西吉思汗に寄り添う麗しの女性達4 姉妹で高位。イェスイとイェスゲン
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イェスイとイェスゲン。ジンギスカンの第3、第5婦人になった姉妹であり、亡国となったタタールで一番しつこく抵抗し続けた部族の娘達だ。
当初族長イェケ・チェレンが降伏に差し出したのはイェスゲンだけだった。しかしそのイェスゲンが言い出したのだ。
「帝王たるあなた様の隣に居るべきなのは私ではなく姉こそ相応しいです」
「ほう。姉がここに来たらその席を譲れる程なのかい?」
テムジンが聞くとイェスゲンは二の句も告げずに答えた。
「譲ります」
テムジンが早速イェスゲンに姉を探させるとすぐに見付かった。イェスイは既婚者だったが、夫はモンゴルの攻撃に堪えかねて逃げていたそうだ。寡夫みたいな物だ。
テムジンはイェスイと話してみると、なかなかにして頭の良い人物であるし、見た目も美しい。
テムジンは大変気に入り、酒宴の隣に侍らせた。
妹イェスゲンはというと、それを見て満足したのか婢の席に座っている。
「イェスゲン、お前の姉は確かに聡明にして美しい。帝王の隣に居るに相応しい姫だ。そしてお前の真面目さと正直さも充分俺の隣に相応しい。反対隣に来たまえよ」
姉イェスイも妹イェスゲンも。共にテムジンの妻となった訳だ。
ある日も夜は皆で酒宴だ。
この時イェスイは何故かため息ばかりついていた。おかしいと思ったテムジンが宴席の全員を部族置きに整列させたところ、一人だけ何処にも属さない奴が居た。
話を聞いてみると逃げたイェスイの夫で、とぼけていれば混ざり込めると思っていたらしい。
「よし!死刑!」
この一振でイェスイは完全に寡夫からテムジンと再婚することになるのだが、その時イェスイは耳打した。
「身辺警護はもう少し真剣に」
イェスイは絶妙な政治バランスを持った婦人だった。
ホラズム侵攻前に亡きボルテでも着いてきたクラン姫でもなく、イェスイが後継者を決めろと言ったのは、クランが言い出したら我が子コルゲンを推せと言わせてしまうし、妹のイェスゲンではそのような事尾首にも出す訳が無いのだ。
イェスイにはその頃まだ子供を授かって無かったから言えたのだ。
正に聡明にして美しき姉と、真面目で正直な妹という絶妙な組み合わせ。
イェスイはジンギスカンの晩年には常に寄り添う妻になっていた。
ちなみにイェスイとの間に子供は出来なかったが、イェスゲンとの間にはチャウルというお子さんが居る。性別不祥。そして生い立ち等も追うことは出来なかった。
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