが母親を探して見つけられずに泣き出してしまった。
「マイちゃんが起きてママが居ないので泣き出しちゃったね。
マイちゃん?おじちゃんの事分かる?」
「わかんなーい、ママどこー?ママー、ママどこー?」
小さい子のこんな姿を見るだけで心が抉られる思いがするが、共感しててもママが現れるわけでもないので、マイちゃんを抱き上げて背中をさすってあげて落ち着かせる努力をするも、まったく泣き止まない。
「マイちゃん、昨日ねおじちゃんやお姉ちゃん達と一緒に落っこちたの覚えてない?」
「ちらない、ママはー?」
「マイちゃんのママはね一緒に落っこちなかったから上に居るんだよ、それでマイちゃんもおじちゃんやお姉ちゃん達と一緒にねママの所まで行こうって昨日言ってたんだよ、ほらチーちゃんも居るでしょ?」
チーちゃんを指さしながらマイちゃんに見せる。
「うん、チーちゃんいてゆ」
チーちゃんを見て少し落ち着いたようだ。
「マイちゃんはチーちゃんのお姉ちゃんなんだよね?」
「うん、マイちゃんはチーちゃんのおねぇちゃん」
「じゃあ泣いてちゃ、チーちゃんも泣いちゃうよ?
チーちゃん見てるよ?どうする?」
「マイちゃん泣かない、グスッ」
「えらいねマイちゃん」
頭をなでなでしながら抱き上げて今度こそ落ち着かせる事に成功すると、マイちゃんが泣いた事で全員が起きたようだ。
「みんな、おはよう、コップと水を用意しといたから飲んでてね。おじさん手が離せないからさ、チーちゃんのストローマグにも水を入れてあげて飲ませてあげてね」
「朝ごはんは、どうしようか?リュックサックの中にある分で何か工夫して食べれそう?
クッキーは出来ればチーちゃんの為にしばらくは置いておいて欲しいから、それ以外で工夫出来そうかな?」
「全部出してみるね」
サクラちゃんが何があるのか全部確認するそうだ。
「うん、いいよ。」
サクラちゃんがリュックサックから食べ物を一通り取り出して確認しながら、ナツちゃんとミサキちゃんにハルちゃんも加わって、あーだこーだと意見を出し合ってるようだ。
マイちゃんも落ち着いたことだし、チーちゃんの横に腰を下ろし、チーちゃんも一緒に膝の上に乗せてマイちゃんと向かい合わせに座らせて二人の相手をしばらくして過ごす。
「マイちゃんもチーちゃんも聞いてね、二人が起きる度にママは居ないのね、おじちゃんもマイちゃん達が可哀想だけど今はまだ、上に上がれて無いからママに会わせてあげる事が出来ないんだ。
おじちゃん頑張るから、マイちゃんもチーちゃんの事を大事にして、おじちゃんの事を応援しててね。ママの居る所まで連れて行くから」
そう言ってマイちゃんとチーちゃんの頭をなでながら話し掛け最後に抱き寄せる。
「ぎゅーってすると落ち着くねー、おじちゃんも元気出た!」
「キャッキャ」「おいちゃんチクチクいたい」
「うりうり、おひげさんだぞー」
「おじちゃん、このパックご飯をお水で柔くして、塩昆布乗せたお茶漬け風にして食べるのダメ?」
「ん?いいよ?」
「マイちゃんもそれなら食べれそうだね、おじちゃんは朝ごはんは良いから、マイちゃんの分も用意して食べさせてあげてくれる?」
「はーい」
「あ、あとね、チーちゃんのストローマグにカルピスを極薄で作ってその作ったやつでクッキーをふやかしてくれるかな。チーちゃんにも食べさせるよ。」
「わかったー」
ミサキちゃんが元気に答えてくれた。
「ありがと」
しばらくしてチーちゃん用の食べ物を用意してくれて持って来てくれたので、膝の上に座らせたチーちゃんにふやかしたクッキーをスプーンで食べさせながら、こんなんじゃ栄養が偏ってしまうなと心配になりながらも、チーちゃんがお腹一杯になったので食事終了とした。
