第二話 第二幕が開幕する。
誤字報告ありがとうございます。
〔神〕のお告げがあってから2日経過したその日、突然として時が止まる。
『地球に住む人種よ、只今より第二幕の開幕となる【ダンジョン】が設置されるが今回はいきなりの崩落での作成ではなく、巻き込まれないように【ダンジョン】作成範囲に光の環が出現するので必ず回避するように』
『今回巻き込まれると、最下層まで一気に落下して落下死する』
『試練挑戦者達の様に、ゆっくり落下してなんの衝撃もなく地面に着地出来るとは思わないように』
『また、パラシュートを用いて最下層を目指そうとか考えてる愚か者にも言っておくが、【魔素】【魔力】を有さないパラシュート生地では【魔素】の充満した【ダンジョン】内部では空気を掴み浮遊する事も出来ないと伝えておく』
『第二幕の完全開放まで残り3か月、今回の【ダンジョン】でこの先の時代がどうなって行くのかを身をもって実感しろ』
その言葉を最後に時が動き出すのであった。
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内閣総理大臣官邸
「即座に【ダンジョン】発生場所の特定を急ぎ、封鎖し民間人の入場を抑えろ」
「はっ、鋭意調査中ですが何分いくつの【ダンジョン】が出現するのか分かっておりませんので、全国の防災放送で【ダンジョン】にはまだ入らないように促し見つけ次第報告するようにも通達します」
即座に全国の防災放送で【ダンジョン】を発見しても報告し入るのは控えるようにと放送が流された。
「では初級の【ダンジョン】が判明したらそこに部隊を投入し調査を開始しろ」
「【黒色表示】と【赤色表示】部隊には、探索や調査に関わらせずに食料調達を最優先にするように指示し、【ダンジョン】生還者の3名に調査任務を与える」
「いえ既にその3名は除隊しております」
「はっなぜだ?」
「いえ、一身上との事で」
「今思えばこうなる事を予測していたのかも知れませんね。搾取されるのを嫌い個人あるいは3名で組んで食料を得ようとしてるのかしれません。なんせ組織内に居たら死んで来いとの命令も拒否できませんし。
それに他にも除隊者多数です。主に【白色表示】者以上のモノが除隊してしまって居ます」
「むむむ」
まずいぞ、それぞれの色持ちにあった任務を用意していたのにこのままでは策も頓挫するではないか。
「まぁいい急ぎ【ダンジョン】の位置を特定し入場制限をかけ、陸自による調査後に開放する旨を告知しろ」
「はっ!そこまでは可能かと思いますが【赤色表示】者は【ダンジョン】への入場を拒否するものが多数です、それと言うのも身体能力が著しく低下していて小学校低学年程度の【ステータス】しかなく戦う事より、償いや贖罪に集中したいとの事です」
「【黒色表示】者でさえ、【白色表示】者の半分程度の【ステータス】で、中学生レベルの身体能力しかないとの事です」
「な、なんだとそんなにか?」
「はぃ、だから初めから贖罪はどうしましょうとお聞きしておりましたが、結局あの会見の日でさえ、阪本氏に謝罪してませんでしょ?」
「もう協力を得るのは絶望的と修正し策を練り直す事を具申します」
「どいつもこいつも仕方ない。残った部隊員で突入可能者を募り探索させろ。最悪民間人に即時解放して情報を吸い上げるのも考える」
その後の調べで日本国だけで【ダンジョン】の数が282もある事が判明し、人口分布に比例した感じで中心距離に中難易度【ダンジョン】が配置されてる事が世界各国の報告と合わせて検証した結果わかったのであった。また初級【ダンジョン】の数はそう多くない物の各都道府県に2個ずつある事が判明した。
