成吉思汗の少年時代3 妻の名はボルテ。そして父の訃報
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「やあオンギラトの皆さんこんにちは。ボルジキン族の族長、イェスゲイと言う者だ」
オンギラト族は歓待を始める。わざわざのお越しに族長アラクシ・テギンまで出てきて歓迎している。
「今朝私の所に日輪が飛び込む夢を見たんだ。それはきっとイェスゲイ族長が連れているその子の事に違いない。どうか家にくださらんか?」
アラクシ・テギンはすっかりテムジンの面に光あり目に炎ある姿に惹かれている。
「おいおい。猫の子やり取りする訳じゃ無し」
「勿論。こちらにはこの子がいます」
ゲルから出てきたのはやはり面に光有る美少女である。
「家の娘、ボルテだ。どうだ?是非この子の婿に。テムジン君は絶対大きな事を為すだろう。その傍らに我が娘をだね」
「いや。良い話だけどまずはこれで家と縁戚になるけど良いのか?それと……」
「異存はないぞ。それと?」
「家の子犬苦手なんだ」
ボルテを引き合いに出されていたその頃、テムジンはアラクシ・テギンの番犬に追い回されていた。
ボルテはテムジンより一つ年上の14歳。モンゴルでは姉さん女房は珍しい訳でも何でもない。
凛として美しいその姿にはテムジンも大喜びだ。
斯くしてテムジンはこの集落の入り婿になり、ボルテとおままごとのような新婚生活が始まった。
オンギラト族は伝承に神様が使う竈を蹴飛ばしたという伝承が有り、何故か足が弱くなる病気の人が多いようだが、モンゴル人自体が歩くより先に馬に乗る事を覚える子が多い為、足が基本的に弱めに出来ている。
だがこの姉さん女房ボルテさん。騎乗はそれほどお得意ではないという異例な奥さんだった。物凄く箱入り娘だったようで……
さてこのオンギラト族は高原の商人として毛皮から宝飾まで手広く扱うお家だった。ここでテムジンは中国の鉄製の鎧や、イスラムのクロスボウやらを見たようで、必死に対抗手段を考えていた。
一方供を連れて帰宅するイェスゲイはしょっちゅう小競り合いをしているタタール族の集落を見つけた。
「ここで挨拶に出向かないのも臆病者の謗りを受けるからな」
と、ご挨拶に出向いた。
ここでイェスゲイは遅効性の毒物を盛られ、ボルジキンの集落に帰った頃には半死半生という有り様だった。
ここに残された子供の筆頭はカサル11歳。次期族長には幼すぎる。
「テムジンを。テムジンを呼び戻せ!」
イェスゲイは後事をテムジンに託して亡くなった。
テムジンもどうしたものかと単身帰郷を果たしたが、まさかの父の死。これには衝撃が大きかった。
だが、衝撃はこの後からもやってくる。
ボルジキン族に従っていたタイチウト族が反旗を翻し、ボルジキン族の者までもを強制的に引き連れて、白昼堂々逃げ出してしまうのだ。
この時老人チャラカが一人反対した。
「おい!イェスゲイ族長に儂らはどれ程お世話になった事か?見捨てるなんて出来るか!」
そう言った後タイチウト族の族長タルグタイは自らチャラカの首を跳ねた。
出堕ちの善人チャラカ、一巻の終わりである。チャラカの息子ムンリク・エチゲもこの様ではどうしようもない。
泣く泣く父を弔いも出来ないままボルジキンを離脱するしかなかった。
テムジン。後のジンギスカン。彼は丸裸同然から立身出世しなくてはならなくなったのだ。
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