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地球の管理者が決まりました。  作者: ルドラ
第一章 試練編
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第五話 続・スキル確認をしてみよう!

「お、落ち着いたかな?」


 取り乱したサクラちゃんを精一杯宥め、落ち着かせる。


「ちゃんと中に入るからと言ったでしょ、そんなに心配しないでも大丈夫よ?」


「うん・・・それでも入口も消えちゃって、こんな所に残されて一気に不安になってしまって、取り乱しちゃった・・・」


 サクラちゃんは突然の事に弱いようだな。これからは注意しながら行動しないと心配で精神が圧し潰されちゃったらどうしようもないしな。今一度慎重に行動する事を肝に銘じておこう。


「とりあえず、もう一度中に入って環境設定ってのを試して来るから、入口が消えたとしても必ず戻って来るからさ。チビちゃん達が起きちゃった時の為にここで待ってて。5分ぐらいで1度は戻るようにするからね?」


 全員が頷いてくれた事を確認してから、再度入口から中に入る。


 空間内に入るとまた目の前に〔環境設定〕パネルが表示されているので、そっと触れてみると【空間内の環境を設定してください。】と文字が浮かび上がり次の行に【女神様方の寵愛により、現在のスキルレベルより上位の環境設定が可能になります。】と表示された。


 〔環境設定〕のパネルには、《時間軸同調》《温度設定》《風景設定》《水源》《小川作り》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》《?????》


 《?????》の部分はスキルレベルが上がれば解放されていくんだろうな、先は長そうだがそれだけ楽しみでもあるか。


 さて、環境設定はどうやってやればいいのかな?とりあえず《時間軸同調》に触れてみると【地上入口付近の時間帯と同調させますか?】Y/Nと表示されたので、Yを選択してみると【同調に成功しました】と出て来て、空間内部が夕方の景色に一瞬で変わった。


 そうか、外では夕方になってる時間帯なんだな。落下したのが買い物終わってホテルに移動する為の時間潰しの最中だったし確か14時前頃だったしな。


 次は《温度設定》に触れてみる。

 すると【温度設定パネルを空間内部の任意の場所に設置できます】と表示されたので、とりあえず入ってきた入口横の壁面に設置しようと視線を送ると視界の中に型枠の様なものが浮かび上がり、壁面を見て設置場所を決めるとそこによく見かける空調設備のような10㎝四方の操作パネルが設置された。


 温度設定はいつでもパネル操作で可能なようだな、そろそろ5分ぐらい経つし一回出るかな。


「ただいま~何か問題あった?」


「おかえりなさーい、マイちゃんが起きて、おじちゃんが居なかったから不安がってぐずってたぐらい」


「そっか~マイちゃん、ただいま~」


 そう声を掛けながらマイちゃんの頭をナデナデしてから、抱き上げて高い高いをしてみると、ご機嫌斜めなマイちゃんも一発でキャッキャウフフと楽しそうな声を上げだした。


 高い高いを披露してると不意に違和感を覚え辺りを見回してみる。

 あれ?中央にあったアスファルトの瓦礫の山はどこ行ったんだ?鉄棒の残骸はまだ近場に集めたままだが、自転車も見当たらないな、リュックサックはあるし、チーちゃんの外したおむつも丸めて置かれたままだ。


 マイちゃんを抱っこしたまま、中央のアスファルトの瓦礫が有った場所まで移動してみる。

 自分が【魔物】を叩くのに使ったアスファルトの砕けた破片は残ったままだが、辺りに残ってるのはそれと切断された鉄棒の欠片と使い物にならなくなった壊れた鉄棒の残骸が中央にあるだけだ。