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お昼のニュースをお伝えします。
本日とうとう第二幕1段階目の【ダンジョン】が日本国内だけで282カ所で確認されました。
【ダンジョン】への入場は出来れば15歳以上で複数人でチームを組んで挑むようにとの声明が発表されてますので、守るようにしてください。
日本に出現した【ダンジョン】は各都道府県に初級ランクが2個ずつ、中難易度ランクが2個から4個
最高難易度の【ダンジョン】が茨城県ひたちなか市陸上自衛隊勝田駐屯地敷地内と兵庫県西宮市阪神電鉄沿線高架下の公園と、もう一つが長野県長野市の犀川河川敷公園敷地内に確認されました。
現在、最高難易度の【ダンジョン】への出入りは出来ません、入るには資格が必要な様子で資格が何かは判明していませんので、情報を得た方は政府ホームページからご連絡をお願いします。
すでに自衛隊、民間人含め複数人が【ダンジョン】に入ったとの証言が出ておりますが、政府の管理下に置かれる前に入ってしまわれた方々の安否は不明です。
自衛隊員にも複数名の負傷者が既に出ておりますので、細心の注意を払って入る事お願いいたします。
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世界は混乱の中に突き落とされた。初級【ダンジョン】のない国では満足に【魔物】を倒す事も出来ず負傷者が続出し、判明してないだけで数多くの犠牲者も出た事だろう。
そして貧困国で毎日が食う事に困るほどの地域では、食料が手軽に手に入る【ダンジョン】は歓迎を以って受け入れられた。
それと言うのも、難解な法律が存在しない国なので国民に【黒色表示】の割合が少なかったのが幸いし、人海戦術を用いて1匹ずつを確実に仕留めて行き、負傷者は出すものの死者は出さずに食料を確保していたのである、そうやってでも生き残り食糧を得る行為は自然とレベルアップに繋がり、好循環を齎すのである。
そして先進国と言われる国々は、殆どの国民が【黒色表示】以下で人海戦術を取ったとしても、基礎能力が低過ぎるので負傷者大多数に死者もそれなりの数になった。
また上級国民と思われている、弁護士や裁判官、検事や検察官、議員にと【赤色表示】が多かったのである、特に弁護士はほぼ全て【赤色表示】されてしまう程であった。
難解な法律で抜け穴が多いほど使い勝手は良いと思われてたが〔神〕に掛かれば単なる悪人認定であった。
そして日本国の話へ戻るが、15歳以下は【ダンジョン】への入場禁止としたとは言ったが、別に法律で制定されたわけではない。新たに法律を作る事を禁止されているからである。
なので、政府のお願いレベルでの話であったので入場を阻止する権利は誰にも無かった事が、そこそこの混乱を招いたし、無理に入場を阻止しようとすると【善悪値】が下がるのである。
それでも一週間も経てばある程度の情報は集まり【ダンジョン】内に入ったらまずは、石でも木の棒でも拾って武器にして戦う事が推奨された。
次に判明したのは【白色表示】者の食糧ドロップ量と【赤色表示】者の食糧ドロップ量に違いがある事も分かった。明らかに【赤色表示】者のドロップ量が少ないのである。
〔神〕は本当に【白色表示】者未満の者は消えて貰いたい様に思えた。
【ダンジョン】で手に入る食糧が思った以上に少ない事が判明した今、入場制限を掛ける意味が無いので、複数人であれば入る事を認めたのが功を奏し、次第に安定していくのであった。
