トンネルに住んでいる霊が人間の魂を集める話
今日の獲物は元気だね〜
僕はいつも楽しく狩りをしている。
今日は家に割り箸がたっくさん合ったからこれを使うことにしたのだ!!
「はあ、はあなんでこんな……こんなことに!! 死にたくない死にたくない!!
来るなぁぁぁぁ!!」
ブチュグチュ
「速報をお伝えします。午前十時五十七分幻燈県弦歌区舞禅市ショッピングモールにて殺人事件が発生凶器は割り箸と思われ……割り箸!? コホン犯人は未だ逃走中で、え〜現場から中継を……あれ映像が映らないですね」
ガチャ……ギィィィ
「誰ですか貴方ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ!!」
「ドモドモ今話題に上がった逃走中の犯人でぇ〜す!! ピスピ〜スさ〜て次の獲物は君たちですパチパチパチ……あぁ映像の人たちはもう殺しちゃったテヘッ、機材もついでに壊したよ〜映らないのはそれでかもね。あの人たちの首ならちょうど持ってるんだけど、ほら」
僕はそういい生首を放り投げた。
ボトン
「キャァァァ!!」
「なっなにが目的……なんですか?(仲間が殺されたこんな状況でも焦らず冷静にならないと。無理無理無理どうして金沢さんが、理沙ちゃんが…………ダメだダメだ冷静になるんだ!! 本当は恐怖でどうにかなりそうだけど、この仕事を選んだ時に覚悟したでしょ私!!)」
僕はそう聞かれたので
「目的……そうだなぁ君たちの魂……なんちゃってあはは。いわゆる供物だよ、あの方々へのね」
「あの方々って誰なの?(ここで会話をして私にこいつの意識を向かせて少しでも時間を稼ぐ!! その間に誰かに通報を……)」
「答えてあげるけどその前に……はいよっと!!」
グチュリ……バタン
「…………」
「お掃除しなきゃね人間を……これで君は一人だねぇ……ありゃりゃ、声を失っちゃったか〜な〜まあ何も問題はないかな? ささっ君の質問に答えてあげるよ〜、まずは……そうだなぁ僕とあの方々の出会いからかな……これは三年前の僕が死にたてほやほやの時」
回想
……んんあれここどこ? 確か僕遭難してその後……かっからっ身体が透けてる!?
…………そうか僕あの時死んだんだった。
まっ死んだんだから受け入れるしかないか〜
ちょっと周りをウロウロしてみよっと
十分ほど彷徨って僕は我が家にしようと思える場所を見つけた
「このトンネル結構雰囲気良い〜!!」
「おっ新入りか〜!? ここに住むなら徹底するルールが幾つかある。それは……トンネルの奥にドス黒いボスの霊がいる。その方は身体は一つだけど内側に何人もいる。人間からは"ツギハギ"と呼ばれている。絶対に逆らうな喰われるぞ。それとこのトンネルにはやばい奴らも大勢いる……襲われたら迷わず喰らえ分かったな」
「了解で〜す」
「かっるいな〜お前、まあいい死ぬなよ新入り……ってまあもう俺たち死んでんだけどなぁあはは」
そのボスのツギハギって霊に挨拶しておこうかと思った僕はトンネルの奥に向かった。
奥に向かうほど魂が消し飛ぶかと思うほどの悪寒と恐怖が強くなるのが分かった。
昔から強さに憧れている僕はワクワクとドキドキが増しながら襲ってきた奴らを喰らいながら向かった。
「姉貴新入りがこっちきてるぞどうすんだ?」
「多分挨拶だろうし別に放っておいてもいいんじゃない? 襲ってきたらいつも通り喰らえばいいんだしさ」
「そうだな……それで誰が相手するんだよ」
「お困りのようだね燈くん、悠真くん!! ここは"左腕"のこの狩野清二郎に任せたまえ」
「清二郎ならいいんじゃない、任せても」
「姉貴がそういうなら任せたぞ清二郎!!」
「大船に乗ったつもりでお任せください。この狩野清二郎二人のご期待に応えて見せましょう!!」
一人の中に何人もいるって話本当だったんだ……なんだか緊張してきた
「ようこそ新入りさん。見たところ貴方は最近亡くなられたようですね。まだ身体に慣れないかもしれませんが、そこは徐々に慣れていきましょ〜ここにはよく人間が来るので殺してもオッケーですよ!! 人間からすれば心霊スポットに行ってるだけなんでしょうけど我々からすれば我が家に入ってくる不法侵入者ですから、泥棒と変わりませんから躊躇なく殺っちゃいましょ!! それと大切なことを一つここにくる人間の中に除霊師などをいますので雰囲気で分かりますから消えたくなければ必ず逃げてください。今私の記憶を見せるからしっかり覚えましょう。強くなれば殺せますよ除霊師頑張りましょ!!」
そして僕は記憶を何度も見せられ除霊師の雰囲気を覚えた。
それから僕はトンネルにくる人間を殺しては魂を喰らうことを繰り返していた。
そして僕では勝てない除霊師の男が二人きた。
僕はその時除霊師とボスの戦いを見て憧れた。
回想終わり
「とまあこんな感じで僕の一方的な憧れを拗らせて今君たちを殺した訳……って聞いてないか、話してる最中で殺しちゃったから……待っててください、今向かいますから!!」
「理事長ただいま戻りました!! 先ほどテレビ局で"ササゲルモノ"を発見しました!!」
「なんだと!? 被害者はいるのか!!」
「……はい、私が見つけた時には……すでに、殺された後でした。亡くなられた方の魂もすでにありませんでした」
「そうか……ということは、すでにツギハギに捧げられている可能性が高いな。小鳥遊よ皆にササゲルモノを見つけ次第捕獲しろと伝えてくれ!! もし捧げず保管しているなら魂だけでも助けられるかもしれんからな」
「了解致しました理事長」
「任せたぞ。それとツギハギの件だが、こちら側の死傷者が二万人を超えた。このままの状況は良くないすぐさま月虹主様をお呼びしなければ」
「月虹主様の居場所も探すように伝えておきます」
「感謝する」
僕はこの会話を分霊を介し聞いていたので
「僕のことを捕獲するなんて無理無理諦めた方がいいんじゃな〜い、あはは。まあ頑張ってね〜」
と煽っておいた。
そして僕はツギハギ様に捧げる魂をさらに集めることにした。
おしまい
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
割り箸で殺される夢を見たので書きました