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005 グッドコミュニケーション……!

 ターラッシュの南の草原、どうやらここにはスライムとスタンプラビット、それとウルフしか生息していないみたい。一番強いのがウルフでレベル7、両手斧の中段突進タックルで一撃粉砕出来るぐらいには弱い。つまり、ちょっと遠くに見えているターラッシュであろうと思われる街へ向かうまで、なんの脅威も感じられずただただ暇な移動……ということになるのよね。


 極平凡な、普通の移動。


 なんかねえ、普通の移動って思った瞬間にただ歩くのが面白くなくなっちゃったのよね。いや、そこまで普通に対してコンプレックス激しいのはどうなのって自分でも思うんだけど、例えばだよ? 太ってるのを気にしてて、日常のふとした瞬間に『ああ、太ってるばっかりに……』って思う瞬間がきたら気落ちするでしょ? それと同じでさ、普通の移動だなーって思ったらもやもやするようになっちゃったのよ。

 じゃあどうしたら普通の移動じゃなくなる? 移動のために歩く、走るっていうのは非常に普通の行為だよね。そして乗り物で移動するとかも、まあこのゲームの中の世界ではわからないけど普通に該当する行為だと思う。それ以外の方法が普通じゃない……そう考えたわけです。


『【下段振り下ろし・空中】を発動、【ダッシュ】を発動、【中段突進】を発動、キャンセルしました』

「ふんっ!! はっ!! ふんっ!! はっ!!」

『【下段振り下ろし・空中】を発動、【ダッシュ】を発動、【中段突進】を発動、キャンセルしました』

「ふぅぅんっ!!」


 ハンマーぴょんぴょん丸の応用編! 両手槍を地面に突き刺し、柄の頂点で強制モーションのダッシュを発動。そこから中段突進をするとあら不思議、踏んでいたはずの槍が手元に帰ってきてそれを突き出すモーションになり、空中を高速で突進移動出来る!! 最後にこれをキャンセルすれば素早く下段振り下ろしが出せるから、また空中に復帰することが可能!! これを高速で繰り返すことで、ある程度の高度を維持したまま、走るよりもずっと素早く移動が可能になる。いうなれば、空中を飛ぶように移動可能なのよ!! そしてこの空中突進移動の素晴らしい点がね、これよ!!


「だりゃぁああー!!」

『ぴゃううううん!?』

『【下段振り下ろし・空中】を発動、クリティカル! ウルフ(Lv.7)に557ダメージを与え、撃破しました。経験値 50 獲得』

『【ダッシュ】を発動、【中段突進】を発動、キャンセルしました』

「あっはははは!! 最高ー!!」


 空中突進移動中、足元に居るモンスターへ下段振り下ろしを命中させれば、狩りながら移動が出来るのよ~!! 最高の移動方法だと思わない!? 移動速度が速く、雑魚モンスターを狩ることが出来て、コツさえ掴めばショートカットをぽちぽちするだけで勝手に移動出来る。しかも絶対に普通とは呼べない移動方法!! 他人から見たらもの凄くインパクトのある移動方法よね!?

 なので! 名付けて、インパクト空中移動!! もう元の移動方法には戻れない……。速いし、便利だし、普通じゃないという優越感に浸れる……。最高……!!


「あっ! 見えてきた見えてきた、あれが街の入口ね! ふんっ!! ふんっ!!」

『【下段振り下ろし・空中】を発動、【ダッシュ】を発動、【中段突進】を発動、キャンセルしました』


 このまま街に入ると……さ、さすがに不審者と思われるかしら。一応武器を振り回して攻撃しながら移動してるわけだし、攻撃的な侵略者と思われたら厄介よね……。し、仕方ないわね!! 街に入る時ぐらいは普通の方法で妥協してあげても良いわ。そう、私は普通を上回る移動が出来るのだけど、あえて!! 普通に甘んじてあげるのよ。感謝しなさい、普通!!