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西宮市立今津中学校
ここに英雄志向の強い少年が居た、名前を水永将大と言う、たえず異世界に行きたいと思っていた少年は【ダンジョン】の出現に歓喜した。ネットで集まった勇者志向の6人組みたいな愚かな事は出来はしなかったが、それでも【ダンジョン】に気持ちを奪われるまではそう時間が掛からなかった。【ダンジョン】から持ち帰られる情報に一喜一憂し現状の戦い方とかもネットで調べつくしたし、自分ならこの苦境をひっくり返し世界に安定を齎せられると思い込んでいた。
それに不運な事にも、兵庫県芦屋市の芦屋市立打出浜小学校の校庭に初級ランクの【ダンジョン】が発生した事も拍車をかけた。
実はこの中学校は、サクラ、ナツ、ミサキの通う学校でもあったりする。
少年は知っていた。サクラ、ナツ、ミサキの身体能力が著しく上がっていたのを見てから、【レベル】が上がっている者だと確信していた。
少年はなんとか、この3人をメンバーに加え【ダンジョン】に行く事を模索する。でもこの3人の少女とは何の接点もない。学年は同じでも同じクラスになった事がないし、小学校は違う校区だった為小学校からの知り合いって訳でもなかった。
それでも【ダンジョン】に行きたかったから、直接誘ってみたがあっさりと断られた。
でも諦めきれなかった。自分がこの世界に平和を齎すと信じてやまなかったからである。そこで作戦を練った。
サクラと言う少女が仲良くしてるある少女に告白し今は触れ合えないがと恋仲になった。名前は清水清美と言う。しばらくは恋仲を演じ【ダンジョン】の事は諦めた様に振舞って、3人の少女の警戒を解いていった。
ここまで1カ月間も無駄に過ごした、あと1カ月もすれば第二幕の次段が開始される。それを強調して恋仲を演じてる彼女を利用し【ダンジョン】に行く方向で話を軽くしてみた。
「なぁキヨ、あと1か月で第二幕の次段が発動するじゃん。その時ってさ動植物は隔離されるって言ってたって事はさ、気軽にスーパーやコンビニで買い物が出来なくなるって事だよな?」
「えーわかんないよぉ」
「キヨはマサくんみたいに賢くないから、難しい事は分かんないかな?」
「そっか、でも良く考えてみ、牛や豚や鶏が隔離されちゃったらさ、お肉買えなくなっちゃわない?」
「あーほんとだ、そうなったらヤバいね」
「親もさ【ダンジョン】行ってないじゃん。食料集めるの今からでも始めないとヤバくない?」
「ほんとだねー」
「んじゃ、行く準備して仲間集めようか?」
「そうだねー、声掛けれる人に声かけてみるね」
「おぅ、15歳以上の証明は兄貴にでも頼むしさ、兄貴は兄貴で既に仲間と一緒に何回も【ダンジョン】に入ってるから、俺たちの様子見程度は付き合ってくれるさ」
「はーい」
そう言って、計画通り進んでる事に内心でほくそ笑んで【ダンジョン】に入る日を心待ちにするのであった。
「おはよう、キヨ」
「おはよう、サクラ」
「ねぇねぇ、今日ね【ダンジョン】行く事にしたの、お父さんもお母さんも【ダンジョン】に行ってないから、あと1か月もしたら食糧難になるんだってさ。マサくんが私も一緒に行って食料集めようって言っててさ、それにマサくんのお兄さんの仲間も一緒に行ってくれるから安心なんだって」
「ちょっとキヨ、安心なんか無いからね?【ダンジョン】をなめたら痛い目を見るよ?」
「それなら、サクラも行こうよ?」
「行かないよ?キヨも行っちゃ駄目だよ?約束して」
「わかったよぉー、マサくんにも言ってみるよ」
「絶対だからね行ったら本当に危険なんだから」
