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地球の管理者が決まりました。  作者: ルドラ
第2章 救出編
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第十三話 おじさん西へ向けて

誤字報告助かっております、ありがとうございます。


前話は会見日当日から数日以内の内容ですので、第二幕の一段階目も始まってません、ステータスが導入されただけの世界と思ってください。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 芦屋市立打出浜小学校校庭


 子供達が大泣きしながら【ダンジョン】から帰ってきた。どの子も【赤色表示】で阪本氏の母親を死に追いやった一人と出ている。


 優大君のパーティ16名が引率してたのだろうか?


【ダンジョン】を出た所で別れてそれぞれが家族の元に戻って行ってる。


 優大君に聞いてみたいが簡易テントの方へ歩いて行ってしまった。全員が段ボール箱を抱えて。


 それに俺等に斧を振り上げたあの阪本も居てる。本当に忌々しいしこの表示も腹立たしい。たかが誹謗中傷を拡散して母親に息子への悪口とちょっとした苦情を書いただけでこの仕打ち。


 そんな事俺以外もやってる事だろうに。それにちょっと悪く書かれたぐらいで自殺までしてこっちが悪いみたいになりやがってよ、本当にムカつく。


 何様のつもりだまったく。一部の贔屓してる者だけに食糧を与えて悦に浸ってやがるに違いない。


 とりあえず娘の所に行って事情を聞いてみるか。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 芦屋市立打出浜小学校校庭の簡易テント


 阪本氏がスキルブックを提供してくれて、大工2人と料理人2人のスキル持ちが増えた。


 阪本氏の置いて行った丸太や枝葉はまだ加工できないそうだ、【レベル】も低いのと〈大工〉スキルのレベルが低いのが原因だと思われる。


 料理人の方は、大量に置いて行った肉は細かくカットしてくれた状態でフィルムに包み直されて居て、にんじんも煮崩ししやすいようにカットされて離乳食を作る手間を省いてくれてるのと、少しでも加工されてると〈料理〉のスキルレベルが低くても取り扱えれるそうだ。

 ミルクも入ってる容器はミルクが空になると消えるので、他に保存したい物があるなら残り少なくなった容器を水に沈めて水中で洗ってから、即何かを入れる事が成功すれば容器は消えずに使いまわし出来ますよとの事だ。


 阪本氏には、乳幼児への食事は最優先にと言づけられてる。


 阪本氏には、飢えで死にそうな人が居るなら【赤色表示】者でも構わないから提供して良いと言い残し。

 肉、にんじん、山羊ミルク、共に1トン近くはあるだろう、これほどの量を置いて行ってくれた事に感謝だ。


 でも、この事は一部の者以外には秘密にする、スキルを得た四人にも口止めをした。


 【銀色表示】者からの提供は誰でも口に出来るが、それを権利と受け取った瞬間に食べる事が不可能になるからだ。

 実際に検証されてないので分らんが、たぶん〔神〕様の告げられた通りになるだろう。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 大泣きした子供たちの証言


 おい、【ダンジョン】で何かされたのか?どうして泣いてる?


「自分達のした事が悪い事で人殺しって言われたの。その他大勢に流されるままに書き込んだり拡散したりする事はいけない事だって怒られたの」


「なんだって、あの野郎!言うに事欠いて俺の娘を人殺しだともう勘弁ならん!」

 ついて来るんだと手を引いて簡易テントへ向かう。


 その途中同じように子供が激高した大人に手を引かれ簡易テントの方向へ向かって集まってきた。


「失礼するぞ、阪本は居てるか?俺の娘に人殺しと言って泣かしやがって。

 もう勘弁ならん、殺されたとしても言いたい事言わしてもらう」


「阪本氏はもうこの【ダンジョン】には居ませんよ。我が子と知り合いを探しに他の【ダンジョン】周りを探しまくるそうですよ?」


「それで、阪本氏がお子さん方を人殺しと言ったんですね?」


「そうだ、大泣きして【ダンジョン】から出てきた可哀想に」


「他の方々も同じ用件でこのテントへ?」


「そうよ」

「そうだ」

「そうなるな」


「思ったより少ないですね、お子さんの話を最後までお聞きになったんでしょうか?」


「聞いたに決まってるだろう!」


「落ち着いてもう一度何があったのかお聞きしては?」


「阪本氏も言い過ぎたと後悔してたようですし、お子さん方の事を考えての行動だったと聞いてますが?」


「うるせえ!もうすべて聞いて怒鳴り込みに来てるんだよ、あの野郎を殴らないと気が済まん」


「殴れると思ってるなら、浅はかな考えと言うしかないですね」


「多分ここの【ダンジョン】周りにいる全員で一斉に襲い掛かっても数秒もしないうちに死体の山が出来ますよ?」


 その時話を聞いてただけの水永将大が口を挟んできた。


「おじさん、おばさん達さ、嬢ちゃん僕ちゃんの言う事を本当に最後まで聞いたのかよ?