『と、止まってくれ! なんだ、さっき遠くで変なことをしていなかったか……?』


 あ、門番、はは、話しかけてくるわけ? ど、どうしよう、特に何もなく『ようこそ、冒険者』みたいな雰囲気で入れると思ったんだけど……? しかも遠くでインパクト空中移動をしていたのを認識してて、それについて質問までしてくる……。こいつ、NPCだよね? そんなのにイチイチ答える必要ある? でも、なんか問題を起こすような発言をしたら面倒なことになりそうだし……。

 よぉし、お姉ちゃんみたいなパーフェクトコミュニケーションスキルを発動して、私にもこれぐらい簡単に切り抜けられるっていうところを見せてあげようじゃないの。思い出すのよ、お姉ちゃんみたいな、笑顔で……ハキハキとして、明るく朗らかで、自信に溢れた態度を……。


「…………あ゛ぁ゛、こん、にちは……」

『ひぃい!?』

『な、なんて邪悪な表情……!? 悪魔憑きか……!?』

「ひ、人を、ああ、悪魔呼ばわり……?」


 なんなのこいつ、こっちが笑顔で挨拶してやったっていうのに……!! むっかつく~……!! ダメよ、怒っちゃダメ。こういう時に怒ると事態を悪化させるだけなんだから。


「ぼ、冒険者……な、ん……ですけど……。ひ、暇だから、槍で遊んでただけ……」

『あ、ぼ、冒険者……。確かに、異界の冒険者の装いだが……』

『武器も異界の冒険者が最初に持っているものと同じだな……』

『冒険者カードはあるか?』

「あ゛ぁ゛……? え、えっと……」

『ひっ……!?』

『知らないということは、本当にそうなんだろ……!? も、もういい! とりあえず冒険者組合に向かって、カードを発行して貰え!! 変な行動は起こすなよ、一応お前のことはこの共振石で連絡しておくからな!!』

「あ、ぁざ……す……」


 よし、通れた。完璧なコミュニケーションだった。全く、無礼な門番だわ!! 人のことを悪魔呼ばわりするし、笑顔で応対してるのに嫌そうな顔をするし……。というか本当にここ、ターラッシュだよね?


「あ~……の~……」

『なんだ!? は、早く組合に行け!! こっちに来るな!!』

「ここ、こ、こっ、ここ、ターラッシュ……?」

『そうだ!! それ以外になにかあるように見えるかぁ!?』

「あ、ぁざ~……」


 ターラッシュの隣町かもしれないじゃん。こっちは初心者なんだぞっ!! 全くもう、失礼な門番……!!


『重要なシステムメッセージ:【中央貿易都市・ターラッシュ】に入場しました。【フレンド】【ギルド】【タウンマップ】【オークション】【ゴールドショップ】【ゴールドガチャ】の機能が解放されました』

「あ゛ぁ゛……?」


 あ、友達とかの機能が解放されたんだぁ……。友達なんて居ないし関係ない……。それより、オークションとかゴールドショップって何?

 オークションが、この世界の通貨であるシルバーを消費して、他のプレイヤーが出品しているアイテムを購入することが出来る機能ね。基本的には街の中でしか使えない機能で、誰でも使える……と。へえ、コスチュームとかも売りに出せるんだ……。ざっと見た感じでは1着10万シルバーとか、高いのだと5億シルバーとかしてる……。もっと高いのもあるんだろうなぁ~。

 それで、ゴールドショップとゴールドガチャは……まあ大体察しはつくんだけど、ああやっぱり。課金要素ってことね。ペルシアちゃんが言ってた【どこでも倉庫永久利用権】とか、【倉庫拡張チケット】とか、【コスチュームガチャチケ】、【コスチュームガチャチケプレミアム】……うわぁ~課金の食べ物とかもあるんだ。今週およそ何個売れたとかの表示まであるの!? 人気商品がわかりやすくて良いわね……。コスチュームのガチャチケが人気だわ。プレミアムは~……? うわぁ、闇の深い要素だったわ。プレミアムでしか出ないプレミアムアバターセットが極稀に出るって書いてある。


『――――可愛いんだからちゃんとした服を着なさいね~♡ セクシーなのとか、キュートなや~つ♡ 命令よ~?』

「あ~……」


 そういえばペルシアちゃん、言ってたなぁ~……。課金しろっては言ってなかったけど、ちゃんとした服を着なさいって。お金を貯めて、ちゃんとしたコスチュームをオークションで買えよってことだったんだろうけど、善は急げだよね……? ええっと、お小遣いが入ってる口座をペルシアオンラインに登録すれば、課金できるようになる……かな?


