成吉思汗少年時代2 ジンギスカンの兄弟達
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テムジンはいよいよ13歳になった。当時のモンゴルでは成人というお年頃だ。
「大きくなったなテムジン。お前もそろそろ嫁取りに行かなくてはな」
父イェスゲイが言う。通常モンゴルは末っ子が遺産を相続する。
テムジンは長男だから何処かで独立しなくてはいけない。その為にもまずは嫁取りから開始するのが通例だ。
「お前の母ホエルンはオルヌウト族の出身だ。お前もそこから嫁を取るとするか。行くぞテムジン」
父イェスゲイはテムジンを連れて出かけるそこには家族の見送りが有る。
歳は2歳ずつ離れている。理由はおそらく授乳期を長くして子供を増やしすぎないようにしてるからだろう。
13歳のテムジン同腹の兄弟はこうだ。
11歳のジョチ・カサル。カサルの意味は獅子の鬣とも、ローマ帝国のカエサルが訛った物とも言われている。
9歳のカチウン・エルス。カチウンの意味は賢いという意味だ。
7歳のテムゲ・オッチギン。テムジンが「鉄の人」ならこの子は「鉄の男」という意味だ。
オッチギンの意味は「火の守り手」だ。末の男の子は兄達に仕事を取られ、竈の火の番位しかやることが無くなるのだ。
5歳のテムルン。ルンとは「女」という意味合い。要するに日本語で平たく言うと鉄子ちゃんだ。
イェスゲイには第2婦人もいた。名前は資料によりまちまちだ。第2婦人の扱いの低さにも驚くべきものがある。第2婦人には二人の男子がいた。
12歳のベクテル。10歳のベルクタイだ。
テムジンはこの家族とも見納めになるかも知れない。道中は危険だ。命を落とすかも知れない。ましてや別の集落のゲルに身を寄せるのだ。行き先が違えば会う事も無くなるだろう。
テムジンは父に引かれて母ホエルンの出身部族オルヌウト族のゲルを目指す。
ここで出身地と書いてないのは、モンゴル高原では誰一人土地に拠って暮らして居ないからだ。草原が枯渇する前に新たなる草地を求めて旅に出る。
出身地という発想なんか無いのだ。
モンゴルという場所の風景は複雑だ。端にカラ・トンという森が有るかと思えば、ひたすら寒いコイデン、砂漠地帯も有れば川も有る。そんな中をテムジンとイェスゲイは行く。遠くに羊を放って仰向けに寝ている青年が居れば、遥か彼方に馬を走らすおじさんを見る。
あ。羊等の家畜を放牧している時、仰向けに寝るのはモンゴルでは一般的だ。
ここに羊の群れが居るのは遠くからでも分かるモンゴル人にとって、むしろ立って一人で居る事をバレないようにするために寝転んだ方が良いのだ。ましてや仰向けになっていれば全周に目が届くのだ。
さて、行く先にオルヌウト族ではなくオンギラト族の集落が見えて来た。
「挨拶に行くぞ」
父イェスゲイが集落に立ち寄る。モンゴルでは旅をする時に集落を見掛けたら挨拶に立ち寄るのは当たり前な事なのだ。
この挨拶まわり行為。これはテムジンにとっては良い方向に作用し、反面イェスゲイにとっては最期の不幸の始まりになる。
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完結作品
素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記
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