成吉思汗。高原の王者への道4 婚礼内祝いの罠
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トオリルの決めてきた婚礼に真っ向から反対したのは息子サングンだった。
「反対です!奴は我々を刈る気満々ですぞ!それにあんな成り上がり者など」
テムジンのお宅は元々かなりの名家なのだが、サングンの目にはそうは映らないらしい。
サングンが激昂して帰って来たそこにはジャムカが居た。
「受けたら宜しい。内祝いの席でテムジンを討ち取れば宜しいのです」
ジャムカは再び入れ知恵をした。
しかし返答はかなり遅れている。
テムジンの元に内祝いの席を設ける事が伝わったのは約半年後だった。
「遅過ぎるよな」
「さしずめテムジン暗殺の準備は出来ましたって所じゃない?」
「なんだ。ボォルチュもそう思うのか。かといってマトモな知恵も浮かばないな」
そんな時テムジンは大概母と妻に相談に行くのだ。男の頭で分からない事は目先を変えて女性に相談しちゃうのだ。
「確かにおかしいわね」
と、妻ボルテ。
「内祝いでしょ?使者を送れば充分よ」
と、母ホエルン。
テムジンは答えを得た。使者には適度な者を選び、送り出した。後を追う偵察隊も忘れなかった。
案の定内祝いのゲルの周りにはケレイトとジャダランの生き残りが完全武装でわんさと居た。
「ははぁ。これはこれは。参ったねぇ」
偵察隊はバッチリ見ていた。
ジャムカは肩透かしを喰らった事すら気が付かずにじっと攻撃指示を待ち惚けていた。
テムジンは報告を聞いて呆れた。
「これ……殺りに来てるって事だよな」
「兄者、すぐに奴らは来ますぞ!」
テムジンは急ぎ遊牧に出ている族長達を呼び戻し、体制を整えたが、ケレイトの方が先にやって来た。
ここはずるずる逃げながら決戦の場を探してぶち当たるしかない。
テムジンはケレイトに負ける気は無かったが、物見の報告では今いる部族の2倍に及ぶ戦力を集めている。
逃げなきゃとか追いかけなきゃとかやっているが、まだお互いモンゴル人の目を以てしても見えない位置から始まっているのだ。
決戦の時は近い。
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