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地球の管理者が決まりました。  作者: ルドラ
第一章 試練編
21/60

第二十話 おじさん思い返す。

[ステータス]


【名前】:阪本 仁

【年齢】:44

【性別】:男性

【レベル】:506

【状態】:バツ1

【善悪値】:86

【性格】:おだやか

【結婚可能人数】:5人まで


【生命値】:111953

【魔力値】:110055


【筋力値】:43700

【体力値】:36100

【器用度】:41800

【敏捷度】:26600

【知力値】:30400

【精神力】:38000

【 運 】:67


 《スキル》:造形術Lv72、頑健Lv47、怪力Lv63

 《固有スキル》:[異空間創造作製Lv8]、

 《加護》:[女神様方の寵愛]、


[簡易表示]


【善悪値】の数値により、簡易表示は【銀色文字】で表示されます。

【名前】:おじさん

【レベル】:506

【状態】:良好


「やっぱ、やりすぎたよなぁー」


 と言うのも、現在は2カ月近く掛りやっとの思いで1階層に到着した時のことである。落下させられた階層で【レベル】を上げれるだけ上げ【レベル】の上昇数も落ち着いてきて、アリやウサギの【魔物】の動きがスローに知覚出来るほどに上がったので移動を開始する事を決意したのは良かった。


 犬だと思っていた集団戦を得意とする【魔物】も簡単に処理してしまえた、【デスハウンドウルフ Lv685】だと判明もした、「犬でウルフハウンドってのは居たと思うが、ハウンドウルフってやっぱり狼なのかねぇー」などと暢気に無警戒で歩いていた。


 ワニも、【デスゲーター Lv685】なんて名前で、手抜き感が否めなかったなー。


「上の階層に上がった時に、如何にもこれぞダンジョンって感じの石造りの回廊を見た時は感激もしたんだよなー。うっすらと壁全体が光ってて見通しもそう悪くなかったし、ただしそこにわらわらと動く鎧が居なければなんだけど」

 おかげで、【ドロップ】する防具を手に入れる事が出来て、予備も大量に確保することが出来たのは良かったが、この鎧の頑丈な事、今まで損傷して交換した回数など片手の指を折れば事足りるだろう。問題だったのが食料が【ドロップ】しないのが残念だったな。


「ま、ウサギやワニや犬?で大量の肉とニンジンを確保し、森の中では【ドロップ】品の皮を燃やす事にもったいない感が出てしまい、薪を大量に作っておいたんだよな。もちろん森の恵みである、キノコに自然薯も見つけるたび確保したさ」


 その後も、階層を経る毎に迷宮型の階層や、広々フィールド型の階層などが在り、いも類に山羊型【魔物】からは乳製品も手に入れることが出来たのは幸いだったな。


「山羊の乳は子供にも良いんだよな、牛乳よりも栄養価値が高かったはずだし、自分の子にも時々山羊の乳を買ってきて一緒に飲んだな。

 また、山羊の乳を使って煮込んだスープもナツちゃんの腕が上がったのか【スキル】レベルが上がったのか、めちゃくちゃ旨かったんだよな。

 もうじき、お別れが来るが何とか無事に親元に帰してあげる事が出来そうで一安心だ」


 そうやって過去を振り返りながら歩いていると、後方より背中に僅かな衝撃を受け振り向くと【キラーニードルラビット Lv5】が突撃をした後だった。


「また君か、【レベル】差も理解してないんだろうな。出会う【魔物】全てが必ず襲い掛かってくるのもうんざりだ」


 と蹴り飛ばし青黒い粒子となり中空に溶けるように消えていき【ドロップ】品をその場に顕現させる


「肉は嬉しいが、ニードルは使い道が無いんだよなーでも貧乏性な(さが)のせいで拾うんだけどねっと」

 と、ぼやきながら荷物置き場空間に放り込んでいく。この荷物置き場空間も広さが拡張されており今では甲子園球場3個分程の広さが有りそうだ。


「そのうち、荷物置き場も整理しないと何が何処にどれだけあるのか、分かりにくくなってきたよな」


 重要なポーション類や食料だけは分かりやすいように分別させてはあるが、手に入った防具や武器や【魔物】の素材や魔石は適当に放り込んでしまっている。【スキルブック】も適当に放り込んでしまっている。