 フェンスの支柱とかも消えてしまってる。


「おじちゃんどうかしたの?」


 ミサキちゃんが、うろちょろしだした自分に声を掛けてきたので、アスファルトの瓦礫の山がない事を伝えてみると。


「あ、本当だ無くなってる、気付かなかった」


 サクラちゃんもナツちゃんも気付かなかったようだが、ハルちゃんが小声で。


「・・・あの、瓦礫の山はスゥーっと景色に溶ける様に消えていくのを見ました・・・」


「お、何も分からない状態から、消えるところを見たって情報が手に入ったね、ハルちゃんありがとうね」

 消えていったと言う情報は正直に言ってありがたい。


「いえ・・・はぃ・・」

 お礼を言ったら小声で返事を返してくれたけど、やっぱり人見知りっぽいね。


 この空間の外からは【魔物】は来ないとは言っておきながら瓦礫の山に【魔物】を埋めておき、時間経過で落下物が消滅すると同時に空間内部から危険が現れる仕組みとか、やり方が悪辣過ぎるんじゃないか。あの時に【魔物】を倒せて良かったと、心の中で思いつつ仮説を考えるのであった。


「消える条件の仮説を立てるとしたら、広場に落下してからの時間経過で消えたとして、消えるまでに人が触ったかどうかで、カウントリセットされるってのが有力かな?」


「ん?どう言う事です?」


 分からなかったようだ、無学なおっさんの語彙力の無さでは、説明不足なんだろうなと、思い直し。


「えっとね、地上から落下してダンジョン内の地面に接地してから、ダンジョンに吸収されるまでの時間が設定されてたとするでしょ。でだ接地してから誰も触らなければ時間経過でダンジョンに吸収されてしまう所を、おじさんが触って持ち上げた物だけは吸収されるまでの時間がリセットされて、再度ダンジョンの地面に接地した時からカウントダウンが始まるんじゃないかなって仮説を立ててみたんだよ。」

 身振り手振りで説明してみた。


「「「な、なるほど~」」」


「それじゃあ念の為に、地面に置いてある物を一度持ち上げておこうか、チーちゃんのストローマグとか消えちゃうと大変だし、おじさんのリュックサックにはまだ食べ物も入ってるからね、消えちゃうのはかなり困る事になっちゃうし。」


「「「はい」」」


 それから手分けして、荷物を一度持ち上げて置き直すと、誰かのお腹が勢いよく空腹を訴える様になきだした。まぁわたしのお腹なんだけどね・・・・


「・・・・・」


「はは、お腹空いたね。モモ肉はあっても火が熾せないし、燃やせる物も無いからリュックサックに入ってる物でも食べて我慢しようか。出来るだけ早目になんとかしないと、本当に危険になるね」


 そう言いながらリュックサックを開き中の物を取り出しつつ、食べれそうな物を物色してみるも、困ったなこのままじゃ栄養面の事もあるけど、チーちゃんの食べ物にも困る事になりそうだぞ。ミルクが無いけどカルピスを10倍ぐらいで希釈したほんのり味がある程度の物を飲ませるで誤魔化せるかな。


 離乳食時期だろうし、ビスコのクッキー部分を水でふやかして、食べて貰うしかないかな。後は調理器具があればお米のパックを調理もしようがあるんだが。


「とりあえず、菓子パンが5個あるから、それとカルピスで空腹を凌ごうか。

 いつの間にかチーちゃんも起きてるから、おじさんが抱っこするよ」


 チーちゃんを抱き上げる前にストローマグにカルピスを極薄で作り、そのカルピスを少し使ってクッキーを浸しふやかしてプラスチックのスプーンでほぐしておく。


 チーちゃんに話し掛けながら抱き抱えて膝の上に座らせて、ストローマグを持たせてみるとしっかりと掴んでストローに吸い付いたので、様子を見守ってみる。


 本来なら、ジュースやお菓子なんかは糖分が多すぎて離乳時期直後だと、良くない事なんだけど仕方ないよねと自分に言い聞かせながら、カルピスを飲み終わったらしっかりと水も飲ませて口の中をすすがせよう。


「チーちゃん、おいしい?」


 笑顔だし大丈夫そうかな、親御さんには申し訳ないけど甘い飲食物を教えてしまった・・・戻れたら謝罪するべきだな。


 自分も、チーちゃんを見ながら菓子パンを齧り、一息吐く。


「この後どうしようか?・・・」


 ちょっと弱気に呟いてしまい、ハッとし子供達を見回すも聞こえてなかったようで、ホッとする。


「おじさん、出口に向かって移動するの?」


「そうだね、そうするべきなんだけどまだ確認しないと駄目な事はあるし、それにさもうそろそろ夜になるよ?