 俺はその場に一緒に居たが確かにキツイ言い方だったと思うけどさ

 あんたら親が教育しなかった事を自分の母親が殺された事を我慢して叱ってたぞ。

 やって良い事と悪い事の区別を付けさせる為におっさんも何かに耐えるように叱ってた。

 最後にはその内食料も取れるようにと【レベル】が上がるように集めた子供たちに腹一杯食べさせてたぞ」


「さて、同席した彼がこう言ってますが、最後まで話をお聞きしてこちらに殴り込むつもりで来られたんですよね?」


「あのお兄ちゃんの言う通りだよ。

 人殺しって言われて、あのおじちゃんのお母さんが私達の書いたメッセージが元で自殺して死んじゃったから、それは人殺しになるって言われたの。

 SNSは簡単に使えて簡単に知らない人と繋がって軽い気持ちで悪口でもなんでも書けるって事は自分にとっても危険な事もあるし、簡単に人を追い詰めてしまう事もあるって。

 書き込む際には書いた文字を相手が読んだらどう思うか考えてから書くようにして欲しいってお願いされた。

 そして叱られた事が怖かったのは確かだけど殴られたりはしてないし、最後にはお腹一杯食べさせてくれた。

 ご飯をお腹一杯食べた嬉しさと、おじちゃんのお母さんを殺しちゃったんだと思ったら皆で泣けてきて泣きながら帰ってきたの」


「お嬢さんもそうおっしゃってますが、阪本氏を殴りたいのであれば最高難易度【ダンジョン】の100階層で試練の守護竜に会いに行ったので追いかけてみてはどうですか?追いつけるかは分かりかねますが。とりあえず、阪本氏はここにはもう居てません。他に御用がなければまだ話し合いの途中ですのでお戻りになられませんか?」


「わ、わかった失礼す。」

 そう言い残して、テントに押し掛けていた人々は帰っていった。


「はぁ、やっと話の続きができますね」


「自分の子にあそこ迄言われたら親としてざまぁねぇな。親失格じゃね?

 それにしてもおっさんの言葉はキツかったがちゃんと理解出来てる子は出来てるんだな。

 俺なんておっさんキッツゥってずっと思ってただけだしな」


 そこからは邪魔も入らずに今後の運営方法に付いて話し合えた。

 決まった事は2階層より木材を集めてきて〈大工〉スキルのレベル上げをして、屋根のあるものを建造する事から始めようとなった。

 その際に優大君からも、2階層の木で〈大工〉スキル持ちが作った木刀なら武器になりませんか?盾とかもあると助かりますし。

 それは良い提案だと満場一致で決定した。スキル上げも出来て木材を無駄にしなくて済む。 


 阪本氏の開いた宴により、下の階層から持ち帰られる食材の量が増えた事、けが人が減った事があげられる。

 この【ダンジョン】周辺での最高戦力が落とし穴の罠で一時(いっとき)行方知れずになった6人だなんて思ってる人は少ないだろうな。

 優大君のチームもそれなりだが桁が違うと感じてるらしく、何かを隠してる節があるとも言ってた。

 次いでの戦力が、知らぬ間に転移の罠に掛り、これまた知らぬ間に助け出されていた舟木率いる6人だ。

 聞く所によると戦闘系のスキルをそれぞれが与えられたと言ってた。攻撃力だけで言えばこの6人の方が高いかも知れない。


 阪本氏が去り際に言った一言が気掛かりで仕方ないがじっくりやるしかない。全体的に【レベル】を上げておけと。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 おじさん懐かしの137階層で食材集めに奮戦中