「後は、100階層で出会ったドラゴンは壮大だったな、スマホの電源が落ちてたのが残念で悔やまれる。話の分かるドラゴンで戦闘には至らなかったが、あの壮大なスケール感とカッコよさは写真を撮っておきたかったよ」


 100階層での【エンシェントシルバードラゴン Lv???】との遭遇は、階段を上がった直後のことであった。初の挑戦者がまさか下の階から上がってくるとは思いもよらなかったドラゴンは呆れたように話だし、【神】により100階層の守護者をしてるらしい。


 その時得られた情報によると、10階層毎に魔法陣が設置されており1階層出口付近に移動可能らしいのだが、1階層の魔法陣に登録してないと使用不可との事と、10階層毎の魔法陣も使えるように登録させてないと双方向移動が不可能である事も聞けたのだが、今までそんな事をしていないと答えた。


「いやードラゴンの呆れる顔ってのも初めて見た人間ではないだろうか、呆れ果てて言葉を失ってしまってたしな、ハハハ。

 ま、なんにしてもこの鎧を手に入れてからは防御力の面で安心でき、突き進む事が出来たしな」

 なんせ、この鎧を手に入れてからと言うもの【魔物】の牙すら貫通する事はなかった。


「と言っても、集めるのは苦労した、レガースや籠手は比較的顕現するが、胴体や腰回りに兜等の重要な場所を守る箇所の装備がなかなか集まらなかったんだよな。それにしても、行き止まりや、突き当りに小部屋と襲ってくる【魔物】は居ても宝箱の類は無い。

 通路も長く曲り角も分岐地点も多すぎだろ。マッピングしてないから今が何処かもさっぱりだ。そもそも最初から何処に居るのかもさっぱりだったわ」


 そうやって、過去を振り返りながらも歩を進めは、行き止まりにぶち当たり来た道を戻るを繰り返しながらも、進めそうな方向に進むが、本人は気付いていないのだ、同じ道を何度も通過してる事に。


 なにも、このおじさんの方向感覚が悪いわけでもなく、フロアにトラップが設置されてるわけでもない。意識が過去の出来事に飛び過ぎるのが原因で見過ごしていたり、勘違いしていたりするだけなのだ。


「紙とペンが欲しいな。マッピングしないとえらい事になっちゃうぞ。ま、お昼も近いし、チビちゃん成分補給に戻りますかねー」


 そう言って、ゲートを開き昼休憩に突入するのであった。


「ただいま」

「「「おかえりなさい」」」


 ああ、この出迎えてくれる事が何度経験しても癒される。


「多分だけど、1階層に上がったはずだから後少しで地上に出れると思うよ」

「「「ほんとに?」」」

「あ、ああ、ほんとほんと」

 このおじさん、いつまで経っても嬢ちゃん達の問い詰めにはタジタジなのであった。


「お腹がすいたしね。残り少ないナツちゃんの料理を堪能しようと思って戻ってきたよ」


「すぐに準備しますね」


「お願いね、何か手伝うことがあったら言ってね」

 そういうも、すでに手伝える事もなく、マイちゃんとチーちゃんの相手をして時間を潰すしかなかったが、これもまた癒されるので不満はない。


「おうちゃん、おうまさんしてー。」

「いいよぉ。落ちないようにしっかりつかまってるんだよ」


 柔らかくした地面の所で満足するまでお馬さんごっこを付き合ってあげ、お昼ご飯で呼ばれるまで遊び更けるのであった。


「うーん、ナツちゃんの作る料理ってもう料理屋さんレベルだよな。ほんと美味しいよ」


「まだまだ、調味料も無いし、あるものだけで味を誤魔化しもって作ってるので、調味料が揃ったらどれだけの料理が作れるか楽しみなんですよね」


「それは楽しみだね。がんばりなよ」


「調味料も揃って、食材も満足なもので料理出来る様になったら、食べに来てくださいね?」


「そうだね、機会があればごちそうになるよ」


 その後、チーちゃんにもお昼ご飯を食べさせお昼寝するまで横で添い寝するのであった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 時は少しさかのぼり