『重要なシステムメッセージ:【七瀬真波】様の口座情報の登録が完了しました。保護者様の同意も確認致しました。未成年であるため、月の課金限度額は5万――――』

「あ、お母様かママの許可……オッケーしてくれた……」

『重要なシステムメッセージ:【七瀬燐音】様により限度額解除が行われ、月の課金限度額は無制限となりました。100万円毎に【七瀬燐音】様へ確認のメッセージを送信致します』

「ひゃ……!? へっ……!?」


 おお、お母様!? げげ、限度額なしって、うう、嘘でしょ!? ダメだよこんなの、ひ、引きこもりの出来損ないにこんな大金……! ごめんなさい、ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい……!! 1万円、いや5千円ぐらいで良いんです、そんなつもりじゃ……!!


『重要なシステムメッセージ:【七瀬燐音】様よりメッセージをお預かりしました。『真波ちゃんが好きなことを見つけたみたいでとっても嬉しい。やるならとことんやりなさい。応援してるわ』……以上です』

「あっ……あっ…………」


 あっ……。ごめん、なさい……。後でちゃんと、謝らなきゃ……。

 ううん、きっとお母様は謝って欲しいんじゃなくって、ありがとうって言って欲しいはず。でも、言えるかな……ありがとうって、言う勇気がないよ……。

 あれ? ここ、どこ? いつの間にか人が全然居ない路地裏に入っちゃった。表通りに戻るのは、どこからいけば良いんだろう……。


「…………はぁ~…………」


 うう、でも、ここなら誰かに邪魔されずコスチュームガチャ引けそう……。ごめんなさい、最低な娘でごめんなさい。ちょっとだけだから、ほんのちょっと使うだけだから、うう~……!!


『【コスチュームガチャチケプレミアム・11枚入り】を購入しました』

「あ? あっ!! 間違った!!」


 あ、これ高い方!! 違う、こっちじゃな……あああああ~……!! 返品とかって、うう~……出来ないって書いてある……。はぁ~……。課金許可して貰った途端に11枚入りで5000円のチケットを購入する娘……。我ながらクズ度合いが高い。高すぎる……!!


『【プレミアムコスチュームガチャ・女性用】をご利用なさいますか? 【コスチュームガチャチケプレミアム】が必要――確認しました』

「あ~……」

『【魔女っ子ローブ】が当たりました』

『【騎士のグリーブ】が当たりました』

『【コウモリマント】が当たりました』

『【もふもふマフラー】が――――』


 高い方のガチャなのに、普通のガチャと大差ないような……。あ~あ、普通のガチャチケ11枚入りは2000円なのに、勿体ないことしちゃったなぁ~……。全然良いのが出ないまま、もう2枚しかなくなっちゃった……。


『【ピンクリボン】が当たりました』

『【◆夜の魔王フルセットボックス】が当たりました!! おめでとうございます!!』

「はひゃ……?」


 よ、夜の魔王フルセットボックス……? え、これってレアな感じ……? どんなコスチュームなんだろう、箱から取り出して見てみようかな……。


『はぁ~い可愛い子ちゃ~ん♡ 暗い顔してるわねぇ~?』

「ア゛!! ペルシアちゃん!!」


 ペルシアちゃん!? い、いつの間に!? いつからここに居たの、あっいい匂い……。香水つけてるのかな? ほんのりローズ系のいい匂いがする……。味見したい。


『それ、着るのね♡』

「え? それって……」

『その手に持ってる服、着るんでしょ? 最初に見ないと~って思って、来てあげたのよ~?』


 えっと、いま手に持ってる服って……こ、この、夜の魔王フルセットをですか? まだどんなコスチュームなのかも確認してないんで、似合うかどうかわかんないんですけど……ってぇえええ!? 何この服!? え、服!? 服なの、これが!? 下着……じゃないんだよね? 下着じゃん!! いや服、ぎりぎり……! スカートあるし、レオタードタイプだし、魔法の不思議な力でズレたり脱げたり見えたりは絶対しないって書いてあるし!!

