第七話 第二幕の次段開始
誤字報告ありがとうございます。
感想欄でも文章のレイアウトのアドバイスも本当に感謝しております。
まだまだ全てに対応も出来てませんが、どうか寛大なお心でお見逃しして頂ければ助かりますが、放置する事を宣言した訳では御座いませんので、修正作業と執筆を頑張って行きたいと思います。
我が子を探して手あたり次第に役所や施設を訪ね歩けど、殆どが情報開示をしてくれない理由の一つに自分が住所不定である事があげられる。
真剣に話を聞いてくれ調べてくれた職員さんも居るには居るが該当地区での条件の一致するお子さんの情報は無いとの返答ばかりである。
もう2週間もすれば第二幕の次段が開始される。どれくらいの期間で朽ちるのかが分からない今ゆっくりとしても居られない。
当時の記憶を頼りに国道26号線を南下し妻の実家がある和泉市にやって来た。もちろんこの近隣市はすべて市役所と施設を訪ねたがなにも進展は無かったのは言うまでもないだろう。
記憶通りで引っ越しとかしてなければここの2階に住んでたはずが、意を決してインターフォンのボタンを押すも反応がない。もう一度押してみるもやっぱり反応がない。インターフォンが壊れてる可能性も考えてドアをノックしてみるもやっぱり反応は一切ない。
そうこうしてると、向いの部屋から住人が出てきて教えてくれた。この部屋の住人は〔神〕様の出してくれる移動ゲートで自国へ帰って行ったそうだ。そりゃ某半島出身者だしなあり得なくはない。ご夫婦と2人の娘さんと息子さんで光の輪を潜って行ったようだ。
ちょっとおかしい。俺が元妻と結婚生活をしていた4年近くに長男の義弟君も東京で結婚し2人の子供をもうけて幸せに暮らしていたはずだ。
もう少し詳しく聞くとこの国の【ダンジョン】に入れないからと言うのと、長女さんのウソが世間にバレて当時はマスコミが殺到して情報を修正するために正確な情報を求めて来ていたらしいとの事だがそんな折突然と息子さんも東京から帰って来て、昔からの付き合いのあった自分に自国に帰りますの一言で5人で移動して行ったそうだ。
なんてことだ手掛かりが完全に失われ両膝が崩れそうな気持になりながらも階段に腰掛ける。
「すみません、長女のお子さんの事は何かしりませんか?私の子でもあるんですがもう探す当てもなくて」
「さぁねぇ、長女さんが住んでた訳じゃないし、ここにはご夫妻が住んでただけだからね」
「そうですか、ありがとうございます」
お礼を言ってその場を離れはしたが喪失感が半端なくて市営住宅から離れ近くの路上脇にあった車輪止めに腰掛けて考え込んでしまった。離婚後奪われた子供の事を思い出しては流していた涙が久しぶりに流れた。
役所に出されてる閲覧禁止措置が自動で失効するまでこの世界は形を保てるのだろうか。いや建造物の形は保てても電子化した情報は取り出せなくなるだろうな。あの概念の書き換えを聞く限り電気は作れなくなり、ガスや化石燃料も掘り出せなくなる。動植物も隔離されるなら山は崩れるかもしれない。
悪い事ばっかりじゃなく、宇宙空間に打ち上げられたデブリと言われる宇宙ゴミは資源として地球に戻されると思うし、海中に沈んだプラスチックゴミも地球に還元されるのだとしたら良い事とも言える。
話がそれたが我が子の手掛りがこの3か月間一つも手に入らなかった。
例えテレビで呼び掛けたとしても13,4年前に捨てられたのだとしたら私の事など記憶の片隅にも無いだろう。娘が1歳で息子が4歳だし。もしかしたら息子は覚えてくれて居るかもしれないが、裁判所で相手の弁護士立ち合いのもとで会わせて貰った際も近付いたらダメと母親に言われてるからと言ってしまってたしな。
13年間必死に養育費を振り込みつつ子供が金銭面で苦労してなければ良いなとの思いも踏みにじられたわけか。あんな元妻一族なんか神罰でも食らってしまえ。吐き捨てるように愚痴を零し意気消沈したまま兵庫県方向に向かって歩き出すのであった。
トボトボと歩き兵庫県内まで帰ってきた。色々と考えながら帰ってきた結論がこれだ。もう一度西宮市役所に行ってもうすぐ世界が変わるから電気が失われる前に閲覧禁止を解除して教えて欲しいと頼み込んでみる事だけだった。
