表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七瀬真波は乗り越えたい  作者: エリーゼ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/31

030 行動や発言には責任が伴う

前回の!! 波乗りのあらすじッ!!!!

ウェーブちゃんの前に唐突に現れたもふもふ狼男!! もふる間もなく哀れにもバラバラにされてしまったウェーブ!! しかし、ただでは起きなかった!!

もふもふ狼男ことガルフと名乗る青年をパピーちゃん扱いし、なでなでと餌付けに成功ッ!! 世界各地で大魔女なる者に選ばれたが職務放棄中の勇者がいることを知るッ!! 

どうする、七瀬真波!! どうする、ふわふわとついてきたカリン!! もふもふなでなで餌付けタイムをされていて良いのか、ガルフ!! 彼ら彼女らの運命や如何に!!!!

 ガルフちゃんに餌付けをして一通り話を聞いて、とりあえずの事情は理解出来た。

 世界各地には魔王を倒せると期待されている勇者候補がチラホラいるけど、誰もその気になってないというか、それぞれ事情があって足並みが揃っていないみたいね。中にはガルフちゃんのように『俺はやるぞ俺はやるぞ』って子も居るみたいだけど、重たい腰が上がらないって人が多いみたい。


『まあなんだ、色々と事情は話したが……お前達じゃ到底ゲリュディオンには敵わないぞ。諦めて帰ったほうが良い』

「カリン達はゲリュディオンさんをやっつけにきたわけではないですよ~?」

『は? じゃあなんだ? 散歩にでもきたってのか?』


 まあうーん、散歩ってわけではないんだけど、まあ散歩ってことでいっか……。インフェルノダンジョンのことを説明しても面倒くさいだけだし……。


「そう、散歩」

「そうです! 遊びにきました~!」

『はぁ……。さっさと帰れ、と言っても帰らないんだろうな』

『うみゃう……。目的は煉獄への挑戦だ。こう見えてもウェーブ嬢は煉獄の1階層を単身で制覇している』

『煉獄って、あの煉獄か。魔王の…………』

『うむ……』


 あ~ナーノちゃんが喋っちゃった~!! でも、なんかガルフちゃんは煉獄について知っているような口ぶりだね? 魔王の…………なんだろう? 言うのを躊躇ってるけど。


『(――――話が長いのう。ガルフ、今のお主でも魔王には勝てぬ。出直して参れ)』


 うわ、誰の声!? 頭に直接響くような、聞いたことない人の声が!? カリンちゃんがびっくりして腕に抱きついてきたけど、それにびっくりして私も抱きついちゃったんですけど!! お互いに苦笑いして、気不味い雰囲気になったじゃないの!!


『にゃ……。大魔女様……』

『大魔女……!? あんたに言われるまでも――――』

『予言の大魔女(Lv.????)が【グレーターテレポーテーション】を発動、強制転移されます』

「わっ」

「わぁ~」

『ピッ!?』


 これって、転移の魔法!? うわああなんかこう、一瞬無重力になったみたいな、体がふわっと浮いて気持ち悪……おえっ……!! 危なく胃の中身が出てきそうになったじゃない……でっ!? ここは、どこ……おっ……。


挿絵(By みてみん)


『乱暴な手段を使ってすまなんだ。そなた達を呼び出したのはこの妾、エキドナである…………むっ?』


 あのネコミミ、本物かな……!? 本物、だよね! ちょっとぐらい触っても良いかな!?


『これっ! 断りもなしに触れようとするでない!』

「触らせてくださいお願いします!!」

『断ったから良いわけではない!! これ、黒猫!! 本当にこやつで合っているのだろうな、本当に勇者候補としてそなたが選んだのだな!?』

『間違い御座いません。それと、ナーノ男爵と名前を頂きました』


 こうも抵抗されると、何が何でも触りたくなっちゃうよね。絶対触ってやる……!!


「触りたいの!!」

『勇者ではなく変態を連れてきたようにみえるが!?』

「ウェーブちゃん、カリンも手伝います!」

『こらやめんか!! やめ、このっ……!! ナーノダンシャク、お主も止めんか!!』

『素直に受け入れると楽になりますにゃ……』


 そうよ、素直に受け入れてくれればいいの!! だってそんなにふわっふわなんだもん、絶対気持ちいいよ。絶対そう、ほらもうちょっとで届く……お゛っ……♡


『ふわぁ……♡ こ、こりぇ、はなしぇ……♡』

『大魔女様は耳が弱いのだ。それと、尻尾も弱い』

『ほへええええ、ゆるしゃんぞ、にゃぁのぉぉ……!!』


 あんなに凛々しかった砂漠の女王様風のお方が、トロトロのお顔になってなでなでされて喜んでる~!! うんうん、猫ちゃんは甘えてる時が一番可愛いんだよ!! 猫ちゃ~ん。にゃんにゃ~ん。