「「「ごちそうささま。」」」
「ぜんぜんお腹一杯になってないでしょ、大丈夫?」
「「「うん」」」
「そっか、はやくどうにかしないと、怖いね。
それにしても、自分達はまだわずかな食べ物があったから良かったけどさ、他の3000人?の人はどうなってるんだろうね。
ここから早く動けば食べ物が手に入るのかもしれないけど、あんな魔物が居るとなると不用心にも動き回れないし、難しいね」
「うん、食べ物も大事だけど、大怪我とか死んじゃったりしたくないよ?」
ミサキちゃんが自分が避けてた言葉を口にしたことで、他の子にも伝染しちゃって皆が俯いちゃった。
「そうだね、怪我とか死んじゃったりは絶対に嫌だね。だから慎重に進んで脱出を目指そうね」
「怖いよ・・・脱出なんて出来るの?・・・」
サクラちゃんも凄く不安そうになっちゃったな。
「「お母さんに会いたいよ・・・・」」
ナツちゃんとハルちゃんも姉妹で同じ事を呟いて、うっすらと泣いてるようだ。
「そうだね、さっきもマイちゃんにママに会わせるって約束したし、おじちゃん頑張るから、嬢ちゃん達も一緒にがんばろう?」
「おじさん、寝ないでこの後どうするべきか、色々考えてはみたのね?
おじさんは、出来る事を少しずつやって前に進もうと思うけど、皆はどうしたい?
おじさんはさ、子供達を危険な目に遭わせたくないし、また怪我とかもさせたくないんだよね。怖い思いもして欲しくないとも思ってる。
それでね[神]様って存在から貰ったスキルがあるって言ったでしょ?スキル名は【異空間創造作製】って言うんだけど、安全な避難場所を作れる感じのスキルって思ってくれると説明しやすいかな?」
「それって、この広場みたいに魔物が来ない場所って事?」
「多分ね」
それを聞いたサクラちゃんは考えてるようだ。
「おじさんもまだそこまで理解が及んでないけど、異空間って言うぐらいだからこことは違う空間なんだとは思ってスキルを選んだんだ。
他には荷物だけが保管できるスキルとか。????って表示されてる物を鑑定出来るスキルとかね、あと自分一人だけいつでもどんな状況からでも、【ダンジョン】の外に脱出が出来るってスキルも有ったね。
他には[神]様の【加護】を貰って強くなる。スキルじゃ無いけど【加護】ってのも選択肢に有ったんだけどね、でも【異空間創造作製】を選んだよ。
これなら君達を異空間内部に避難させて、おじさん一人で【ダンジョン】脱出を目指せるかなと思ってね」
「でもね、おじさんさまだ踏ん切りが付かないんだよね」
不安そうに言うと。
「どう言う事?」
ナツちゃんが首を傾げながら聞いてきた。
「うん、異空間内部にはね色々と調整出来て快適には出来そうだったのね。でもね・・・そこに君達を避難させて、おじさんが一人で地上を目指すでしょ?その過程でね有って欲しくはない事なんだけど。おじさんが死んじゃったりした場合に、異空間内部に居る君達はどうなっちゃうんだろうと凄く不安になってさ、それでどうにも踏ん切りが付かなくなっちゃってね」
「あのー、おじさんが死んじゃったりした時点で、私達がどこに居たとしても先は無いと思いませんか?」
「ん?」
「だからーおじさんが死んじゃったら私達も魔物に殺されるか、その異空間内部に居たとしても同じって事」
「ふむ、そう考えたらそうなんだけどね、でもさ異空間内部に居る間におじさんの姿が見えなくて不安になったりして情緒不安定になったりしない?