善は急げとやってきました、西宮市役所です。呼び出し番号を貰って順番を待つ。10分ほどで自分の持つ番号が呼び出し表示板に映し出された事で、指定の番号のカウンターに行き席に着くなり詳細を語っていく。もうすぐ〔神〕様の言う第二幕の次段が始まると電気も作れなくなり電子データを閲覧する事も出来なくなると訴えどうか次段が始まるまでに我が子の事を教えて欲しいと懇願した。
結果ダメでした。
そりゃそうだよね、法律で決まってるんだもん。誰が嘘の申告で申請しても書式さえ揃って居たら受け付けるのが役所だもんねぇー。柔軟に動けるぐらいなら、子供の虐待死なんていくらでも阻止できるよねぇーって皮肉だけ言って市役所を出た。少しぐらい愚痴っても良いだろう。
あと2日もすれば第二幕の次段の開始である。第三弾があるのかは知らないが我々人類に取っては地獄の始まりになるだろう。ネットに依存してた人やSNSで人と繋がる喜びを得て居た人とか孤独に圧し潰されそうになるに違いない。食料にしても今製造されてる分が出回れば補充は不可能になるはずだし、政府がどれだけのルールを作ったかに依るが【ダンジョン】を中心にした集落が作られるのが関の山だろう。
何か救いが有ればいいのだが。俺にも。
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第二幕の次段開始まであと2日になった瞬間
不意に時が止まり頭の中に声が響き渡るのであった。その声は聞いていても不快にも感じなければ好意的にも感じない声だ。
『地球と呼びし星に住む人類の者共よ、告げた通りに第二幕の次段が2日後に導入される』
『未だに星を掘りし者共への警告でもある、資源が戻される際に巻き込まれないように離れるが良かろう』
『巻き込まれると生きたまま埋められる事になる』
『山に住みし者共へも警告である。動植物の隔離により崩れる山があるかも知れぬゆえ離れるが良かろう』
『人類と共生してる生物も隔離されるが【魔素】や【魔力】がその役目と取って代わるので体への負担については安心するがよい』
『書き換わる概念については以前伝えた通り発動される。生活が一変する者も出ようがどうでもよい』
『星を掘り資源として享受してた全ての人種も同罪ではあるが、動植物の隔離と概念の書き換えを罰とする』
『自分が入れる【ダンジョン】の地域への移動ゲートは第二幕の次段が発動してから1日で終了する』
『建造物もそれなりに早くに倒壊し地面に崩れた瞬間資源へと戻されるので倒壊には注意するべし』
『そして殺人者諸君、疫病神か死神が視線を送る事だろう。負の効果ではあるが〔神〕からの加護であるので早めに滅してしまえ』
『我からは以上であるが、審判と裁きの女神が告げたい事があるゆえ代わるとしよう』
『今から我の言葉は一部の者だけに聞こえる言葉である贖罪の時は残り2日裁きの時はもうじきくる』
『贖罪出来なかった者は今後一切【善悪値】が善き方向に動く事はなくなるが簡単に悪しき方向には動くので贖罪を急げ』
「審判と裁きの女神様、その裁きですと永久に私や私の母が恨まれ憎まれます。会見の日の贖罪はもう2日で不可能になりますし、自分の表示色以上の者への食糧や建材の提供を贖罪とするようには出来ませんか?」
俺は真剣に心の中で〔神〕々様へ届と念を送り続けた。電気も電波も失う今、会見の日に決められた贖罪方法など達成するのは不可能だ、それに許さない事で憎しみの籠った目で見られるのもうんざりだ。俺は一切許す気がないが、俺と関わりのない所で贖罪に励んでほしい。
『汝、阪本仁が言うならそれも良かろう。それでも一生を贖罪に充てるようなものなれどこれを裁きとす』
その言葉が一定の人の脳裏に響き渡ると同時に空に浮かんでいた回収率の表示が消え、それぞれの【ステータス】に表示されていた回収率も消え去ったのであった。
代わりに【ステータス】の【善悪値】の数値の横に【贖罪率0%】と新しく表示されたらしい。
