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草間、今日も迷う

 草間はスマホの画面を眺めながら、電車に乗っていた。

 国内ニュース欄によると、草間が関わった?事件はどうやら解決したそうだ。

 しかし、草間の関心は殺人事件の解決よりも、経済やビジネスに関するニュースにあった。

 1時間後に控えた面接に向けての、情報収集である。

 今度こそ、受かってやる!

 今日の草間は睡眠もしっかり取り、体調は万全である。

 自信に満ちた面持ちで、草間がふぅと息を吐きスマホから顔を上げた時。

 ”おかっぱの少年”が荷物棚に座っていた。

 彼は頬を膨らまし、足をぶらぶらさせながら真下の座席を指差している。

 自信たっぷりだった草間の顔は凍りつき、目線は”おかっぱの少年”の指先に惹かれるように、そろそろと下へ降りていった。

 そこには化粧真っ最中のOLらしい女性が、せかせかと右手を動かしながら左手に持った小さな鏡を覗き込んでいた。

 草間はそれが視界に入った途端、頭を大きく振り少年を睨みつけた。

 今日こそお前に構うもんか!

『E駅〜E駅に到着です』

 草間はアナウンスを聞き、慌てて床に置いたカバンを手に、ドアに向かった。

 電車を降りる間際、ちらりと見た”おかっぱの少年”の頬は、心なしか紅潮していた。


 草間は構わずスマホの地図を見つつ、駆けてゆく。

 しかし、彼が息を切らせて到着したのはビジネスビルではなく、2階建てのアパートの一角であった。

 愕然と立ちすくむ草間の前で、扉が再びゆっくりと開く。

 そこには、部屋の中を指差す”おかっぱの少年”が居た。

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