表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平均的僕らの推理  作者: 乱 乱太郎
6/10

5話 飛行機の

「あーっと。平之一(ひらのかず)一家が世界一周旅行をするのに使用した、プライベートジェットの見取り図を」


(からす)が頼むと、麗子(れいこ)さんは「畏まりました」と返した。

 ふぅーと俺はため息を吐く。事件解決の第一歩を、やっと踏めた気がしたからだ。

 

 この調子では明後日までに解決できないことを、夕凪(ゆうなぎ)は悟っていた。だからと言って、焦ってはいけないことも。


 数分たっただろうか。麗子さんが、何かを持ってこちらに向かってきている。見取り図だろうか。それにしては、やけに小さいものを持っている。


「こちらになります」


 麗子さんは机にUSBを置き、戻っていった。

 どうやら、さっき見えたのはこのUSBらしい。やっぱり、情報なら、この【サハラ】が一番だな。早い、安い、細かい。こう書いてあるポスターが、店の窓に貼られるだけある。


「パソコンとか、誰か持ってるか?」


「持ってないな。まさかUSBとは誰も想定してなくて」


「帰って見ればいいだろ」


 雑な会話が繰り広げられる中、俺はホントに頼んだコーヒーをすする。ブラックは飲めない。千葉県といえばのあのコーヒーが好きだ。あの缶のデザインの自販機があると聞いたことがある。審議は定かではないが、気になっている。


 閑話休題。やっと俺たちは、飛行機の見取り図が入っている―――と思われる―――USBを手に入れたわけだが。

 早速事務所に戻り、パソコンにUSBを挿す。すると、特別製なのか、パッと画面に見取り図が映る。

 俺たちは見取り図に注目する。


幸子(さちこ)さんの電話はここでしたんだろう」そう言いながら、飛行機の頭の方を指す。飛行機の搭乗口あたりだ。ここなら、誰からも見られていない理由も納得行く。


「特におかしなところがないな…」烏が呟く。「どういうことだ?」俺は烏の呟きにそう返す。


「いや、一輝(かずき)の、あー…死んでたとして、死体はどこに、どこから捨てたんだろう。ずっとそう思ってたんだ」


「トイレじゃないの?ほら、細切れにしてさ」


朝凪(あさなぎ)がそう言った。


「トイレって言っても、飛行機は、トイレを流せば汚物タンクに基本行くんだ。なら、トイレから腐臭がするはずだろ?」


烏が冷静に返す。でも、朝凪の言う、トイレに流す以外の死体を遺棄する方法は、俺には思いつかない。


「じゃあ、どうやって捨てたって言うんだよ」


朝凪が、烏を責め立てるように言った。すると、烏は「それを今から考えるために、普通の飛行機と違うところを探してるんだよ」と疲れた声で言った。


 死体が飛行機の中にある線は、もうほぼ消えている。ならどうやって……?

 俺はペンを取り、近くにあった紙に書き殴る。



【考えられる可能性】

1.何かの特別な()がある


2.トイレに細切れにして流した


3.そもそも死んでいない



 今ある材料で考えられるもので、可能性が高いはこの3つぐらいだろう。


 まず、8割方3番はないと言って良い。

 そんなことをしても、雪子(ゆきこ)さんにメリットがない。…いや、でも烏からの話を聞いて、あり得ないこともない気はする。が、それは省くとしよう。

 そう考え、俺は2人にこのメモを見せる。


「…なるほど」と一番最初に反応したのは烏。

 俺は烏に「今のところは2番が一番可能性の高い選択肢な気がする。でも、だからといって1番も外せない」とメモの内容を補完した。


「穴、な………」


 時刻はもう七時を回っている。


 すると、烏が突然手をパンッと叩き、


「明日にしよう。今日は諦めて、明日に備えて、ゆっくり寝るとしようじゃないか。…明日は、……八時頃に来てくれ」


と言った。


「大丈夫!!徹夜で穴を見つけてみせるよ!」


 グッと握った拳を上に突き上げ、烏は言った。


 不安だなぁ………。


 イヤーな予感を孕みながらも、朝凪と俺は一旦家に帰ることにした。明日には穴が見つかっていることを祈りながら。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