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17 隠しマップ「スライムの森」へ

「大和、そちらは? ずいぶんと仲良さげではないか」


「自分にも紹介してほしいよーっ」


「いまここでばったら出会ってな。幼馴染なんだ。えっと、天乃 美空っていう俺が知っているなかで最強の魔法職だ」


「うわーっ、余計な一言つけちゃってまあ。はじめまして。ミネルヴァ魔術学園の2年生、天乃 美空です。大和とは幼馴染でダンジョンでたまに会ってる関係。むかしっからの知り合いで、ねえ? よければわたしとも、友達になってもらえないかしら」


 ……年上? 2年だったんだ。

 咲耶とアルヴィと話している美空の横顔を見つめ、ぽかんとしていると「顔に出すなバカ」と肩を叩かれる。


『アルベルタさん、もしアカデミーでさみしい思いをしてたらごめんなさいね。よかったら、いつでも連絡してきてね』


 美空の英語をはじめて聞いた。

 発音のアクセントがナチュラルなうえに、イギリスなまりだ。


『美しいクイーンズイングリッシュだね! ありがとう、ヤマトとミソラは似ているね。きみたちはとても優しくて、すてきなひとだ。はじめは不安でいっぱいだった。でも、いまでは楽しみでいっぱいさ!』


 美空が大きな目をぱちくりとさせる。


『キサマ、あのウィザードと知り合いだったのか』


『ボス、知ってるんですか』


『ワルキューレの魔術部隊で話題になっていた『ミネルヴァの魔女』。高火力・高機動・高速詠唱を実現している、現代の魔女。あの年齢で魔王戦の予選に勝ち残っている期待のホープさ。アルベルタ様にウィザードを学んでいただける機会だ。でかした。帰っていいぞ』


『そりゃないぜ!』


「ティルダ、ヤマトをいじめちゃだめだぞー」


「少々しつけを」


「大和、あなたドイツ語できるの? それはチートよ! って、レオパルド!? うそっ、ほんもの!? きゃーっ! 握手してください。かっこいいーっ」


 ミーハーな美空はマティルダの握手に頬を染め喜んでいる。


 今度、藤森あたりにトップ選手のこととか流行りのチームを教えてもらおう。

 まったく知らない世間知らずになってしまっている。


「さてと。そろそろはじめるぞ」


 みんなに向かって話し始める。


「いまここにいるみんなで今日はレベル上げをします。レベル1が3人いるので、キャリーをマティルダさんにしてもらう。今日は本当にありがとう。よろしくお願いします」


「かまいません。アルベルタ様のパーティーです」


「わたし、もうちょっと時間あるから、バフかけにいけるわよ。あと狩場どこ? ビショップとアークウィザード積んでるから『コーリング』で呼んであげる」


「はあ!? 美空、いま空いてんの!? スライムダンジョンと滝つぼダンジョン、どっちかいくぞ」


「え、いけるの!? いくーーっ!! あなたどっちもポータルキー作ったの? すごくない? 待って、どっちも行きたい。けど妹と狩りがあるから……んーっ……スライム! スライムのミニゲームやるでしょう? ってことは、クリア報酬のアクセは必須装備でしょう! いく、いくわよ。はやくいこう。ってかテレポートで先いって呼ぶわね。それじゃ!」


 言い終わる前に自分に『ヘイスト』スキルをかけてテレポートを使い、背中も見えなくなってしまう。

 消えた背中に向かってパーティー申請を飛ばすと瞬時に承認された。


「コーリングって知らないよな。魔法職の最上級職にビショップっていう支援職があるんだ。そいつが使える、パーティーメンバーを自分のもとに集めるスキル。ダンジョン内で使うと、ビショップのもとに階層を超えてみんなで行けるんだ」


 咲耶とアルヴィが目を輝かせていた。便利だよな。


「いまから行くのはダンジョンの2階にある、隠されたマップ。インスタントダンジョンって言って、特定のアイテムを持っていないと入れないマップに入る。行くのは『スライムの森』っていう五エリアマップの狩場」


 最後のエリアにはボスがいて、ボスを倒せばマップから出られるが道中に足の踏み場もないほどスライムが湧く、と説明する。


「途中でボーナスゲームがあるんだが、それをクリアできると経験値ボーナスとボス討伐時に高確率でアクセサリが落ちて……チャット飛んできた。『コーリング』が来る! 足元気をつけろ、一瞬ふわっとするぞ!」


 魔法のエフェクトに包まれたと思ったら地面が抜けたような感覚が一瞬あり、次の瞬間には地面に着地していた。


「ど、どこだここは」


「ほっ! すごいな、魔法! 移動してきてしまったぞ!」


 ダンジョン二階にあるスライムの描かれた扉の前に集まる。


 雨竜さんに作ってもらったスライムダンジョンのポータルキーを扉にあてる。

 手の内にあったクリスタル製のポータルキーから光が失われ、割れて魔力となって霧散した。


――ピカッ、ギイーッ


 扉に描かれたスライムのイラストが光ると壁が動き、移動用のポータルが現れる。


「よっしゃー! レベル上げるぞー!」


「スライムたたくわよーっ!」


「アトラクションみたいだっ! ティルダ、たのしみだね!」


「ええ、楽しみです。ただ十分に気をつけてください。未知の場所です」


「ティルダも知らない場所なのかい!?」


「……スライムって斬れるのだろうか?」


「気合で斬るんだよ」


「それは斬れないと言っておらんか!? おい、大和!? 手を掴むな……きゃあああーっ」


 落下する感覚に悲鳴を上げる咲耶。

 迷子にならないよう腕を引っ張ったのが悪かったかもしれない。


 さあ、課金プレイヤー御用達。インスタンスダンジョンでのレベル上げを見せてやろう。

 スライムやゴブリン狩りをまとめてスキップだ。


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