コラム(!?) ジュチ皇子の野望!
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西夏攻略と金朝攻略までの合間、ジンギスカンには余り動きは無かったが、長男ジュチに別命を与えていた。
モンゴル高原の西方、キプチャク平原に住むトルコ系遊牧民の殲滅である。
ジュチはその草原の豊かさに大変感銘を受けながら、のほほんと小さな集落を訪問していた。
「なあ千人隊長君、僕は父からこの地を自由にして良いと言われているんだ」
「はぁ。そうですね」
「父は殲滅せよ!とは言ってたけど、こんな長閑な地に住み、こんなにおおらから人々を攻撃なんて出来ないよね~」
「え?あ。はい」
「てなわけでどんどん降伏勧告しよう!キプチャクの民は皆僕のもとに集まれ~」
そんなあまちゃんな事を言いながらジュチは集落に感謝の意を告げて帰って行った。
翌日からジュチによる徹底した降伏祭が始まる。
多くの歴史小説において、ジュチはちょくちょく優柔不断な性格だと記されている。
メルキトとの戦いでは捕虜にした弓の名手の王子クルトカンを助命嘆願している。ジンギスカンから受け入れられなかったが。
そして今キプチャクの殲滅を命じられていながら降伏祭と来た。
確かに優柔不断に見えるがそれは違う。
ジュチはジュチなりの合理性で動いているのだ。
手始めに小集落を降伏させるために全軍で包囲。立ち向かうヤツなど居る訳も無く、次々降伏を受け入れてくれる。
こうしている内に分かって来た事がある。彼らは西遼国の属国であり、多大な年貢を納めていた。
これの軽減を約束するだけで簡単にどの部族も寝返りを始めたのだ。
この行為、西遼がガタンと国力を落とし、反対にモンゴルが緩やかに力を付けた。
緩やかな理由はジュチ自身が年貢を大幅に甘く査定したからだ。
ジュチは単に優しいだけではない。そこにはジュチの打算ももちろん有る。
兵役を課したのだ。ここにジュチは初めて自分だけの軍団を手に入れる事になる。父ジンギスカンが
言っていた「お前の軍団が踏んだ地はお前の物」を成し遂げる大量の軍団が欲しかったのだ。
キプチャク平原でただ一度対決したのは西遼王国に接近し過ぎて後戻りが出来なくなったカルルク族のアルス・ラン・ハーンという人の軍団のみ。
しかもこれは半ば八百長試合で、その人の息子は既に帰順しており、親西遼派抱き合わせ滅殺試合なのである。
これでモンゴル帰順にNOを言う人はキプチャク平原に居なくなった。
父のもとには規定の年貢を納めさえすれば、自分の手元には少し残る程度で良い。
それよりもジュチは更なる未知なる西方を眺め、まだまだ続く草原を眺めてニマニマしながら新しい地と人を手に入れに行こうと決意するのである。
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