13話
先に進まない
逃げた2体を俺達は見送り、周りの惨状を見渡す、赤穂さんに手を切り落とされた男は死んでおり、生きているのは俺が攻撃した頭から血を流しながら気絶している男だけだ。
俺は赤穂さんの顔を見ると、普段の赤穂さんの顔から想像できないような怒りで満ちた顔をして自分が殺した男を見ている。押し倒されていた女性2人は血まみれになりカタカタ震えており。こういう時どう声をかけたらいいか分からない俺は、誤魔化すように周りを見渡す。そこには中世の街並みを再現したような光景が見えるが、何か違和感を感じる。
その違和感に思考を向けようとした時で。
「早く逃げないと奴ら来る」
と声が聞こえる。
俺はその言葉を聞き『まさかあの男達の仲間がくるのか』
と気づき。
俺は慌てて赤穂さんにサングラスを渡し「アバターになって下さい」
と言い。
ナイフと薙刀を五十嵐に預け女性1人を持ち上げる。
それを見た赤穂さんがサングラスを掛け、アバターになりもう1人の女性を持ち上げる。
俺は
「ロイドさんの所に戻りましょう。」
とみんなに言い。女性をしっかり持つとロイドさんの店に戻るために走りだした。
アバター4体で走れば早いものであっという間にロイドさんのお店についた。
「おかえり~よく帰ってこれましたなあ」
という言葉を聞き。俺はロイドさんが何か情報を持っていると確信する。
俺は女性を優しく下ろすと、ロイドさんに詰め寄ろうとするが
「明日、色々話しましょう。こっちも準備しないといけない事ができましたわ。」
とロイドさんは俺を制止し、店の奥に消えていった。
俺はとりあえず女性2人を休ませないと思ったが、何かに怯えている。
どうやら赤穂さんに対して怯えているようだ、目の前で人を殺した赤穂さんが怖いようだ。
同じ女性の赤穂さんに2人の面倒みてもらおうと思ったが無理そうやな。
俺は自分の影に
「ウズメさん、この2人に部屋用意できますか?」
と言う。
すると相変わらずウズメさんが俺の影からニョキっとでてきて。
「かしこまりました、そちらの方もお部屋を用意したので、こちらへいらして下さい」
と言い。
まだ名前すら知らない3人を連れて行った。
俺はみんなに
「今日は寝ませんか?」
と聞き、2人の同意を得ると自分の部屋に戻ることにする。
のんびり更新します