【ダンジョン】脱出となると短時間だけって訳にはいかないと思うんだけどさ、昨日のサクラちゃんの取り乱しようとかさ、マイちゃんとチーちゃんにしたって面倒見切れる?」
「う・・大丈夫とは言い切れないけど・・・頑張ってみるとしか・・・」
「そっかそれじゃあ、おじさんが手に入れた【スキル】で作った空間に入ってみる?」
「「「「うん!」」」」」
なんでそんなに面白そうな事のようにワクワクして、好奇心旺盛な瞳を輝かせて返事するんだろうか。
「わかった、入口出すから入ってごらん」
「「「「はーい」」」」
「ゲートオープン2」
〔ゲートオープン2〕と唱えて金枠の出入口を出現させる。
「どうぞ、通過する様に進めば中に入れるよ、最初は違和感を感じるけど特に問題なかったしね。」
「う・うん」
恐る恐るとミサキちゃんが手を前に出して金枠の出入口に触れると、途端に動きを止めてこっちに向き直った。
「ど・どうした?」
「うんとね、入る許可は出てるから入るのは可能だって頭の中に聞こえてきたの、でもね出る為には作成者との信用度?信頼度?友愛度?愛情?友情?忠誠度?信仰度?ってどれかの数値がね90を超えないと出る事が出来なくなるけど入るか?って確認されたの」
「なんだろう、おじさんの時はそんなのは無かったんだけど、それにおじさんの頭の中にはねミサキちゃんが触れた瞬間に入場を許可しますか?って出て許可しただけだったんだけどね」
「私も触れてみるね」
ナツちゃんが自分も触れてみるって言いだしたので頷いたら、ナツちゃんの時もミサキちゃんが触ったときと同じ言葉が聞こえたらしい、もちろん私の頭の中にも許可するかどうかの選択がきたけどね。
「要するに、中に入るのは許可さえ貰えば入れるが出るのは作成者との信頼関係とか信用とかそう言った友好的な目に見えない数値が90を超えないと出たくても出れなくなるって事かな?」
「そうみたいです」
「ふむ、それじゃあどうする?」
「「入るよ!」」
「うん、分かった、どうぞ」
そう言って本当に嬢ちゃん達は順番に躊躇なく入って行ったので、自分はおチビちゃん二人を抱っこしたまま後に続いて異空間内部に入って行くのであった。
「あ、リュックサックとか食べた後の容器とか忘れた。おじさん取って来るからチビちゃん二人お願いね。」
なんだか締まらないけど、置き忘れた物も大事な物なので仕方ない。
「ただいま、ってのも変だけど、ここがおじさんが作った空間になるんだけど、どんな感じ?」
「広いねーー」
嬢ちゃん達がほぇーって顔して空間内部を見渡してるのが印象的だ。
「それじゃあ、環境設定していくから、案を出し合って一緒に進めよう」
「「「はーい」」」
「まずは、時間軸を【ダンジョン】入口周辺の時間軸と同期させるね」
そう言ってから設定パネルを操作して時間軸同調をオンにする。
「わわわ、明るくなったね、今は朝って事かな?」
「そうだね、君達が起きて朝食を食べた後だからね、それぐらいの時間だとは思うよ」
「次は空間内温度の設定ね。これは良く見かける空調設備の設定パネルが壁面に設置されるから、誰でも温度管理が出来ると思うよ。さっき入ってきた入口横に設置しておくから、寒かったり暑かったら自分等で調節してね。出来ればチビちゃん二人の体調を考えた温度設定にしてくれるとおじさんも助かるかな」
「後ねここの中だと物を置いたままでは【ダンジョン】内みたいに物が消えちゃうって事が無いみたいだから、排泄物をそこらに放置って訳にはいかないだろうね。」
「まずは〔水源〕を設置出来るようだからあっちの角に設置して壁沿いに〔小川〕を流すね。」
「すっごーい、これでお水の心配はしなくて良くなったね!」
ミサキちゃんが心配事の1つが消えて大喜びしてる姿にほっこりする。