 寝ないで動いて集中力が散漫になると危険だと思うし、〔神〕様が言ったようにこの広場内なら外からの危険は来ないってのなら、休むべきじゃないかなと思ってるんだけどね」


 そう話してると膝の上が冷たくなってきたので、チーちゃんを見てみると気持ちよさそうになってた・・・


 超久々に、おしっこ攻撃食らっちゃったぜ・・・


「あらら、チーちゃんがお漏らししちゃったから、Tシャツもう一枚取ってくれる?」


 ミサキちゃんが返事しながらリュックサックからTシャツを取り出してくれたので、チーちゃんに、やったなぁ~っと笑いかけながら、取り換えると、チーちゃんも可笑しかったようで、すっごい笑顔で笑ってくれた。


 きつい気持ちの時には本当に癒される笑顔だわ、弱気になってないで頑張らないと。


「ねぇ、嬢ちゃん達は裁縫って出来るかな?」

「おじさんのTシャツをさ、10センチ幅で切って2メートルぐらいの布にして欲しいんだけど、繋ぎ合わせる裁縫って出来るかな?」


「そんなの作ってどうするの?」


「ああ、おじさんの子供の時の記憶なんだけどさ、昔は赤ちゃんのおむつって布おむつだったんだよ。

 従妹のおむつ替えとかしてうっすらと記憶にあるだけなんだけどね。

 Tシャツを巻きつけるだけよりはチーちゃんも楽だろうし、よちよち歩きで動く事も出来るからね」


「なら私が縫い合わせてみます」


 サクラちゃんがやってくれると言うから、リュックサックから裁縫セットを取り出して渡す。


「ボタンとかの補修用だから、糸が少ないので工夫してみてね。

 あとは濡れたTシャツはレジ袋に入れて持って行こう、洗濯出来る所あれば洗って干しておむつに仕立て上げようか」


「「「はーい」」」


 裁縫をお願いして娘さん4人があれやこれや言いながら試行錯誤しつつ6本の布おむつモドキを拵えてくれた。

 お礼を言いながら5本分をリュックサックに詰め込み、使ったクリアカップとかも自分の使った物が分かるように印をしてもらい、裁縫道具とか纏めてリュックサックに入れる。

 いつでも移動出来るようにだけして腰を落ち着け、どうするべきか考える。


「ちょっと見ててね、チーちゃんに布おむつを着けてみるからね、おじさんもうろ覚えだから確実じゃないけど、Tシャツで包むよりはチーちゃんも楽だろうからね」


「「「「はーい」」」」


 返事が貰えたので子供の時の記憶を思い出しながら、チーちゃんへ布おむつを巻き着けていき、チーちゃんのお腹周りと足の付け根周りがきつ過ぎず、緩過ぎずと注意点を伝えながらそれなりな感じで布おむつを着けることに成功するのであった。


 気持ち(ふんどし)の着け方に似てなくもないが、そこはご愛敬だろう・・・


「おじさんが近くに居ない時にお漏らしとかで布おむつが汚れちゃったら、こんな感じで着けてあげて欲しい。

 布おむつは汚れても捨てないで排泄物がある場合はその辺に捨ててから、布おむつモドキだけはレジ袋に入れて持っていくようにしてね。」


「わかったよー」


 ミサキちゃんが元気よく答えてくれたので、安心しておこう。


「今夜はここで休んでから、明日移動してみようか?」


「そうですね」


「あ!、あと寝てる間に荷物が消えちゃっうのは嫌だから、おじさんの手に入れたスキルで作った空間に入れとくね」

「おじさんは今から荷物運びをするから、しばらくチビちゃん二人を見ててくれるかな?」


「はーい」


 ナツちゃんが返事してくれたので安心してお任せし〔ゲートオープン〕と唱えてから入口を出してリュックサックや鉄棒や鉄棒の支柱にドロップ品を順次運び込む。

 最後に鉱石を運ぼうとして本に気が付いたが取り合えず運び込んでおく。


 異空間内部でこれからの事を少し考えてみたがこの先の不安しか思い描けずに、本だけ持って出入口を通過し子供達の居る場所へ戻る事にする。


 戻るなりチーちゃんを預かり膝に乗せてチーちゃん用に用意したふやかしたクッキーを食べさせながらこの子達をどうするのが一番かを思案する。


 異空間創造作製で作った空間に子供達を入れて落ち着かせてから移動するのが安全で良いのだろうが。空間内にこの子達が居る時に自分が死んだりしたらどうなってしまうんだろうかとか、自分の姿が見えなくなって不安な気持ちが爆発して、情緒不安定になっちゃったりしちゃうと手に負えなくなるだろうしとか、色々と考えてしまいどうも踏ん切りが付かないんだよな。

