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第4話「翌日になって」

お待たせしました。優として行動するための準備回前編といった感じです。

「さて、どうするか……」

 日付が変わって24日の土曜日。昨日は色々な事がありすぎて、その場でパニックにならなかったのが奇跡だった。突然の雨でずぶ濡れ状態となっていた所をクラスメートの斉藤麻美さんに声を掛けられ、タオルと着替えを貸して貰った。……まぁここまでは普通の事扱いでも良いだろう。

「しかしその後はなぁ~」

 麻美さんの下着姿を思いっきり見てしまっただけではなく、胸まで直接揉んでしまっている。それでも優基はお咎め無し。何故なら優基は麻美さんに年下(小学6年生)の女の子:優だと勘違いされているから。

「しかも麻美さんの妹……か」

 連絡先を交換した上に、優(優基)を妹として接して良いかと聞かれ了承してしまった……同い年なのに。連絡先を交換した際に知ったが更に言うと誕生日は自分の方が1週間ながら先である。

「それよりも今後の事を考えないと」

 まずは服をどうにかしないと。家に女物の服は無い。正確には長期出向で家を空けている母親の服があるがサイズが合わないので論外。……母親が女性の平均身長よりも大きい(確か168cm)のを加味しても未だにブカブカなのは地味にショックだ。勿論Tシャツなど男女どちらでも通用するような服はあるが、これから頻繁に会う事になったらある程度の種類は必要になるだろう。ファッションに興味の無い優基はそもそもの服の数も少ない。後問題は下着である。

 スカートの中が男物というのは見苦しいしバレる原因にもなる。スカートというのは非常に心許ないというのは昨日経験して分かった。……え?余りの事態に代わりを出して貰うのをすっかり忘れてスカートのまま帰りましたよ?というか自宅に着いてからスカートを穿いている事に気が付いた。

 後はブラジャーか。確か小学生の高学年辺りから一部の人が付けていたような記憶がある。頻繁には会わないと思うが、ショーツも含めて少なくとも3セット位は確保した方が良いだろうか。昨日借りた服を返す為にも、その時に着ていく服を用意する必要はあるだろう。

 せっかく洗ってきれいに畳んだ所だが、昨日麻美さんから借りた服を準備して、女物の服を確保する事にする。幸い親からの仕送りは節約している事もあって結構余裕がある。ある程度揃えても大丈夫な筈だ。


 まずは最寄り駅に向かいそこから4駅列車に揺られる事15分、目的の駅迄移動した。因みにここまでの移動は優基として(男の格好で)だ。なるべく女装する時間を短くしたかったのもあるし、持っているのは昨日借りた服なので麻美さんに見られる訳にもいかないからだ。

 駅に着いてから人が少なくなったタイミングを見計らって女子トイレに入って、持ってきた服に着替える。改札を抜け駅前の商店街に入って中程にある服屋が目的地だ。この近辺では比較的大きな店舗になるが、優基の地元の人が来る事は考えなくても大丈夫だろう。というのも、最寄り駅から今日とは逆方向に向かえば他路線との乗り換え駅で規模が大きいので、そちらに向かった方が店舗数も店の規模も大きいからだ。他にも映画館や家電量販店等の商業施設もあるので普通はそっちに行く。最寄り駅からの所要時間も変わらないし。

 店内に入ると流石に緊張する。店内の人の数は疎らで、パッと見た限り人見知りもいないのも幸い。店内に入って右側に向かう。普段は基本的に行かない女性服エリアだ。

「何かお探しですか?」

「……っ」

 女性服のエリアに入ってから困惑して服を選べないでいると、優基に店員が話掛けてきた。二十代前半だろうか、まだ若い店員だった。

「そんなに怖がらなくていいから。私はサポートするだけだからね。……例えあなたが男だとしても」

「えっ……あの、えっと、すぐに分かるんですか?」

 店員のセリフに優基は驚いてしまう。見る人が見れば女装だと分かってしまうのだろうか。

「はい?……え、もしかして本当に男の子だった?」

 ……どうやら男というのは冗談のつもりだったらしい。自分からバラしてしまった。

「あの、その……帰ります」

「待って。ちょっとお姉さんとお話ししましょうか。あ、佐々木さん、事務所使いますね」

 抵抗する間も無く、優基はあっという間に事務所に連行されてしまった。どうなってしまうのだろうか。

次回は9月末~10月頭頃の更新予定。いや、もう5話は実質書き上がっています(後は校正のみ)が、もう一つの連載作である「Only One」次第ですね。というかストックの関係で、「Only One」を10月休む代わりに10月に3話程上げる事になるかも。9月末になったら活動報告にて方針を発表します。

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