23 滝つぼダンジョンへ
「ごめーんっ。妹とペアハンの予定あるから抜けるわね。とっても楽しかった。また誘ってね?」
美空は次の予定があり、離脱した。離脱する前に、滝つぼダンジョンの手前まで「コーリング」で呼んでくれたうえにバフを全員にかけてくれた。
「大和、ありがと。またねっ」
さっぱりとした性格の美空。それだけ言い残すとすぐにテレポートしていった。
俺たちはすぐさま、本日二度目のインスタンスダンジョンである滝つぼダンジョンに挑んだ。
「よし、入り口でまずは確認だ。いまのレベルはー?」
「やったー! 4レベルだー!」
「おおっ、ここまで上がっていたのか」
「このダンジョンをクリアするときには、おそらく7になる予定だ。ただ、注意してくれ。さっきのダンジョンとは違って、ここはモンスターが襲ってくる。アクティブなモンスターが多くて、戦闘の回数も多い。ダンジョンは楽しくて間違いはないが、すこしだけ気を引き締めてくれ。いま一度、装備を確認してほしい」
「うん。自分は大丈夫だ」
「私も大丈夫だ」
「よし、いけるな。ひとつだけ提案がある。武器を変えてもいいか?」
ふたりは頷いてくれた。
咲耶には日本刀を、アルヴィにはロングソードを渡す。
「……なんだ、この刀。いま使っているやつよりも、確実に強いぞ」
「確認します。物も良く、質もいい。強化もされている。ええ、装備の換装に同意できる」
「ティルダ、ありがとう。自分もそう思う。これは良い剣だ。自分のはお父様が用意してくれた……決して安くはない武器だった。たしかギルドで購入してくれたらしい。大和は、これをどこで?」
「俺が制作して、強化した。金曜の夜から時間があったからな。ふたりがかり、いやたまに三人か。素材集めからやったよ」
「適正で買い取りましょう」
提示される金額にビビってしまう。
「お金は良いよ。いくらでも制作できるものだ。パーティーの強化になればうれしい」
「くれるというのか? この逸品を?」
「もしかして、もらいにくいか?」
「もらってしまうのは気が引けるよー」
「うむ。アルヴィの言うとおりだ。安くはないものをもらえはしない」
「じゃあ、滝つぼでだけ使ってくれ。悪いんだが、少々火力不足になるんだ。ここのモンスターは特別ですこしだけ硬いんだよ」
美空のバフがあるから大丈夫というのは少々危険だった。
「ふむ。なるほどな。これを想定して、最初から動いていてくれたのか。大和のおかげで、レベリングは順調だ。私がはじめた戦いとはいえ、手伝ってくれるのは心強い」
「ほわーっ。もともと、ここに連れてきてくれるつもりだったんだね。ありがとう」
「そういうことだ。よし、軽く説明する。まず出てくるモンスターは、アクアスライムとギルマン、ソードフィッシュの三種類。スライムは咲耶から借りた「名刀スライム」で俺が処理する。ギルマンは槍を持った人型の魚で、動きは遅い。ソードフィッシュは空中を泳げる魚だ。体当たりがそのまま斬りつけになる。動きが直線的だから、よく見ていれば叩き斬れる。ダンジョンの道は一本道だから咲耶でも迷うことはない」
「おい、どういうことだ!」
「ははっ、迷わず俺についてきてくれ。マティルダは何かあったら手を貸してくれ。最後のボス戦はもしかしたら、力を借りることになる。エクストラステージが発生したら悪いが積極的に参加してくれ。また説明する」
「適切です。任せました」




