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俺の進む道  作者: 静
7/8

潜むもの #3

ラミアの厄介な点は、単純な体の大きさとその力の強さだ

あの胴体に巻き付かれればそのまま絞め殺すだけの力がある


「手元にあるのは剣だけか」


なかなかに難しい

そもそも胴体を切りつけるだけでは殺せない

どうにか人間の頭のようなところをかち割らなければ


「とはいえ頭は軽く2,3メートルくらい上だしな…」


こちらが攻めあぐねていると見たのか、ラミアが距離を詰めてくる


「キシャァアア」

「人間っぽいとこもあるのに言葉はまるで通じないんだな」


しかしどうしたものか

全く案が出てこない


「とはいえ、このまま膠着ってのも…な!!」


地面を蹴り、一気に距離を詰める

ラミアの長い胴体に横薙ぎの一撃を入れる

剣はしっかりと胴体をとらえて……


「ぐぎゃぁああ」

「切れてないな…結構力を込めて振ったはずなんだが」


ラミアの胴体は皮膚が分厚いのか、刃が全く通らなかった

だが衝撃波突き抜けているようでラミアは胴体をくねらせながら悶えていた

皮膚が切れなくても内臓や骨はつぶせるだろう


「シンプルなのはいいな。大好きだ」


五臓六腑すべてつぶして、骨を折ればとどめも刺しやすいだろう

ならばすることは一つしかない


「悪く思うなよラミア。運がなかったとあきらめろ」


ラミアに向かって駆ける

視界の隅に振るわれたしっぽが見えたので跳躍して躱す

そして落下の勢いのまま剣を尻尾に向かって振り下ろした

鈍い音とともにまた骨が折れたようだ


「俺の力なら一撃で一本はもっていける。だとすれば」


早期に片が付くだろう

ラミアもダメージが入って動きが鈍くなっている


「決着だな、ラミア」

「……ガイル様?何か騒がしいようですが…」

「レア!?」

「……蛇の…怪物」

「いったん隠れてろレア!!」


後ろを振り返ったのがいけなかったようだ

目を離したその隙にラミアの尻尾の横薙ぎが迫ってきていた


「くそっ!!」


左腕で何とか受け流したが腕が少ししびれるほどの衝撃だった

まともに食らえば衝撃で意識が飛んでもおかしくない

しかし息をつき暇もなく反対からまた横薙ぎが迫っていた


「流石に食らわないさ」

「……」


その時、ラミアが少し笑った気がしたのだ

嫌な予感がした次の瞬間


「ぐぅ…!!」

「ガイル様!!」


横薙ぎを跳躍で交わしたのだがそれがいけなかったようだ

空中で尻尾にとらえられてしまった

感じる圧力がどんどん強くなっていく


「ぐ……」

「……!」

「どうした。絞め殺さないのか?それともこれが限界か?」


かなりの力だ。これなら全身の骨が折れるのもわかる


「だが、俺を殺すのには足りないな」

「……」


さらに締め付ける力が強まるが


「まだ足りんな。今度は俺の番だ」


少しづつ力を強めていく

だんだんと巻き付いていた尻尾が緩んでいく

そして


「そらよ」

「!!……」


抜け出してそのまま切りかかった

あいつの締め付けでは俺は殺すことはできない


「なら、俺が負けることはないってことだ」


ラミアはすでに満身創痍だ

一気に畳みかけるしかないな


「おらよ!!」


距離を詰めて剣を振う

締め付けが怖くなくなった以上、気を付けなければいけないのはあの横薙ぎだ

単純な質量が多く、速度の乗ったあの攻撃では食らいすぎるのはまずい

ならば距離を詰めて出せないようにするしかない


「残念だがここまでだ」


最後の悪あがきなのか、ラミアの人間部分が殴り掛かってくる

だが、お世辞にもガタイがいいとは言えないその身体では威力も知れている

逆にその腕をつかみ引き寄せる


「終わりだ」


剣先が正確に頭を貫く

ラミアは数度痙攣した後

力なく地面に横たわった



誤字脱字、意見等あればお願いします。

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