どうも説明を見てみると【灰色表示】や【黒色表示】や【赤色表示】になってしまうとそれを100%にしないと上の色にならないようだ。自分の【ステータス】にはそんな物は表示されてなくて今まで通り【善悪値】があるだけだった。
これで理不尽な逆恨みや憎しみから解放されるかな。贖罪が進まないとなると自分に向けられる視線は憎しみや憎悪一色だったしな。それに死んでまで知りもしない他人に憎まれ続ける母が不憫でしかたないし、親族への謝罪もここ最近はアピールとしか取れないような物だったらしいし逆切れされる事も多かったと聞いた。
さてあと2日、我が子はどうしたものか、無事に育ってくれてるのだろうか?やっぱり自分を憎んでるのだろうか。悩んでももう手段が思い浮かばない。
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次段まであと1日
本来の自分は他人が嫌いでは無い。
離婚後に傷心旅行に出たのが切っ掛けで様々な人と出会い助けて貰い、また助けもした。時には漁港で荷揚げの作業を手伝って漁港長さんの家で泊めて貰いながら食と共にお給料まで頂けたし。時には飲み屋で知り合った農家さんの所で収穫作業に勤しんだ事もあった。
飲み屋さんの所で住み込みで清掃から開店準備に閉店作業とゆかいな店長と一緒に働いた事もあった。また時には居酒屋で住み込みで働けないかを捜し歩いた時に飛び込みで店長さんに話をしてた時にお客さんで来てた夜のお店のオーナーと名乗る人と知り合い、経営するお店のキャストさんの子供の子守を夕方から朝までやってくれないかという話を受けて4年間もお世話になった事もある。
キャストさんはすべてがシングルマザーで子供も誰の子か分からないとあっけらかんに話す姿は母は強しだなと思ったっけな。
何が言いたいかと言うと、明日に迫った次段だが知り合った人々は生き残る事が出来るのだろうかと心配になってしまったのだ。様々な人の応援があったから月々15万も送金出来たのも事実だしね。
今となっては、食料を持って行きたくても距離が遠すぎる。鹿児島の農場に青森の漁港に東京のオーナーと徳島の居酒屋や沖縄のダイビングショップに長野のホテルと色々とお世話になったのでどうか無事でいて欲しいと不意に思い出してしまった。
自分が旗振りをしなくても誰かが旗振りしてくれるだろか。子供たちだけでも飢える事が無いようにしたいが一人じゃ近場の人に限られる。明日の様子を見てから判断しよう。この為に森林フィールドでは木を切り倒して荷物置き場2に詰め込んでいる。言いようが格好良くなったが実際は勢いよく木に飛び蹴りをかましてへし折ったって言うのが正直な表現だろう。
自分の荷物置き場では物は朽ちるのだろうか。朽ちないのであれば重要な書籍とかは保存しときたいな。政府の人と話すべきだろうな。舟木さんか松本さんに聞いてみるか。
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芦屋市立打出浜小学校校庭の簡易テント
数日ぶりにやってきました。【ダンジョン】周りに居る人に声を掛けてみる
「すみません、舟木さんと言う女性の方を探してるのですが、もしくは松本さんと言う男性の方でも良いのですが居られますか?」
「どのようなご用件でしょうか?」
「えっと、とりあえず会いに来た?って感じなんでしょうか?」
「はぁ、お名前をお聞きしても?」
「はい阪本と言います」
「それでは伺ってきますのでしばらくお待ちください」
「はい、忙しそうでしたら無理にとは言いませんのでよろしくお願いします」
走ってテントの方に行ってしまった自衛隊員を眺めながら【ダンジョン】の方をそれとなく眺めていると結構な人が入って行ってるのが目に留まりがんばれーって気持ち見ていたらテントの方から走ってくる気配を感じながらも振り向きはしないで眺め続けると。
「阪本氏で間違いなかったようですね。お久しぶりです舟木です」
「こんにちは、舟木さん」
そう言って振り向くと前見た時と全く同じ隊員服に身を包んだ舟木さんがペコリと頭を下げ立っていた。
