成吉思汗の華麗なる皇子達③ 皇位継承者 オゴタイ
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ジュチから4歳、チャガタイからは2歳年下の子も男の子だった。その名はオゴタイ。後にモンゴル帝国の継承者になる人物だ。
ジンギスカンの正妻ボルテさんはかなり丈夫な方なようで、四男五女。合計9人のお子さんを産んだ。ちょっと真似出来ません。
元朝秘史への初登場シーンは何とも悲惨だ。
蒙古高原天下分け目の戦いたるカラ・カジルトの戦いの折り、手酷く負傷して帰って来たシーンからスタートだ。
「父上、僕はまだ戦えます」
担架に乗せられたオゴタイの健気な事。まるで作者の演出かのようだ(それを言っちゃあおしまいよぉ)。
実際自由人の長男、規律遵守の次男を取り持って上手くまとめたオゴタイの調和力はジンギスカンの目にも止まっていた。
ところでホラズム遠征。これはモンゴルの一大プロジェクトだった。たった10万程度の軍が、軍人だけで40万を越すホラズムに挑むのだ。ジンギスカンにすら戦死の可能性が残る。そこでここで後継者を決めようと言う話になった。選ばれた人物こそオゴタイだったのだ。
オゴタイにはどこで勝った負けたの詳細は無い。しかしその因縁の都オトラールでジュチとチャガタイの間に割って入って取り成したのはオゴタイだったのだ。正しく仲裁と調和の子であろう。
彼はジンギスカン亡き後のエピソードがなかなか面白い。
ある時部下と棗を食べていたところ、食べた後から他の部下が欲しいと言ってきた。オゴタイはすまないねと言いながら棗の種に金貨を付けて配り出した。その行為を窘める側近にケロリと返した。
「あの世で使えぬ金など積んで、それがどうした偉いのか?今は我らの名誉の為に財宝を、心の隅に留めておこうよ」
持てる者の粋な言い様だ。
お酒が好きで慢性的に飲む事に侍医が困り「今日から三杯までです!」とドクターストップをかけられた。
翌日から杯を特大にしてしこたま飲んだくれた(ダメじゃん)。
お酒のエピソードはもう一つ。金から投降して来た宰相耶律楚材は、酒樽の錆びた金具を指差し言った。
「これがハーンのお腹の中で起こっているのです。お酒をお控えください」
金具も身体も錆び付いてガタが来るよと教えたのだ。
その日オゴタイは耶律楚材に感謝し歓待し、ガンガン飲ませて酔い潰した。
翌日その酔いつぶれた姿の耶律楚材の前に立ちオゴタイはたった一言。
「ふっふーん」と、胸を張った。
寛大にして調和を好み、そして散財とお酒で晩節を楽しんだ。彼は1241年、56歳で、朝にはぽっくりと亡くなった。見事な往生ぶりと言えるだろう。
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完結作品
素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記
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