 今は懐かしき137階層で、あの見た目も20m級と言ってたワニを相手に肉集めをしている。

 勿論、愛用の鎧姿と巨大斧でだ。

 このワニ1匹で5トンものワニ肉が取れ、大勢に振る舞う為には最適な獲物だが、リポップが遅く1日がかりなのだ。

 皮も大量に取れるがワニ革の財布を作るぐらいしか思い浮かばないので荷物置き場の肥やしだ。

 名を【デスゲーターキング Lv685】と言う、俺の左手先を食いちぎってくれた奴の親玉だ。

 子供たちが気にするし、サクラちゃんなんかもっと気にするので、もう一本ぐらいエリクサーが欲しい所だが見つけられていない。


 5トンものワニ肉と言ったが計5トンなだけで100㎏ずつ小分けされてるのが、助かっている。

 実際に5トンの肉なんかドロップしても持ち上げれるのだろうか。持ち上げれそうで怖いがまだ人間重機を名乗りたくはない。

 この川には、キング種のワニが三匹居るので、大食漢なドラゴンさん用に大助かりである。


 それに果物にキノコと自然薯まで採れて大満足である。

 他の階層にも食の宝庫はあるにはあるが、今の所食料を【レベル】上げに使える【経験値】と捉えるとこの階層が最適なのだ。

 唯一助かってるのが山羊のミルクだけ低階層で発見したのでチーちゃんには【レベル】的に手遅れだったが、他の乳飲み子には最適だろう。

 離乳食のにんじんから一気に【レベル】が上がってしまうがそうなった時はまとめ役が母親に肉でもたべさせて【レベル】を上げて対応する事だろう。

 提供した食材が自分の居ない所でどう扱われようが知らん。知らんったら知らんのだ。


 そして採集し尽くしたら、100階層でドラゴンさんに料理を振舞って雑談を交わし暫く旅に出ると伝えてお暇する。その際少し寂しそうな雰囲気を感じ取った。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 新天地目指して


 芦屋のリーダーさんに各地の初級【ダンジョン】の場所を記した地図を貰ったけど、雑に扱ってないのにボロボロになってきた。


 慌てて、【魔物】の皮に書き写した事で事無きを得たが、とうとう紙から崩壊し始めたようだ。

 見渡した限りではまだ建造物が倒壊してる感じはしない。


 とりあえずここで【ステータス】を確認してみよう。なぜか見ないと駄目なような気がしたのだ。


 [ステータス]


【名前】:阪本 仁

【年齢】:45(・・)

【性別】:男性

【レベル】:578

【状態】:バツ1

【善悪値】:87

【性格】:おだやか

【結婚可能人数】:5人まで


【生命値】:127883

【魔力値】:125715


【筋力値】:49910

【体力値】:41230

【器用度】:47740

【敏捷度】:30380

【知力値】:34720

【精神力】:43400

【 運 】:67


 《スキル》:造形術Lv74、頑健Lv54、怪力Lv71、機織Lv8、裁縫Lv9、糸紬Lv29、鋳造Lv1、鍛冶Lv1、採掘Lv1、陶芸Lv1、調合Lv1、料理Lv9、LV6、手芸Lv49、錬成Lv3、錬金術Lv3、火魔法Lv4、土魔法Lv3、風魔法Lv7、水魔法Lv72、回復魔法Lv3、解毒魔法Lv1、解呪Lv1、威圧Lv17、探知Lv68


 《固有スキル》:[異空間創造作製Lv8]


 《加護》:[女神様方の寵愛]



[簡易表示]


【善悪値】の数値により、簡易表示は【銀色文字】で表示されます。

【名前】:おじさん

【レベル】:578

【状態】:常に小さなイライラ


「よ、45歳になってるーーーーーーーOrz」

 叫ばずにはいられなかった、四捨五入したら50歳だぞ。


 叫んでるおっさんは放置して、お気付きだろうか?探知のシルバースキルブックを偶然手に入れLv68とナイスな引きを!


「ふぅー落ち着こう、叫んでも若返らない」


「ふぅふぅふぅ、四捨五入で50か・・・」


「見るんじゃなかった、誰だ【ステータス】が見たいと思ったやつは。

 変な電波を受信した結果、心に大ダメージを負ったじゃないか。我が子も見つからず、調味料もどこ?状態なのに」


 気を取り直してこの後の動きを考えよう。


 さて、どこへ向かおうか。お世話になった鹿児島の農家さんか、徳島の居酒屋さんか、長野のホテルか東京のオーナーか、青森の漁港か、ついでに松本3等陸尉さんか。どれも場所は分かる。


 でも今現在居てる場所がわからん。


 こんな時ほど届け電波・・・・・何も届きませんでした。


 大都市は避けようかな。面倒な政治家とか絡まれそう。

 そうなると岡山経由で徳島に行って居酒屋の大将からだな。

 その後は鹿児島の農家さんの所を目指そう。高速道路って走って良いものだろうか?もう動く車も無いし良いよね?

 そこからは高速道を高速走行して移動した。

 良いよね?中央分離帯の上を走っても。放置車両が邪魔なんだもん(汗


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 加古川バイパス


 加古川バイパスを走ってると不意に大勢の人の気配を感じ寄り道してみることにした。


 よく見てみるとここは中級【ダンジョン】らしき場所だ。眺めてるだけでも怪我人多数って感じで無理をしてるのが良くわかる。

 それにここの集まりって【白色表示】【緑色表示】【青色表示】ばっかりだ【灰色表示】すら居ないのは珍しいが、良い人の集まりなのだろうか? 