ちょっと不安だけどキツク言ったから大丈夫だよね。
その後は何気ない会話をして授業を真面目に受け、放課後にキヨがやってきた。
「サクラー、マサくんに言ったんだけどねやっぱり行ってくるね。嫌われちゃうのヤだから。お兄さん達も、マサくんのお友達ももう集まってるから、いきなり予定変えれないないんだってさー」
「ちょ、ちょっと待ってて、ミサキー」
「なぁに?サクラ」
「キヨがこれから【ダンジョン】に連れて行かれちゃうみたいなの、どうしよう?」
「えーほっとけばとは言えないし、どうしよう?」
「私が付いて行くしかないよね?」
「でも、戦えるの?」
「わかんないよそんなの?」
「サクラーもう行くみたいだから行ってくるねー」
「ちょ、ちょっとキヨ待ちなさいって」
「私も行くからちょっと待って」
「行ってくれるの?じゃあ待ってるね」
「ミサキ、ナツミにも伝えておいて。何もなければ良いけどね」
そう言ってキヨと一緒に校門まで来たら、高校生が6人(男性4と女性2)と、中学生が私含めて7人(男性4と女性3)が集合するのであった。
「ねぇ、突然キヨから【ダンジョン】に行くって聞いたから心配で付いてきたけど本当に安全なんですか?」
「あーまぁ何回か入って【魔物】倒してるから大丈夫っしょ」
なんか軽そうな感じで不安しか無いから、キヨから離れないようしとこう。
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芦屋市立打出浜小学校
隣の市にある芦屋市立打出浜小学校の校庭に出来た【ダンジョン】まで来てしまったが、不安で仕方ない。
「じゃあ入るけど入ったら石でも木の棒でも拾って持っとけな?外から持ち込んだ物は武器にも盾にもならんからな。それじゃ行くぞ。そこのテントの中のカウンターで15歳以上の証明をすれば簡単に入れるから、いつも通り俺が代表で申告してくるわ」
「・・・・・・・」
「全員の年齢確認はされないんですね?」
「そうね。入る人が多いから全員の分を確認してると時間が掛かるからリーダーの確認と申告だけで入れちゃうわね」
「まぁ何回も入って2階層までは行ってるから今日行く1階層ぐらい平気だから安心して」
「はぁ」
一通り全員を見ても【白色表示】で【レベル】も3や4の人が居るから、初級ランクなら安心なのかな?
「おう、申請してきたぞもう入れる」
「サンキュー兄貴ありがとな」
「ま、入ってしまおうぜ」
「うん」
私は初めて自分の足で【ダンジョン】の階段を降りて行った。中はあの日のあの時に見た風景と同じように壁がうっすらと光っていて時間経過も分からない。私はあの日を教訓に腕時計と懐中時計の2個を鞄に持ち歩くようにしていた。
おじさんからも真っ暗な空間は無かったと聞いてるし【ダンジョン】内は時間経過が分からない。おじさんみたいに腕を失う恐れもあるからだ。
腕時計を腕に嵌めながら「少し暗いですけど明かりとかどうするんですか?」と質問してみても「これくらいの明るさなら問題無い」との返答が返ってきた。
「そんじゃま【魔物】を探しますかね、ここに出るのはスモールラットって【魔物】1種類で思いっきり蹴るだけでも倒せる雑魚だけさ。でも匂いには敏感だから、出血とかしたらキッチリと止血しないとワラワラと集まってくんぞ。それぐらいだな注意点は」
「「「はぃ」」」
「初めてだし1階層だけにしとけよ?最初の【魔物】だけは様子見てやっから」
「お、おぅ兄貴助かるぜ」
その発言に違和感を覚えたがその違和感が何か分からなかった。
「ああやって、斥候役が先に進んで通路上に【魔物】が居ないかを確認しながら進んでいくんだぜ!