「突然どうされましたか。まさか私を訪ねて来られるとは思いもよらず驚いて居ます」
「ははは、なんと言うか私の異空間を知ってる人で政府関係って舟木さんしか知らなかったので訪ねてしまいました」
「ああ、そうですねそれでいかがしました?」
「うんと、明日には次段が開始されるでしょ?それで重要な書籍とか朽ちさせたくない物を異空間に入れて置くと朽ちないのではと思い立ってさ。医学書とか人体解剖学術書とか?」
「また記録する技術が開発されたら必要になりそうな物とかさその時までにドロップ品の皮にでも書き写すなりして記録を後世に残せればなとね聞きに来たんだけどって所かな?」
「そのお話はとても重要なご意見ですよね。私では判断出来ませんので上に聞いてみますね」
「んじゃお願いしますね」
「テントでお待ち頂けますか?」
「うーんやめとく視線が気になるし、校庭の端にでも居るよ」
「あはは、わかりました、後で報告に行きますね」
「よろしくです」
そう言って懐かしい遊具が並ぶ方へ歩いていきブランコの支柱にもたれ掛かりながら時間を潰すのであった。小一時間ほどしてテントから飛び出して舟木さんが走って来たのが見えたので歩いて近寄っていく。
「お待たせしました。とりあえずですね進言してみたのですが重要文化財にあたるような物の持ち出しは不可能で重要な資料なども不可能らしくてですね。それで何なら行けますかと聞いたところ自衛隊阪神病院の蔵書なら試してみても良いと許可が取れました」
「おお、頭の柔軟な人も居るもんだねー。で、その病院の場所を知らないんだけどどうすれば?」
「すぐにご案内しますのでこちらへ。車での移動になりますので。今病院側では梱包作業をさせてますので到着次第運び込めるかと」
「そう?わかった」
そこからは陸上自衛隊の車で自衛隊阪神病院まで送って貰った。一言いえば阪神と言いながら川西市やんけってツッコんでしまった事だろうか。
「すごい量があるね。これ全部が医学書?」
「いえ、医学書も多くありますが貴重な論文とかデーター類をプリントアウトしたものとか時間の許す限りで箱詰めしています。今もまだ継続中ですね」
「そ、そう」
そこからは何も言わず一人で5箱重ねで持ち上げサクサクっと救出した女性たちを保護していた空間に奥からつめて積み上げていった。重みで下の箱が潰れないように配慮だけして重ねたから大丈夫だろう。ついでにこの空間の水場は撤去した。書物に水は良くなさそうな気がしたもので。それでも午前2時頃まで延々と箱が作られていくのを苦笑いを浮かべながら眺めていたさ。
「これでとりあえず終わりで良いのかな?」
「はい、ありがとうございます」
「それにしても空間の半分も箱で埋まったけどすごい量なんだね医療関係の重要な物って」
「それはこの病院だけのものなんで欲を言えば他にもあるのですが、もう時間がありませんし朽ちないと保証もないので一旦はお疲れさまでした」
「それじゃこれは預かっとくね。朽ちたりし始めたら芦屋の【ダンジョン】前まで知らせに行きますよ。朽ちていかなければ預かっておくので写せるようになったらお渡ししますね」
「それじゃ帰ります」
そう言って病院の開いてる通用口から出て適当に暗闇の中を歩きながら見つけた公園でゲートを開いて休んだ。だって深夜4時前なんだもん。
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始まった次段
おじさんは異空間に入ると軽く食べてから横になったが明日はとうとう世界が変わる日だ。どうなるのかと緊張で寝付けないまま朝を迎え、軽く朝食をたべてから異空間を出て西宮市の【ダンジョン】目指して歩いて行くのであったが、最後の景色かもしれないと辺りを記憶に収めながらのんびりと歩いて、171号線を神戸方面に歩いて武庫川を渡ったあたりで時が止まり、お告げがなされるのであった。
『地球と呼びし星に住む人種よ今より告げた通り実行される』
『強き善き者よどうか生き残ってほしい』
『後は、国毎に結界で覆ったので生き延びるか滅びるかだ』
