6話
いつになったら迷宮に行けるのやら。
結論から言うと俺が選んだのは、魔の卵。
理由はこのゲームの目的は魔力対してに耐性を付けた上でクリアすること。
アバターは強いが自分自身の能力は何も変わらない、それではクリアして地球に戻っても死ぬだけだと考えたからだ。
俺は魔の卵を手にとり、見た目はデパートで売ってる鶏の卵を茹で卵にしただけの物を思い切って一口で食べてみた。
味は普通に茹で卵でおいしかった。
俺は何か身体に変化があるのかとジーとしていたが、特に何も感じない。
すると、俺の影からウズメさんが現れ。「それではみなさんがお待ちなので、2階までお願いします。」
と言い。アバターを手に掛けると、アバターごと俺の影に沈んでいく。
俺はしばらく唖然としていたが、はっと正気に戻り、2階に行くことにした。
2階に行くと、赤穂さん、真央ちゃん、そして五十嵐さんと、ロイドさんが一つのテーブルを囲むように座っていて、なせかアバターが壁に寄りかかった形で立っている。するとロイドさんが俺に気付き手招きしてきたので、俺はテーブルに歩いていき、ロイドさんと赤穂さんの間の空いている席に座る。
「さ、みなさん集まってもらったので、食事にしましょうか。 食事しながら分からない事はなんでも聞いてもらって構わへんで、ただし有料の情報は答えられまへんけどな。」
するとウズメさんが台車を引いて、料理を持ってきた。
持ってきたのは
材料が分からない紫色のスープ
材料が分からないステーキ
材料が分からないサラダ
と材料の分からない…いやただの白ご飯だ。
真央ちゃんには俺達の半分くらいの量になっている。
並べられた料理を見てみんな同じことを考えているだろう。『これは食べても大丈夫なのか』
と顔に書いている。するとロイドさんが「さ、食べやこれは魔界で取れた物や、だから食べることでごく僅かやけど魔力に対して順応しやすくなるで、それにちゃんと人間にも食べれるようになってるし、美味しいで。それではいただきます。」
とロイドさんは食事をし始めた。
それを聞いて俺は思い切って食べる事にする、目の前に置いているスプーンを手に取り、スープをすくう、みんなの視線を感じる中、1口飲む。
「…美味い、色が違うだけで味はコーンポタージュだ」
俺の言葉を聞いてみんな恐る恐るスープを飲み始めた。
1口飲んでみんな驚いた顔で紫色のスープを見てる。
俺は続けて、ステーキを食べてみる、…美味い、普段食べてる肉よりかなり美味しく臭みもない、サラダをシャキシャキしているし、サラダについてるマヨネーズは地球と同じ味だ。ご飯も美味い。
みんな最初は戸惑っていたが、1口食べると、みんな美味しくて手が止まらないようだ。
あっという間に平らげて、そしてウズメさんが持ってきた。コーヒーのような物と材料がわからない緑色のジュースを飲みながら1息ついてリラックスしていると、それまで黙って俺たちを面白そうに見てたロイドさんが話始めた。
「美味しかったやろ?」
俺もみんなも頷く、 「この食事は試作品や、みんな地球の物を魔力に適応できるように品種改良している物やねん。そこでやこれはうちら魔界商人からのお願いやねんけど、お金に余裕ができたら投資して欲しいんや、品種改良に戦えない人間のための福祉施設や人間以外の生き物の魔力耐性化、病院の運営は結構お金かかります。もちろん投資してもらった額で色々、魔界商人から素敵なプレゼントがありますから悪い話やありませんで。」
魔界商人すげえな、と驚いていると。
「でこれからの話やねんけど、まず1週間、研修してもらいます、魔の卵の適正化、アバターの使い方、戦闘技術なんやみっちりやってもらいまっせ、お金貸してますから、迷宮でいきなり死んでもらっても困りますから、特訓です」
これを聞いてみんな嫌な顔したのは当然だと思う。
補足
アバターはサングラスをかけたら、アバターの中に人間は収容されます。