「戦車砲も、対戦車砲も、対戦車ライフルも、RPGも一切合切がダメージを与えられません、掴まれるだけで腕を握りつぶされ、掴まれて振り回されれば小枝でも振るように人体が簡単に振り回されてしまいます

「情報に在った通りに肉弾戦しか効果がないと言う事か」


「そう言う事になります。」


「心苦しいが、脱出した3名の自衛隊員の出動を要請してみてくれ」


「ただし、拒否は可能とする旨も添えてな」


「はっ」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 茨城県ひたちなか市の方は、陸上自衛隊勝田駐屯


「君たち3名に出動要請が出された。任務は兵庫県西宮市の【ダンジョン】から出てくる【魔物】との応戦任務だ。君たち3名にはこの任務に対する拒否権も同時に有する事を伝えておく」


 3等陸尉 佐伯 治  32歳 男性

 2等陸曹 丹後 総司 26歳 男性

 1等陸士 千葉 陽大 23歳 男性


「上からの話では【レベル】を有する者でない限り対応不可能だろうと判断し君たち3名に出動要請が出されたのが真実だ。また、君たちの心情も慮って拒否権付きでの出動要請ともなっている。行ってくれる者は居るか?」


「はっ、自分は2等陸曹 丹後 総司であります。この中では唯一の単身者であり、両親ともすでに他界しており、唯一肉親の姉が心残りではありますが就職していますので、自分が任務に赴きたいと思います。佐伯3等陸尉も千葉1頭陸士も、ともに既婚者の為この任務に就くのは酷に思われます。また、襲撃映像を見た限りでは、私の身体能力では捉えられなかった事も2人が参加するべきで無いと具申申し上げます」


「襲撃映像を見て私程度の【レベル】ではどうにもならないとは思いますが、戦線に立たない限り民間人に対し責任を果した事になりませんので、如何に【ダンジョン】から出てくる【魔物】が恐ろしいモノかを世間に認識してもらう為にも要請を受けたいと思います」


 そこからの行動が早かった。任務を受けたその場で待機していたヘリで一路東京まで運ばれ、新幹線にて東京駅から新大阪まで移動しそこからは迎えに来ていた警察車両で緊急走行し現地まであっという間であった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 兵庫県西宮市【ダンジョン】前


 自分はその日の内に最前線までやってきた。【ダンジョン】入口を囲むように簡易防壁が組まれているが、所々破壊されている箇所も目に留まる。


 映像でも見た通り【魔物】の腕の一振りで装甲車が弾かれ横転している。いったいどれほどの膂力を秘めているのだろうか。


 今から渡り合わなければならないのだが、その時が来ないことを願わずにはおられない。なぜなら勝ち目処か生き残れるのかも難しいと思ってしまっているからだ。独身者を盾として同僚を庇い任務に応じはしたが、ここまで来て少し後悔もしている自分がいる。


「現状はどうなってますか?」

 近くにいた自衛隊員に現状を聞いてみたところ、約1時間前に襲撃があり、男性自衛官1人が連れ去られたとの事で、結界には8と表示されていたが見ている最中に7へと数を減らすのであった。


「数が減った」


「元から1と0を繰り返していた表示ですので、中でどうなってるのかは分からないのですよ」


「それでも、計24名もの人間が引き込まれたのは事実ですけどね」


「そうですか。それは新聞で読んで知っていましたが、また訳の分からない現象ですね」

 そう返答するしかなかった。0と1の話題には成人男性が未成年を見捨てた説が有力すぎてそんな話題に入って行きたくなかったのである。脱出に成功した3人にとっては、見捨てるなんて状況はありえないと思っている。