『ひゃ、ひゃ…………やめんかぁあああ!!』

『予言の大魔女エキドナ(Lv.????)が【衝撃盾】を発動、ダメージを受けませんでした。大きく吹き飛ばされました』

「うわぁっ!?」

「わあ~~」


 くっ、堕ちなかった……! ダメージは受けなかったけど距離を稼がれた。ここはローリング回避をキャンセルしてダッシュからの抱きつきで……。


『ふぅんっ!!』

『予言の大魔女エキドナが【守護結界】を発動、強力な結界が展開されました』

「あっ」

「あら~。バリアを出されちゃいました~」

『当たり前じゃ!! 妾を何だと思っとるのじゃ!! 全く、好き勝手にしおってからに……!!』


 だって、触りたいんだもん……。可愛くてふわふわが目の前に現れたら、多少のリスクを承知でも……。


『そ、そんなに落ち込まなくともよいではないか!! なんじゃ、妾が悪いとでも言うのか!?』

「触らせてくれない……」

「触らせてくれないですね~」

『私で我慢したまえ、ウェーブ嬢』

「もふもふだ……。ナーノちゃんは優しいね……」

「優しいですね~! カリンも撫でます~」


 ナーノちゃん、ありがとう……。声が渋いおじさまボイスなのも含めて好き……。ふわもふ、もふふわ……。撫でても怒らないし……。


「ガルフさんの話の途中だったのに……」

『うっ』

「なんの断りもなく誘拐してきたのに……」

『う゛っ』

「撫でさせてくれないんだ……」

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~……!!』

「ナーノちゃんは撫でさせてくれて、優しいなぁ~……」

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!』


 お、効いてる効いてる。だって自分は断りもなしに誘拐したのに、私の要求は飲んでくれないなんて……。ナーノちゃんの元飼い主? マスター? まあどっちでも良いけど、残念な人だなぁ~って。器が小さいなぁ~って。ね、カリンちゃん。ね~。


「ナーノちゃんは優しいのに、残念(・・)ですよね~」

「そう、残念(・・)

『ざ、ん……ねん……!?』

『…………ふっ』

『今笑ったか!? 妾を笑ったか!?』

『いえ、ウェーブ嬢達に撫でられるのが気持ちよかったので、声が漏れてしまいましてね…………ふっ』

『くうっ……うううう~……!?』


 あ~あ、残念だなぁ~。あ……そうだ……。


「あ~あ~。勇者候補だかなんだかで連れてこられたみたいだけど、こんなんじゃお話も聞きたくないなぁ~」

「予言の大魔女様は、きっと凄くケチンボさんです。お話を聞いてもきっとなんの見返りもないです!」

「カリンちゃんもそう思うよね~。あ~あ、もう帰りたいなぁ~。撫でさせてくれたらなぁ~……」

『か、く、かかかか……!! な、撫でるぐらい……なら……』

「尻尾も触りたいなぁ~。あ~あ、尻尾もふもふさせて欲しいなぁ~」

『ぐ、が、がががが……!!』


 もうちょっとで折れそう。よし、もう一押ししよう。


「ブラッシングもしたいなぁ~。でもさせてくれないし、もう帰りたいなぁ~……」

「帰りたいです~。誘拐犯さん、カリン達は早く煉獄へ遊びに行きたいです~」

『誘拐、犯……!?』

『…………ふっ』

『ぐがぁぁあああ……!! お前、絶対笑った! 笑ったであろう!!』

『いえ、そんなことは……ふっ……』

『ぐぎぎぎぎぎがががが……!!』


 私達は誘拐犯の要求には一切屈しないぞ~。お話だって聞いてあげないぞ~。その気になったら自害してでも休憩小屋に戻って煉獄へ行っちゃうぞ~!! どうするんだ、誘拐犯~!!


『…………許す』

「え? 何をですか~?」

『わ、妾の、耳でも尻尾でも、す、好きにしろと言っておるのじゃ!! だから誘拐犯だの、勇者にならないだのと、言わないで欲しいのじゃが!!』

「カリンちゃん、聞いた?」

「はい! 聞きました~!」


 ふ……。ふふ……。私達の勝ちだよ、予言の大魔女エキドナ様。さて、好きにしていいんだよね? 覚悟は、出来てますか?


『予言の大魔女エキドナが【守護結界】を解除しました』

『はぁ……。ほれ、好きにするが……待て。お主達、その手に持っておるものはなんじゃ……?』

「頭皮マッサージャー。半分に切った泡だて器みたいなのを頭に刺す」

「魔導マッサージャーです~! ぶるぶるぶる~って振動するんですよ~」

『ひっ……!?』

『大魔女様、二言はありませんな』

『お主、これを知っておったな!? や、やっぱりなし……!!』


 あれあれ、大魔女様ともあろうお方が、やっぱりなしだなんて……。


「やっぱりなしだって。これじゃ話を聞いてもやっぱりなしって言われそうだねカリンちゃん」

「そなた達を勇者として認めるのじゃ~って言って、やっぱりな~しって言いそうです~」

『ぐ、ううう……!! そんなぁ~……!!』

『大魔女様、二言はありませんな』

『…………二言はない。好きにせよ』


 ……………にひっ。じゃあ、遠慮なく。


『――――あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
えきどにゃさま。かわいい。ないす。
受け継がれる血
子供に受け継がれるこのテクニック。こちらの方にも適応されるとは恐るべし!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