転生ゲーム
こんにちわ
初投稿です。
異世界ものを見た時に思ったチートスキル。
これが、ホントは物凄くレアなことだとしたら?
あっさり転生する前に実は色々やってたら?
なんて疑問からこんなお話があってもいいかなと
ツラツラと書き書きしてみました。
もう少しお話が長くなりそうなので
第1話は主要メンバーが出揃った所まで。ですが
御意見・ご感想・ご苦言いただければさいわいです。
ああ、俺の人生ってこんなもんだ・・・
昨日のライブ配信で彼女の本当の姿を見た。
この数か月で俺は一気に地獄を見た。
定職につけない俺がバイト生活で切り詰めて貯めた48万円。
50万円超えたらちゃんと英語勉強して海外へ出る。
そうすれば何か変わるかも!と頑張っていたのに・・・
30歳手前で俺の人選詰んだ。
あの娘の笑顔がまぶしくてまぶしくて
こんな俺でも気さくに話しかけてくれることがうれしくて
情けない恰好を見せちまったときでもやさしくて
困っていると打ち明けられたとき
「俺が何とかしてあげる」と言ってしまった。
気が付きゃ300万円以上の借金・借金・闇金から催促の嵐。
もうそんなことどうでもいい。
もういまさら立ち上がる気力もない。
もうこんな人生終わらせたい。
思ってはみたもののダラダラと生きてる・・・何も選択できない。
ああ、せめて目の前に隕石でも落ちてみんな死ねばいいのに。
などと公園のベンチで空を眺めながら妄想ばかりしている。
俺以外の人間はみんな幸せそうにしてる。
世の中そんなもんだ。
俺に残った最後の財産スマホがけたたましく騒ぎ出した。
周りの人も一斉に。
地震かなと思いつつポケットから取り出す。
画面をみて思わず”はい?”と口がポカンとした。
隕石じゃなくてミサイル?
えーと、防空システムを破って・・・・
直後、後ろから轟音と突風。土煙と石が飛んでって
飛んでるのは自分自身だぁっ。
そこから地面に叩きつけられるまでほんの一瞬とても長い時間滞空していたように感じた。
分かったことは”これで死ぬんだ”。
走馬灯もあったもんじゃない。
どこが痛いかも分からない激痛とともに目の前が真っ暗になった。
・・・ざわざわ声が聞こえる。
死んでないの?
さっきの公園?ちょっと違うか?それより人が増えた?
外国人もいるけど、観光の服装。
真ん中にピエロみたいなやつがいる。
大道芸人が練習してるのかぁ。
と思ったらピエロがふわーっと浮き上がった。
「ようこそ!」
満面の笑みでいろんな意味で怖い。
「本日不慮の死を迎えてしまったゴミくず共。」
とりあえずイラっとしたのでぶん殴るつもりで近寄った。
「人生なんで死ぬのかわからないもんだよね。
ほかの国では戦争で死んじゃう人だっているのに
自分のいる場所はミサイルがこないから隕石でも落ちてみんな死ねばいいのにとか思って。
そしたらホントにミサイルが防空システムをシステムを破って
ホントに真後ろに着弾して吹っ飛んで
ホントに死んじゃうんだから。」
満面の笑みがこっちを向いて得意げに話す。
「君たちは転生先が未定のまま死んじゃったゴミくず。」
クスクス笑いながら、
「面倒なことに僕が君たちの生まれ変わり先を決めなくちゃいけない。」
はぁ?とかあんた何者?とかそんなざわめきが聞こえる。
「でも安心して。ちゃあんと転生させてあげるから」
その笑顔が怖い。
「不肖ながら、人生の再就職をサポートいたします。ピエロです。
君たちは・・・・」
どこかで妄想していた異世界転生。
まさか自分がそうなるなんて。
やり直し?異世界無双?スローライフ?
頭の中で妄想が広がる。
「・・・・と、まあこんな感じで
異世界に最弱モンスターと生まれ変わって魔王まで登りつめたもの。
過去の自分をやり直して破滅の運命を逃れたお姫様。
神能力の魔法で領土を拡大したお貴族様。
なんて大成功ハッピーまっしぐらなんてこともあるけど。
あんまり期待しないでね。」
ピエロは語りつくしたのか満足げに笑った。
説明の中でちょっと気になっていたのが
”いくつか運試しというか選択をしてもらうけど”
と言って沈黙があったこと。
周りの人もやっぱ気にしてるみたいだ。
「ここまで聞いてもらってなんだけど、
選択をしないという選択肢もあるよ。
その場で記憶を消して普通の生まれ変わり待ちとして
何年先かわからないけどあっちのお部屋で待っててもらうの。」
聞いていた女子高生が不満げに
「そんなことどーでもいいからあたしをお姫様にしてよ。
あんたの言う人生謳歌し損ねてんだら、さっさといきたいんだけど!」
「僕の話を遮ったね・・・」
と言ったとたんに消えた。と思ったらその子の目の前に突如現れ、
「蟻にしよう」
そう、その子はたぶん地面を這っている蟻になっている
「蟻っていいよね?こうやって足をもいでも生きてんだよ。」
つまんだ蟻を楽しそうに足を引っこ抜いた。
叫び声が聞こえる。あの子の声だ。
「僕の気分次第だから、気を付けてね。」
と蟻を放り出す。
「じゃ、選択をしないでも良いと思う人はこっちへ」
俺は選択をしてみる。まぁ当然だよね。
でもだいたい10人くらいは通常ルートへいっている。
無難なことだが、それも否定はできないよ。あれ見ちゃったら。
「んじゃ。始めるよー」
やっぱコイツ軽いノリ。
目の前に扉。
「質問は”今日はカレーライスが食べたかった”と思ったら、黄色い扉