 見捨てる処か助ける一瞬すら与えられないのが【ダンジョン】の中では普通だと認識していたからだ。

 それが自分らの与えられた試練のよりさらに難易度の高い状態ともなると2か月間もの間1名だけでも生き残ってる方が奇跡としか思えないのである。


「それでは、襲撃があるまで待機しています」


「はっ、ご武運をお祈りします」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 お昼ご飯を食べチビちゃん二人をお昼寝させてから嬢ちゃん達に出口探してくるねと言い出発した。


「しまった、どっちからきてゲートに入ったんだったのだろうか?」

 草原でしてたように、進行方向を設置せずにゲート内に入り休憩してしまった事により進行方向を見失ってしまった。


「ま、進んで見た事のある場所に行き着けば修正すればいいや。この階層の【魔物】じゃ脅威にもならないしな。と言っても数十階層下からすでに脅威は何もなかったんだけどね」


 そう呟きながらも移動をしていると、遠くの方から女性の泣き叫ぶ悲鳴が聞こえた気がした。


「悲鳴?」

 不安に駆られて、ゲート内の嬢ちゃん達が無事かを確認するも、全員がちゃんと異空間内に居て安堵するも、未だに聞こえてくる叫びは気になるので声のする方へ全速力で駆けて行く。


 その道中にも不運にも跳ね飛ばされて青黒い粒子と化す【魔物】が居たとか居なかったとか、おじさんは気付いても居なかった。


 声のする方に近づくと、何処かの階層で見た覚えのあるどす黒い肌をしたゴブリンが何かを食っていた。


「確かあれは、【アーミーヘルゴブリンソルジャー Lv55】だったはず、なぜ1階層に?」

 そう、11階層で無数のゴブリンに襲われて、おじさんはGと一緒だなと思った程だ。


「向こうの泣き叫ぶ人は簡単な木の檻で囚われてるのか?こいつらを見たら30匹は居ると思った方が良いぐらい湧いて出てくるのだが、ワラワラと出て来られる前に数を減らすか」

 そういうや否や、一瞬で檻の前に飛び出し、愛用のサーベルデスラビットの角で首をはねていき、統率者であるメスの首も跳ね飛ばし、敵対生物の殲滅に成功する。


「大丈夫か?」

 檻の中を覗いてみると、一糸まとわない姿で手足を在らぬ方向に曲がって折られた女性6名が折り重ねられて糞尿まみれで閉じ込められていた。

「ひぃぃぃ」

「大丈夫か?【ダンジョン】に落とされた者だ」

「た、たすけてください」

 一番上の女性が助けを求めて手を動かそうとするも折られて居る為激痛に顔を歪めるが助かりたい一心で真剣に助けを求めてくる。


 おじさんも状況が分からないなりに、苦痛に喘いでる者を見捨てる趣味はないので慎重に抱え上げ【固有スキル:異空間創造作製Lv8】まで上がったスキルで作れるようになった、銀色のゲートを出しその中へ女性達を運び入れ水場の近くへ横たえるが、一糸まとわぬ姿の為どうしようか躊躇われたが、一番元気な女性を大雑把に水で体の汚れを流し、水源の水を飲ませて【レベル】を1に上げてからポーションで手足を回復させた。