 異空間内の方が【魔物】が居ないだろうから安全なんだとは思うんだが、こればっかりは自分の判断で決めちゃうよりはキチンと相談してから決めた方が良さそうだな。


 チーちゃんにふやかしたクッキーをスプーンで食べさせながら、我が子にも同じ事をしたなと思い出しながら懐かしく思っていると、ミサキちゃんとハルちゃんも欠伸をし出して眠そうに目を擦ってるのに気が付いた。


「眠くなって来た?」

「うん。。。」


「さっきの皮でも地面に敷いてそこで寝るかい?」

「うん。。。」


「ナツちゃん、チーちゃんを少し抱っこしてて、さっき運び込んだ皮を取り出して来るよ」

「はい」


 ナツちゃんも眠そうではあるがとりあえずチーちゃんを預け、再度異空間内部に進入すると内部はすでに夜模様で暗くなっておりもうそんな時間なんだと実感させられたが、取り急ぎドロップ品の皮を抱えて戻り、壁沿いに広げてみたが驚くほど広いしその手触りも獣毛なのに驚くほどに滑らかで柔らかくふんわりとしている。

 さっきは【魔物】の大きさが埋もれててハッキリとは確認できなかったが、ドロップ品の皮だけでも3畳半位の広さもある。


「敷いたよ、寝るならこっちで寝ちゃいな。」

「「ふぁーい。」」


「4人で寝れる様に詰めて寝てね。地面で寝るよりはまだ柔らかいと思うけど毛布も何も無いから横になるだけしか出来ないけどね。

 マイちゃんとチーちゃんは端っこで寝かせるよ、おじさんが起きてるからチビちゃんは任せてくれて良いよ」


 しばらくすると、全員がスヤスヤと寝息を立てながら寝てるのが確認出来た。

 それにしても、この【ダンジョン】内部の明かりは一定の明るさが続くだけで、朝や夜の移り変わりは分からない様になってるみたいだな。


 そう思いながら寝てる子供達の方に視線をやり、我が子達とも一緒に生活出来てたらこの子達と同じ年頃だったんだなぁと、しみじみと痛感しながら4人の子を見つめてしまった。


 しばらくチーちゃんの胸に手でトントンとリズムよく触れては離しを繰り返してるとチーちゃんも眠りに落ちてしまっていたようだ。


「ふぅー」


 ついタメ息が漏れてしまいこんな事を思っては行けないんだろうが、懐かしくて心地よい一時だったと懐かしんでしまったのは内緒にするべきだろう、不謹慎だし。


 全員寝てしまったし最低限の周りの注意だけしながら、今出来る事や確認する事をやってしまう事にしようか。


 まずは持ち出してきた本を見てみると銀色の装丁でタイトルも何もない。本と分かるのはただ見た目が自分の知ってる本と類似しているからなのだ。大きさはB5サイズ位だろうか、厚さは2センチ程の厚みがある。


 開いてみないと何が書いてあるのかも分からないが、タイトルもないし【ダンジョン】内にあったものだけに未知過ぎるがどうしたものか?

 ん?おかしいな。そういえば【ダンジョン】内に有った物は、名称とレベルが触っただけで表示されて分かった筈。

 この本はなぜ手に持っても何も表示されないんだろうか?