『他国へ移動も出来なければ他国から食料を奪う事も出来はしない』
『体に害のある物もすべて消した』
『上位色の【ドロップ】させた食料は下位色の者は食べる事は出来ない』
『ただし上位色でも金色と銀色まで登り詰めた者からの慈悲は受ける事が出来るがそれを権利と思った瞬間食べる事が不可能になる』
『半年後に次のルールを告げに来るから心清らかにし生き延びよ』
そう言った瞬間に空に地球が映し出され人口が居なくなった地域は赤く変わるそうだ。
次の瞬間時が動き出し景色が一変するのであった。
「マジか」
武庫川を見ていた視線の先では一切の草木が見えず川底にも苔一つ見当たらないし魚一匹確認出来ない。川の底に稀に沈んでる原付バイクとかも綺麗さっぱり消え去っていた。六甲山系の甲山の方を見てみると、丸裸の土山に見えその奥の六甲山も土が露出した土山になってしまっていた。
植物豊かだった山が一本の木すら目に入らない。俺は試しに武庫川の河原に降り立ってみて河原を掘ろうとしても掘る事が禁止でもされてるように掘る事が出来なかった。自分の力でも土に指を突き刺す事すら出来ない事に〔神〕様の力に畏怖を覚えるのであった。
こんな事が出来るなら一気に人類を死滅させるのも手間でもなんでもないんだなと実感できてしまうのであった。因みに川の水を掬ってみたら水道水並みに奇麗な水で驚いた。
辺りを見渡しても行き成り朽ちた建物はなく、動植物が消え去った位しか今の所は判断できない。と、言うか静かすぎるなと道路の方を見ると動いてる車は1台もなく、燃料はおろか電気系統も電気を発生させてないのか沈黙に包まれていた。
「これ帰宅難民が出る程の事なのでは?」
唯一動いてるのが自転車であったが、それもいつまでの事やら。
コンビニは電気が来てないので消灯しては要るが商品自体は商品棚に陳列されてはいたが、買い物客が押し寄せてるのが見て取れた。
すごい世の中になったな。これってスーパーやコンビニから勝手に物を持ち出したら確実に【善悪値】が下がる仕組みやん。〔神〕様もえぐい事しはる。
これは一種の〔神〕の試練なのでは?これで善悪値の全体値を下げて、いや善悪値とかの問題じゃなく直接魂を秤に乗せられてると見た方がしっくりくるか。
「怖い怖い、スーパーやコンビニには近づかんとこ」
ぼやきながら、西宮の【ダンジョン】目指して歩くのであった。
それにしても半年後に次のルールだって言ってたな。あまりな景色でその事を一瞬忘れてたが次はいったいどんなルールが導入されるって言うんだ?今回の事でも何千万って命が失われそうな気もするのに。
阪急電車が途中で止まってる。どうやら手動でも開ける事が出来ないようだ。車内を覗き込むと【黒色表示】や【赤色表示】者ばっかり目につくな。そう眺めてたら窓から身を乗り出して人が出てきたが窓なんて所から出ようもんなら結構な高さだ。仕方ない見てしまったしドアだけ開けて立ち去ろう。
「今からドアを開ける」
一声掛けてドアを押し開けて行く。あとは好きにしてください、とばかりに開けただけで放置を何か所か繰り返し線路を越える事が出来た。まったく踏切で止まるなよな。
「それにしても左手首から先が無いのに慣れてきたな」
と現実逃避しながら歩いて行くのであった。
「このまま西宮市役所に行ってみようかな。大混乱してるんだろうか?」
子供達の手掛かりが手に入らないかと市役所に来てみたが、まさかの閉まってた。
守衛さんが居たので話しかけてみたらお告げの後から電気が来なくなり業務をする事が難しくなって閉めたのだそうだ。
そりゃそうだわな。電気が来ないんじゃ現代じゃ仕事にならんよね。どうせスマホの電波も飛んでないんだろうな。【ダンジョン】に戻って休もうっと。
帰り道で一つの発見をした。ドブ川と言われてた川がまるで清流のように美しい水面が光を反射させていた事だ。
お読みいただきありがとうございます。
色々と修正箇所を指摘されてしまい修正作業もしたいのですが、お休みを頂いて修正するべきか執筆優先で完結まで走り切ってから修正するかで悩んでおります。