”今日はラーメンが食べたかった”と思ったら赤い扉
”それ以外”と思ったら青い扉の前で待ってってね。」
赤ちゃんをおんぶしている3人家族は夫婦で話して、恐る恐る
「3人一緒の世界に生まれ変わりさせていただけないでしょうか
この子をどうかこの子を・・」
ちょっと考えていたピエロは
「いいよ。ちょうど・・・」と手帳をポンッと出してペラペラっと捲りながら
「3人一緒っていうとここしかないねぇ」
と緑の扉を3人の目の前に出した。
「君たちは今回最初の転生先決定者だね。
扉に”3”って書いてあるでしょ。その数字が書かれているときは、
そこが3名様の転生先ってコト。」
ドヤ顔かよコイツ。確かにさっきの3色の扉には何も書かれていない。
夫婦は俺たちに一礼して扉の中に入っていった。
扉は閉じた途端フッと消えた。
「良いとこかどうかば別としてね・・・」
「さぁて君たちも最初の選択だよ。」
俺死んだけど両親は大丈夫かな。
ミサイルはともかく無事だよね。
俺死んだけど元気にやってくれ。
あぁそういえば実家の隣のラーメン屋さんよく連れてってくれたな・・
じゃ、ラーメンの赤だな。
あっさり決めた人、真剣に悩んで決めた人さまざまだったけど
「じゃ開けるよ~」
まぁそこそこばらけた。赤は5人かぁ。カレーライスの方がちょっと多い。
一番多かったのはそれ以外、決められないってところか。
先頭に立ってたおれが赤扉を開ける。
他の扉も同時に開いた。
中は良く見えないからとりあえず前に進むしかない。
ちょっとしたダンジョン気分が味わえる狭くて薄暗いレンガみたいな通路を
かれこれ10分くらい歩いている。
後ろを歩いている外国人はいちいち五月蠅い。
でも何言ってるかわからん。自撮り棒であちこち写真撮ってる。
子供もいる。小学校低学年かな、たぶん女の子?紫のランドセルしょってるし。
これ、転生先にもってけたらきっとレアアイテムのチートできたりするだろうなぁ。
40歳くらいのおばさんも恐る恐る先頭からはぐれないようについてきてる。
俺と同じくらいの女の子もいる。
この人と一緒に転生しようかな・・・。
と下心満載な自分。俺が一番最低?
小部屋についた。
今度は上に行く階段と下に行く階段。
あいつが後ろから猛スピードで追い付いてきた。
全員びっくりしてる。
「お、いい顔してるねぇ~~~」と満面の笑み。
「今度は階段だよ上の階に行くと展望台、下の階に行くと水族館につくよ。」
観光かよ。
外国人が言ってる。多分そうだ。
俺としては女の子と一緒に水族館デートとか希望。
でもちょっと迷ってるフリはする。
外国人が迷わず展望台に向かった。景色の写真でも撮りたいのかな。
それを見たおばさんもこそこそついていった。
よく見ると上り階段の入り口には”2”の文字が書いてあった。
そう2人が入った途端に階段が消えた。
あと3人。ん、ほかの2人は俺をジーッと見てる。
俺待ちなのって感じ。この子結構かわいいかも。
頼られてる感が急に沸いて強気に
「こっちしかないんだな。」と言って一歩踏み出す。
降りるとすぐに水族館に出た。
イルカや小さい魚が回遊してたりカラフルな熱帯魚の
水槽もあった。
雰囲気良いしこりゃデート。
これからどうなるか分かんないけどそんなことはさておきゆっくり見て回ってた。
小学生がお姉さんに話しかける。
「綺麗なお魚初めて見たぁ」
尾びれの青いやつ指してこれ名前知ってる?と聞いている。
彼女が困ってたところ、
「グッピーだったかな」と。まぁそれくらいは知ってるし。
2人揃って感心してる。ドヤ顔はしてない。
なんか頼りになると思われたらしい。
わ、悪い気分じゃないな、こういうの。
そんぐらい自慢することじゃねー
首元でやかましく声が聞こえた。
聞こえたのは俺だけらしい。後ろをそっと振り返ってみる。
いる訳ないし、ってピエロがいつの間にか後ろにいるじゃん。
「あぁ今の声は僕じゃないよ。きみの襟にくっついてる。」
クスクス笑いながら指差した。
おれは襟にいる何か得体の知れないものを
払いのけようとしたら、他の2人が慌てて止める。
「あ、蟻いるからだめーっ、」彼女叫ぶと声高い。
かなりビビった。彼女はそーっと摘んで手のひらに載せつつまじまじと見つめる。
そーいや、さっきのJKの声だ。死んでなかった、という表現が正しいのか?
「そ、お姫様、きみにしがみつくって選択してたの」とピエロが得意げに話す。
はいはいご丁寧にどうもと思いつつ、
いい感じをぶち壊してくれた蟻さんにひとこと。
「ヨクゾゴブジデ。」棒読み甚だしく。
腕一本残ってたのでくっついてたらしい。
「たまたま飛ばされた先にくっついたの!」
今度はみんなに聞こえたらしい。
そのまま蟻さんは手のひらに乗せた状態で水族館を散策することにした。
ただ 、俺は浮いている。ガールズトークに入れる訳ない。
鮫やら、クラゲやら見た後仰々しい扉に出会った。
次の選択に辿りついたらしい。
でも扉は一つしかなかった。
最後まで読んでいただいたあなたに感謝です。
やってやれました!
自分に拍手。
やっとー投稿できました。先ずは一安心。
これからもチマチマ続きを書きつつアイデア貯めていきたいです。
拙い表現力で足りない部分多々あるかと思いますが、
そちらもご苦言いただければ、泣きながら読ませていただきます。
今日はありがとうございました。