 とりあえず、敵意が無い事だけ分かるように両手を挙げながら接近して代表者を訪ねてみると、ここも陸自が取り纏めて居るそうだ。


 代表者の所に案内してもらうと、自分の事を知ってるようだった。


「はじめまして、阪本です」


「初めまして、斎藤です、ここの【ダンジョン】周りの集まりを管理(・・)してる者です」


「はぁ、管理ですか?」


「ええ、この近辺には初級【ダンジョン】まで距離がありまして。

 どうしても中級【ダンジョン】に入るしか手段がなくて、協力して【レベル】上げをしては居るのですがねどうも苦戦続きでして。」


「それで【灰色表示】者や【黒色表示】者【赤色表示】者はどこかで集められてるのですか?」


「いえ、そもそも何の戦力にもならないのでここの集団には迎え入れてません」


「子供も?」


「です」


「知ってたら教えて貰えますか?【灰色表示】者や【黒色表示】者【赤色表示】者がどこに居るのか?」


「なぜその様な者の事を?」

 少しイラっとした。


「幼子や子供が好きだからでしょうか?どうなってるのか様子を見たいなとの興味心ですかね」


「そうですか、ここから北に68キロ程の所に同じ中級【ダンジョン】がありますのでそちらに向かわれたのかも知れませんね」


「そうですか、ありがとうございます」


「では行ってみます」


「何もお手伝いして頂けないので?情報はタダではございませんよ、こんな御時世ですし」


「そうですね、では幼子と子供と親を集めてもらえますか?」


「なぜ?」


「いや、離乳食とミルクと母親には栄養のありそうな物でも食べて子育てを頑張って貰えればとね

 情報のお返しとしては十分かと思いますが?」


「そうですね、では呼びかけてきます」


「一緒に行って自分で呼びかけますよ、お手を煩わせるのも悪いですしね」


「どうぞ、ご自由に!」


 そこからは、自由にテント前に陣取って周囲に聞こえるように声を張り上げて、「離乳食とミルクと親御さんの為の食事を少しですがご用意できます」と声かけしたらワラワラと集まりだしてきたので、お子さん達を見ながら癒されつつ離乳食とミルクの準備をし、親御さんの為に巨大鉄板で肉を焼いては提供して行った。


「お、俺たちにも食わせて貰えないか?」


「うーん自分は構わないと思うのですが。

 ここの管理者さんは情報の見返りで離乳食とミルクと親御さんへの食事の提供で手を打たれたので勝手に提供出来ないんですよね、管理者さんがこちらに提供するものがあれば問題ないんですけどねぇー

 なので今はお子さん達優先で親御さんと一緒に元気になってもらおうとね。

 私も悪意があってこんな事言ってる訳じゃないのは理解してもらえると思いますが、こんな御時世と情報の見返りを求められ交換条件で取り決めた事ですので、ご理解ください」


 そもそも見返りなど求めなければ食事を振る舞い【レベル】上げしてあげるぐらいするつもりであった。

 あの管理者の態度がいけ好かないのと、【灰色表示】者以下の者を受け入れない度量も気に入らない。

 自分も人の事を言えないぐらい【黒色表示】者以下を毛嫌いしていた。表示を見る度にムカついたのもあるし母親の死ってのも実感してしまうから。

 それでも幼子や子供は健やかに育って欲しいと思ってしまうのも事実だ。親が【赤色表示】だろうと幼子は【白色表示】の真っ白だ。手を差し伸べる価値はあるし守らないと駄目な存在だ。