 名称が分からないものは????って風に表示もされてたはずなのに、何かまだ解って無いルールがあるのだろうか。

 これも子供達が起きてから相談する事にした方が良いな。今開いてもし自分になにかあったり、自分だけが消えてしまったりしたらこの子達も大慌てするだろうしな。


 次はスキルだな。【異空間創造作製Lv1】だが内部は環境設定すれば身を隠すだけは出来るだろうが他にも使い道は無い物だろうか。

 アイテムボックスみたいな使い方は出来るには出来るが自分で内部に入り取り出したりと一手間あるのが不便ではあるが、重い荷物を持ち運ぶ必要が無いのは助かるし人が入れるのも今の状況なら大助かりだろう。


 戦闘面でも使えると助かるのだが・・・・実験してみるか。


 小声で〔ゲートオープン〕と唱え出入口を開き中から鉄棒を一本取り出して、出入口に通過させた状態でゲートを閉じてみる。


 ゲートを閉じる事が出来た、しかも鉄棒はすっぱりと切断されてしまっている、これは無機物だからなのだろうか?怖いが次は自分の指ででも試してみるか。


 再度〔ゲートオープン〕と唱え出入口を出現させ、生活に最低限不便のなさそうな左手小指の爪先を3ミリ程を突き入れて、出入口を閉じると念じてみるが出入口を閉じる事は出来なかった。

 結果無機物なら次元の狭間を利用して切断でき、有機物は無理って事なんだろう。小指の先に痛みも無く無事であった事にホッとし安堵するのであった。


 一つスキルの仕様が判明したな。次は切断した鉄棒をいろんな角度から突き入れたり金枠の端の角を利用して三角形に抉り取る形で鉄棒を歪に切り取ったりを繰り返す。

 無機物かもしくは生命活動をしてない物質なら切断や抉り取りと言った加工が可能なのでは無いかと結論に達した。


 次はこの〔ゲートオープン〕と唱えて出てくる出入口のサイズ変更が可能なのかも確認してみよう。サイズを腕だけが入る程度の四角形を思い浮かべて魔力を込め〔ゲートオープン〕と唱えると20センチ四方の四角形の金枠が出現し内心でガッツポーズをした。


 サイズ変更は可能ではあったがどうやら作製した異空間内部の壁面にしか出入口を繋げる事が出来ない様で、空間内部の中央部に物を置いた場合は小さな出入口で腕だけを突っ込み取り出す事は不可能なようだ。これは腕だけで取り出したい物は空間内部の壁面に置くようにして活用すれば最低限の不便さは解消されるだろう。


 さて次は声を出して〔ゲートオープン〕と唱えないと出入口は出ないのかって所を模索しよう。

 声を出さずに脳裏で〔ゲートオープン〕と唱えて出入口が出てくれると緊急時にも安心出来る様になるだろうしな。


 深呼吸をして逸る気持ちを抑え出入口を開く時に体内から流れ出る魔力を意識しながら脳裏で〔ゲートオープン〕と唱えてみる。


 その瞬間【異空間創造作製のレベルが上がりました。】と、脳内に響き渡る機械的女性音声がスキルレベルの上昇を告げる。


 子供達が寝てるので、叫びたくなる様な慟哭を抑えつけ拳を固く握りガッツポーズをする。

 目の前には出入り可能な金枠の出入口が出現していて、声に出さなくても利用可能な事が判明し内心で歓喜に打ち震えた。


 【ステータス】でスキルレベル上昇の内容を確認した結果、作製可能空間を2個作成出来ると言うもので内部が広くなったとかじゃ無いので内心でがっくりとはしたが、荷物置き場が出来たと思う様にしよう。


 そうこうしてると、突然チーちゃんが泣き出したのでおむつを確認してみるも濡れてる様子は無く赤子特有の夜泣きが始まったのだろうと、優しく抱き上げて立ち上がり寝かし付けようとする。

 本来は抱っこで寝る癖が付いちゃうので出来れば避ける方が親御さんの為ではあるのだが、赤ちゃんを抱くのが十数年ぶりで懐かしくてついつい抱っこ寝を選択してしまったが、チーちゃんも安心したのか泣き止んでるし小刻みに横揺れしながら揺らしつつ寝かし付ける。


 子育て当時は夜泣きで寝ない我が子を朝まで抱っこしたまま寝かし付けてたら、それが母親としては容認出来なかったらしく元妻に激しく怒り散らされたもんだ。


 チーちゃんが少し泣いたけど、他の子達は起きることが無かったので安心してゆっくり歩きながらチーちゃんが落ち着くまで足音に注意しながら散歩しつつ寝かし付けるのであった。

お読みいただきありがとうございました。

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