「あとは、小川の最終地点の壁が異空間に繋がってるみたいに、流れていく水が消えていってるね、だからおトイレは、小川の最後の方でするようにしようか。水源近くは水飲み場とか飲み水確保場所にして、中間地点で洗濯や体の汗を流したりかな。それで最終地点手前をトイレとして使う様にしてね。」
「チーちゃんの布おむつモドキの洗濯は中央より下流側で洗濯すれば排泄物も一緒に流せるでしょ。」
「まぁ、あのままトイレですってのも恥ずかしいだろうから、あとで鉄棒の残骸と寝る時に下に敷いた皮でも使って目隠しは作ろうかな。」
「一つだけ絶対のお願いがあるんだけど、マイちゃんとチーちゃんからは絶対に目を離さないでね。小川に入って溺れるかもしれないから、お願いだよ」
人はくるぶし程度の深さの水溜まりでも簡単に溺れ死ぬのだ。
「「「「「はい!」」」」
スキルレベル上昇で環境設定で出来る事が増えてるな。〔竈作製〕〔地面環境変更〕の2種類が新たに追加された様だ。
「次は水源から少しだけ離した場所に竈を設置するね」
おお、竈作製をタップしたら半透明の竈のグラフィックが視界に浮かび、設置場所の確認画面が出てきた。宣言通り水源から少し離した場所にグラフィックの竈を移動させ設置と意識すると、確認画面が出たので、了承する。
次に〔地面環境変更〕をタップしてみると脳内に空間内部の地面の状況が伝わってき、目の前には地面のグラフィックが出て来て、1㎡毎に詳細に地面の固さから高低差までの変更に加え、地面の材質が砂から土と石畳状の硬度が選べる事も理解できた。
「今出来る環境設定の最後の項目なんだけど、地面の固さとか高低差も変更出来る様なんだけどさ、寝る場所は柔らかくして、魔物の皮を下に敷いておくで良いかな?
後、砂にも出来る様だから、砂場でも作っておく?とりあえず、おじさんが適当に地面を弄ってみるからさ、変えて欲しい場所があればその都度言ってみてね?」
そう言ってから、まずは小川から2メートル程離れた場所を小川沿いに沿って1メートル程隆起させ小川への視線を遮るようにし、小川の中ほどを洗濯しやすい様に小川の川幅を広げ、トイレにしようとしてた最終方向の地面も小川を囲う様に地面を隆起させ視線を遮るようにし、一部分だけを通りやすい様にしておく。これでトイレ中に他者の視線を気にする必要は減るだろう。
次に、空間内部の水源を設置した位置とは反対の4分の1の広間の地面を座ったり寝たりしても硬く感じない程度に柔らかく設定してみる。
「一応こんな感じで地面を弄ってみたけど、色々見て使い勝手を教えて欲しいな」
「「「「はーい」」」」
使い勝手を確認してもらってる間、マイちゃんとチーちゃんを連れて柔くした地面の場所に移動して2人と少しじゃれ合って遊ぶ事にした、柔らかくした地面は思った以上に柔らかく転んでも痛くない感じに仕上がっていた。
「マイちゃんもこの柔らかい場所だとチーちゃんと一緒に走り回って遊んで良いよ」
「わーい」
マイちゃんとチーちゃんを眺めていると、マイちゃんが遊んでと言ってきたので、少し遊んであげる事にした。
マイちゃんの脇の下を持ち上げ高い高いをした後に、ぐるぐると回ってあげたりしながら、チーちゃんと交互に相手をしてると、マイちゃんから鬼ごっこもと言うので、二人を追い掛け回したりしてチビちゃん二人を大いに楽しませた。
最後にはお馬さんまでやらされたが、マイちゃんがチーちゃんを支える形で背中に乗せながらゆっくりと柔らかい地面の上を移動して遊んでると、不意に視線を感じ振り向いてみると嬢ちゃん達4人がこっちを見ていた。
「どうしたの4人でこっち見て、なにかあった?」
「ううーん、楽しそうな笑い声が聞こえてたから見てたの、水場とかは問題なさそうだったけど竈はあってもまだ火は熾せない感じだねって話してたんだよ」
ミサキちゃんが答えてくれたので、遊びはそこで一旦終了して、チビちゃん2人を背中から降ろして地面に座り込み嬢ちゃん達も近くに呼んで、これからの段取りを話すのであった。
お読みいただきありがとうございます。