「申し訳ないがもう少し食糧を置いて行ってくれないか?」


「何を言ってるのかな?これだけの量でもさっきの情報じゃ過剰なお返しだと思うが?」


「足りないと言ってる」


「言うのは簡単だ、それでどうする?」


「自衛隊として徴収させてもらう」


「ふん、今更国も機能してない、役にも立たない自衛隊がそんなことまかり通るとでも?」


「まかり通るさ」


「ふーん、提供はしないし、提出もしない、ハイ終了」


「なめるなよ」


「なめてるのどちら?高々【レベル】32程度で何が出来ると?あんた程度芦屋にはゴロゴロ居てるぞ?」

 そう言った瞬間陸自隊員が自分を取り囲むように動いた。


「なぁこれだけで満足しとかないか、俺も善人を怪我させたり間違って死なせちゃったりしたくないんだわ」


「徴収を拒否した事で拘束する取り押さえろ」

 その瞬間取り囲んでた隊員が押さえつけに掛かるが、1ミリたりとも動かす事が出来ずに狼狽えてる。


「頭悪、よく【白色表示】で要られたな。ああここの皆の為には必死になれるから善人ではあるのか。

 でもさ、相手との力量は正確に判断出来ないと死ぬよ?今回は死ぬ事はないから救いだね」

 そういって威圧スキルを使い、子供たちが泣き出さないように注意しながら押さえつけようと無駄な努力をしてる隊員とビビり出してる管理者に向けて徐々に威圧を高めていく。


「どうする、今なら発言を引っ込めるのを許してやるよ?」


「ぐぅっ」


「あらら、この程度で返事も出来ないんじゃ強がるべきじゃないね。

 早く返事してくれない?時間の無駄だし子供たちに離乳食配りとミルク配りで忙しいんだけど」

 そう言っても誰も返事してくれない、これは触れてる隊員は引き離して良いよな。

 

 って事で、隊員を強引に引き離し、離乳食とミルクと親御さんの食事の配給再開。


「強引で強欲な人はほっといて、離乳食とミルクどうぞー、親御さん方はしっかり食べて子育てがんばってよぉー」

「おーちゃんあちがと」

「どういたしまして」

 やっぱり子供は可愛いな。


 必要な人等に行き渡ったようだし、良かった良かった。


 ついでに涎垂らしてみてる若者や成人にも食わせてやるか。悪人じゃないしな。


「んじゃ、次は肉焼くから他の人も食べに来て良いよぉー」

 俺の威圧対象は自力で抜け出さない限り食わせる事はしないが、まず抜け出せないだろう。


「どんどん焼くから、どんどん食って【レベル】上げて生き残ってよー」

 涙を流しながら食うほど美味いかね、俺の味付け無し料理だぞ。調味料はいずこ?


「ついでに教えて欲しいんだけど、施設出身者とか居てますか?」


「この集団には施設出身者は居てません!」


「ありがとう、おまけ肉追加!」


「ほなそろそろ他に移動したいから、鉄板の上の食料を綺麗にさらってしまってねー」


「はーい」


「多少は【レベル】も上がったでしょ?ここの【ダンジョン】の事は知らないけど、何とかなりそう?」


「一気に8はレベル上がったから1階層メインで頑張れば大丈夫そう!」


「それは良かった、頑張ってよ。特に幼子と子供はしっかり守ってやって。ミルクと離乳食用の人参は300㎏程あなた方奥さん連中に管理を任せるから、子育てしっかりね」


「自衛隊に奪われたら自衛隊員は赤色になれーって祈っとくよ!」

 俺に襲い掛かってきたいまだ動かない管理者と隊員への威圧をさらに強めて「良いな俺が民間人に与えた食料を奪ったりするなよ、奪えば君達は俺の敵だ」と一層強く威圧すると気を失いそうになったので解除する。


「ただ協力要請は良いと思うし、情報提供の見返りを求めるのもまだ許容できるが、奪いに来るやつは強盗と遜色ないからな。まあ国が機能しなくなり法律もうやむやだから法に触れたわけじゃないけど注意はしろよ。

 これだけの事しといて色表示が下がらなかった過去の自分の行いにも感謝しとけ。

 それだけ、ここの人限定ではあるんだろうが善き行いをやってきた事だろうし、俺から食料を欲したのも現状をしっかり理解出来てるからの行動だろ。やり方を間違ったのは違いないが」


「弱っちいのに粋がるなって話でもある」

 さっきからどうも赤べこみたいに首を縦にコクコクしかしない。さっきまでの威勢はどこへやら。


 さて北へ約70キロか様子見して判断だな。

お読みいただきありがとうございます。

やっぱり修正作業を先にした方が良いですか?

読みにくいとの感想が増えてる気がして、迷ってます。


あとイルムス様、設定方法を教えてくれてありがとうございます。

初投稿の何もかも初で使い方もよく理解してないで始めちゃってるので指摘して頂き感謝です、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 書かれているご自身の思うがままに書かれるのがよいと思います。
[良い点] めっちゃ面白い。 正論を主人公の我儘っていう思い込みに落とし込んで、無理なく読者に届ける手腕は天才的です。 「おだやか」だけど、許せる事と許せない事の線引きが明確なのも良いです。 [気にな…
[良い点] 時代劇の勧善懲悪‥的な流れが「なろう小説」では珍しく作者様のオンリーワンな作品を良い意味で構成していると思います。 [一言] 主人公のおっさん  調味料探しをしているので⓵避難民に対しダン…
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