そうすることで、不意打ちや、不意な接触を避けれるし、他の人が戦っていたりしてたら近付かないのがルールだな。
横取りとか揉める事になるからな。その場合は違う道を進んだり、戦闘が終わるのを待ってから軽く会釈して横をすり抜けるかだな」
レクチャーしてくれてるんだろうけどなんだろうこの不安感は。
「ああ、それから分配方法も決めとけよ、そこをキッチリしてないと揉めるぞ」
「わかった後でやっとく」
「俺らは活躍順とかの不明な方法は取らずに均等割りしてる。大抵は人数分の食糧がドロップしてから帰るって感じだ」
「まだ【スキル】とか出たって報告もないし、武器や防具も、いつかのおっさんの映像で見ただけだしな」
「ま、あんなおっさんで脱出出来る程度の【ダンジョン】だ軽いもんさ」
それを聞いて激高しかけたけど、息を整え気持ちを静めた。今は【ダンジョン】の中なのだ。騒いで良い事なんかあるわけない。
「お【魔物】が居るようだぞ。マサ行くか?」
「良いの、やってみる」
そう言ってキヨの彼氏のマサくんが木の棒を片手に走り出して、勢いそのままにスモールラットを蹴っ飛ばした。
「やったぜ一撃、おレベル上がって1になった」
「ほい、ドロップ品のラットのもも肉100gな」
「そのフィルムに包まれてる間は、長期間放置しても腐ったり痛んだりしないから、調理する時まで剥くなよ」
「へぇ便利だな」
そう言って鞄の中に肉をしまい込んだ。
「なんか簡単だな、これなら余裕だぜ」
「そっか、それじゃあ俺たちは2階層に行くから無理すんなよ」
「え、ずっと付いててくれるんじゃないんですか?」
「いやいや、そんなわけないじゃん。最初からちょっと付き合ってくれって頼まれただけだしな、俺らも稼がないとだし」
「ちょっとマサくん、私が聞いたのと違うんだけどどうなってるよ?」
「何を聞いたか知らねえけど、今日はこの段取りだぜ?」
「キヨ、危ないから今日は帰ろう?」
「キヨ帰ったらもうお別れな」
「えー別れるのはヤダよ、ついていくから!」
「ちょ、キヨったら、ほんとに危険だよ?」
「マサくんも、【ダンジョン】なめてたら痛いしっぺ返し食らうよ?」
「うっせーな、白けさせんなよ。帰りたけりゃ帰れば良いだろ」
「キヨが一緒なら帰る!」
「キヨは帰らないとよ」
「まぁまぁ、ここは【ダンジョン】の中なんだし大きな声出してると【魔物】が寄ってくるし、キヨちゃんもこう言ってるんだから、折れてやってよ」
「1階層だけってのは約束して、お兄さん達みたいに2階層に行くとか言わないでね」
「ああ良いぜ、今日は元から1階層だけの予定だからな」
「それじゃ、キヨの横を付いていくよ」
納得は出来ないがキヨが振り回されてるので仕方ない。
それからすぐにお兄さんたち高校生組とは別れた。
私を除いて全員がスモールラットを蹴り殺してレベルアップした様で。
「皆レベルアップしたし満足したでしょ?帰りましょ?」
「はぁ、まだまだこれからやるんだよ」
さっきから見ていても、お兄さんチームが居た時みたいに斥候役も居なければ、大声で騒ぎながら移動しては【魔物】を呼び集めて、戦うのに酔ってる感じしかしない。
「ねぇキヨ、そろそろ夜だし帰ろうと言ってくれない?」
「う、うん」
「マサくん、そろそろ夜だし帰らないと家の人心配しちゃうよ、帰ろ?」
「今良い所なんだよ、ちゃんと出口に向かいながら【魔物】倒してるからもうすぐ出口につくよ」
「そ、そう、わかったよ」
「ごめんね、サクラもう少しだって」
ほんとに出口に向かってるのかしら。お兄さんが向かった方に向かってるとしか思えない。
「それにしても1階層はチョロいな」
「2階層の階段だけ確認してから帰るか?」
「おぅ良いね」
「ちょっと、さっきと言ってる事違うじゃない。やっぱり出口に向かって無かった」
「チッ、うっせーな黙って付いてきとけば良いんだよ。さっきから戦ってないんだし文句言うな」
ほんとに頭にくる。てかこいつの頭の中は、からっぽなのかしら。
「おら、さっさと行くぞもう少しレベル上げて次回には2階層行くからな」
「「おー」」
ほんと頭悪い。なんでこんなのが【白色表示】なんだろうか。
そうやって騒ぎもって、お兄さんが向かった方向へズンズン進んでいくのをキヨの横を守りながらついて行くと、突然の浮遊感に驚いた。
「うお、なんだ」
「わああああ」
「きゃああああ」
「くっ」
どうやら罠を発動させてしまい階下に落下させられてしまったようだ。
お読み頂きありがとうございます。