 銀色のゲートとは、子供たちと入った金色のゲートとは違い、環境設定も最低限しか出来ないが入場許可さえ出せば出るのは自由という割と使い勝手の良い空間を作れるものだ。


 全裸の女性を触るのが戸惑われたので、回復させた女性に残りの女性の汚れを落とし、水源の水を飲ませてから、ポーションで怪我を回復させる様に頼んで空間を出た。


「ふぅー世間では、未成年を見殺しにした男として認識されてるんだね」

 水を飲ませ【レベル】1になった女性を見た瞬間に黒色文字で「未成年を見殺しにした男へ天罰を」等と見えてしまえば、一気に気持ちも下がってしまうのであった。


「とりあえず、食事と体を隠す物を用意して戻るかな、気が重いが」

 嬢ちゃん達に、胃にやさしい食べ物を用意してもらい、タオルやTシャツ等を適当に手に持ち、銀色のゲートをくぐり中に入ると、一斉に悲鳴が轟いたが、失礼と声を掛けながら、先ずは姿を隠せそうな布を放り投げて振り向いても良いかを確認してから、女性たちの方へ向き、気持ちが一気に冷めるのであった。


 助けた女性の中の一人に、赤色文字で「阪本仁の母親を死に追いやった一人」と出ていたからだ。


「とりあえず、食事を用意したので食べて」

 食べている間、考え事をしていた。我が子思いの母親の事だ、未成年者を見捨てて生き残ったのが成人男性との情報で一方的に責められ責任感から自害したんだろう。

 色々と幼い頃の母親との思い出が蘇ってきてはいろいろな場面が思い浮かび、いつの間にか目から涙が溢れ零れ落ちていたようだ。


「あの、どうしました?」

【赤色表示】の女が心配する振りで話しかけてきた、この女はテレビで見た事がある。確かアナウンサーをやってた女性のはずだ。


「なぜ、私の母親は死に追いやられたのでしょうか?」

 ついそのように返答してしまった。


「え、なぜそのような事を?」

「あなたの罪にそう書いてあるからですよ。お互いに見合ってみたらわかりますよ。相手の頭の上にポップアップするように名前やレベルに状況や罪状が見えますからね」


「あなた以外の女性のうち3名は、私の事を未成年者を見捨てて生き残った男性と認識して広めていますよね」

「あなたは、赤色で表示され、私の事を悪く広めた3名は黒色で表示されています。残りの2名は白文字で表示されているので、善人なのでしょう」


「え、え」

 困惑してる女性たちだが気に掛ける必要性を感じないので、白文字の二人に話しかけ状況を軽く聞く。


「そういうことなので、あなた達2人としか会話したくないので、他の方は会話に入って来ないで下さいね」


「それで、なぜあんな所で檻に放り込まれていたのですか?」


「はい、自分は伊丹駐屯地所属の3等陸曹で船木と申します。お助けいただき感謝します。6日前から【ダンジョン】より【魔物】が出て来るようになり応戦するも近代兵器は一切通用せず、好き放題に暴れ手足を折られ連れ去られ、男性達は食われ私達は保存食のつもりでしょうか、檻に閉じ込められました」


「あの【魔物】は【アーミーヘルゴブリンクイーン Lv55】と言って11階層を縄張りにして生息していたのを殲滅した事があります。オスを食えばオスの配下を出産し、メスを食えば次代のメスの統率者を生み、分蜂よろしく部隊を分けて肥大化していく【魔物】ですね。まさか1階層にまで住み着いてるとは思いませんでしたが」

 まさか11階層のゴキ並みなゴブリンが生息してるとは思いもしなかった。


「とりあえず、大きな皮もある事にはあるのですが、今のあなた方では持ち上げる事が出来ないはずですし、お恥ずかしいでしょうがもうしばらくそのままでお願いしますね。外に出る事が出来たら毛布でも用意してもらいますので、ご理解下さい」

 最低限しか隠せなくて恥ずかしいだろうが、勘弁してほしい。


「それで出口までの道は分かりますか?」


「分かりません。痛みと恐怖で一杯一杯でしたので」


「まぁ、そうでしょうね。それではまた出口を探してぶらついてきますよ。また食事を持ってくるので、それまで軟禁状態になりますがこの空間からは出られないと思ってください」

 ちゃんと食事は持ってくるとだけ伝え異空間を出る。


「では」

お読みいただき感謝感激です。

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