 なによりも、ペルシアちゃんの期待の眼差し!! この期待を裏切るようなことは……で、出来ない……いや、さすがに拒否したいような、こういうの着てみたいって思ったことはあるけど、うう……。


『なぁに? 着たくないのぉ~?』

「着たい、ですけど……。その、似合わないというか、他の人にどう思われるか……」

『他の人なんてどうでもいいじゃない。着たいんでしょ? 着なさいよ。自分はこんな服を着てるんだぞ~って堂々とすればいいのよ~♡』

「ど、堂々と……」


 こんなコスチュームを、堂々と……? ほ、本当に私、そんなこと……出来るのかな……。


『そんなに不安なら、まずはワタシだけに見せなさいよ~♡ ほら、あの家空き家みたいだし? 入って確認しましょ♡』

「あ、ちょっと……!? 不法侵入!!」

『ワタシが入って問題になる場所なんて、この世に存在しな~い♡』


 凄い、これが堂々としてるっていうこと……!! ペルシアちゃんの自信たっぷりなムーブを見てると、誰かの目を気にして小さくなっている私が……惨め……。


『ほら、着なさいよ! は~や~く~!!』

「あ、あっちを見ててください!!」

『しょうがないわねぇ~。ほら、早く着なさい?』

「うう~……」


 ちょっとでも笑われたら、もう絶対に着ない……。最悪でも今回だけ、見られてもペルシアちゃんだけ……。


『コスチューム【◆夜の魔王フルセット】を装備しました』

『重要なシステムメッセージ:コスチュームは本来の装備品の性質をそのままに、見た目と着心地だけが変更されます』

「着ました……ど、どうぞ……」

『ん~♡』


挿絵(By みてみん)


 どうですか、やっぱりダメですか、ダメですよね。ごめんなさい、私みたいなのがこんなコスチュームを着てごめんなさい。もう二度と着ないんで赦してください……。ああ、埋まりたい。地面に埋まってそのまま眠りたい……。もしくはペルシアちゃんの香水として生きていきたい……。


『素敵……。やっぱり、凄く可愛い!!』

「え」

『完璧!! 最高よ!! 良い? 誰に何を言われたとしても、このワタシが最高だって言ってるの。そこらへんの有象無象の言うことなんて、虫の声か水の流れる音とでも思っておきなさい? アンタは、ワタシが最高と認めたの。誇りに思いなさ~い♡』

「ほ、ほっ……!?」


 本当に……? お世辞でも、嘘でもなくって、本当に……?


「う、嘘じゃないですよね……」

『あのね、この世界の掟でね? 満月の夜には嘘をついてはならないって決まってるのよ? お母様の世界では逆だけど、この世界では満月の夜の嘘は絶対に禁止されているの。ほら、今日は満月……でしょ?』

「はい……はい……!!」

『自信を持ちなさい♡ 貴方は……こんなにも可愛いんだから。堂々と生きなさい!』

「はいっ!!」


 嘘じゃないんだ……。私、これを着ても良いんだ……。ペルシアちゃんが認めてくれたんだから、どうでもいいやつらの言葉なんて、どうでもいいんだ。誰かの視線を気にする必要なんて、ないんだ!!


「で、でも、や、やっぱりちょっと、これですぐ外に出るのは……」

『んも~♡ まあ、そう簡単に変われるなら苦労しないわよね♡ 最初は大変かもしれないけど、慣れなさいな』

「慣れる……」

『そう、慣れればいいのよ! それと、その服ぐらいダイナミックなのならいいけど? 地味で可愛くない服を着たら、二度と会いに来てあげな~い♡』

「え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」


 そ、そんなことを言われたら、絶対脱げないじゃないですか、やだー!! 周りの目を気にしてこのコスチュームを脱いでペルシアちゃんに会えなくなるか、ペルシアちゃんの言う通りにして堂々と過ごす練習をするか……ん!? 待ってくださいませんこと? つまり、また会いに来てくださるんですか!?


「ま、また、会いに来てくださるんですね!?」

『あ、そっち? 良いわよ~♡ ワタシは誰かに何かを特別に授けたりはしないけど、お話ぐらいはしてあげるわ~♡ そうねぇ……アンタに会いに来たくなるような、特別な挑戦に成功した時とか?』

「誠心誠意、頑張らせて頂きます!!」

『頑張りなさいね~♡ さあて、じゃあこの家から出ましょうか~?』

「え、あの、心の準備が」

『出なさい』

「はいっ!!」


 おああああ……。緊張する、本当にこの格好で外に出るんだ……。どうしよう、心臓がバックバクで頭が痛いよぉ……!! で、でも、いつまでもここに残ってるわけにはいかない。勇気を出して、外に出るのよ、七瀬真波!!


「うっ……! 外、眩しい……! ペルシアちゃん、外に出まし……あ……れ……?」


 あれ、ペルシアちゃんが居ない……。それに、私がさっき着替えに使ってたはずの空き家が……ない……? ここは、空き地? それに今、眩しい(・・・)って……さっきは満月……違う、まだ15時、お昼だったはずなのに!! 満月は、ない!! 太陽が眩しい時間!!


「幻……覚……? 夢……?」

「おい、見ろよ。あれ初心者武器だよな? それにしてもすげえコスチューム……」

「うわすっげえ、声かけてみようぜ」


 あ゛!? プ、プレイヤーが居る!! 違う、虫の声だ。あれは虫、虫だから無視。どうでもいい有象無象の声なんて、気にする必要はない……!


「ねえそこの彼女~」

「…………あ゛あ゛?」

「ひっ……!?」

「…………邪魔」

「す、す、み……ませ……!」

「お、おい、何ビビってんだよ……!!」

「だって、いや、だってよお!!」


 本当だ、堂々としていれば……虫なんてどうってことないんだ……! 虫なんてへっちゃら、怖くなんてない……!!


「聞こえ、なかった? 邪魔、よ」

「あ、お、おっ……」

「お前だってビビってんじゃ……おい行っちまうって、おい……」


 ほ、ほっ……! 本当に、どうってことなかった!! あは、あは!! 今まであんなのにビクビクして過ごしてたんだ、私……馬鹿みたい……。


「――ねえ、あの子凄くない……?」

「――わあ、すっげ……」

「――え? リアモジュ? マジじゃん、ええ!?」

「――お~……」


 でも!? ちょっと、み、見られ過ぎかなぁ!? やっぱり恥ずかしくなってきたんですけど、でもこれを脱いだらペルシアちゃんに会えないよ!? 夢だったかもしれないけど、夢だとしても裏切るようなことは出来ないもん!! 慣れる、慣れればいける!! 慣れる練習よ!!

 そういえば、これからどうするんだっけ!? 何をするんだっけ!? あ、ああ、そうだ……冒険者組合に行って冒険者カードを発行するとか……あ、冒険者組合はこちらって看板がある!! よし、行こう……。今の私なら、堂々と冒険者組合に入っていけるはず。


 待って? 冒険者組合って、冒険者がいっぱい集まってる場所ってこと……!? 今から、そんなところに行かなきゃいけないの!?


「お゛あ゛あ゛あ゛……」


 逆だったかも……。まずは冒険者カードを発行して、それからコスチュームに手を出すべきだった……いや、これは試練だ。これはペルシアちゃんからの試練だと、私は受け取ったッ!! 

 乗り越えてみせる、冒険者カード発行クエスト!! 獄ミノよりも難易度が高い、さすがインフェルノモードね……。冒険者カードを発行するだけでこの難易度とは!! やってやろうじゃないの~!? 今の勢いならいける、絶対出来る!! さあ、首を洗って待ってなさい、冒険者組合とやら!!


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― 新着の感想 ―
これはグッドコミュニケーション!リンネママとは別のタイプだ。そんな娘に激甘なリンネママ(*>ω<*) ロリ巨ぬーにドスケベ衣装!ハレンチですわ〜!
親子での勝負を求む!
さすが生粋の廃課金者リンネがママだから 課金へのハードルがガバガバだぁw もしかしてウェーブちゃんとペルシアちゃん 従姉妹の可能性ある!?
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