成吉思汗の父さん時代2 逃げた先に待つもの
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ボルテの言い様以外意見は無い。これはやるしかない。テムジンは夜逃げを全体に下知し、混乱と騒動の中移動が開始された。
ボルテ婦人は騎乗は上手くない。馬車での移動になる。テムジンも一緒に乗りながらボルテの言い分を聞いた。
「ジャダランは貧しい為羊飼いが多いわ。テムジンの集落は思いの外馬飼いが多いの。馬と羊は相容れないわ。だからあんなこと言い出したのよ」
謎かけの解は当たっていそうだ。
「そしてテムジン、狩りに出たりしてあなたを始末すればおそらくボルジキンは崩壊するわ。ジャムカはそれを順次吸収するだけよ」
テムジンはなるほどとは思ったが、何も確証が無い。
しかしそこはやることはやる。
周囲の小集落に今手元に居る適度な身形の者に挨拶に行かせ、三千の兵及びその家族が出す砂塵と馬蹄の響きをお詫びに向かわせた。
するとどうだ。仲間に入れてくれと言い出す人が現れ出した。
テムジンから言い含められているテムジン配下は当たり前のようにそれを歓迎する。この中には後に四狗の一人、スブタイも混ざっていた。
逃げるのに必死で気が付けば因縁深いタイチウト族の集落に突っ込んでいたが、既にそこはもぬけの殻になっていた。
テムジンに逆進攻をかけられたと勘違いしたタイチウト族が逃げ出したのだ。しかもジャムカの所に!
ジャムカはテムジンを仕留める為にタイチウト族までもを抱き込んでいたのだ。
集落跡地を略奪する様子を見ながらテムジンはボルテに呟いた。
「逃げ出して正解だったな」
「そうでしょうとも」
結局逃げに逃げた先はキムルト河畔だった。
その地は起伏が多めでジャムカが簡単には追いかけて来そうには無い地形だ。
テムジンはここに陣営を張り始めると、テムジンを慕い集まる人々の多いこと。
「テムジンってあのメルキトをやっつけた人だろ?」
「あれだけの軍団なら安心出来ます!」
人々がわらわら集まり出した。
事も有ろうにジャムカの陣営からあわせて逃げ出してきた者やタイチウトから離脱した者もいる。
ジャムカの陣営からゴルチというシャーマンがやってきた。
「やあ。貴方が高原の覇者になると言う天の声を聞いた。だからやってきた」
「はは。俺がか?そうなったら万戸長にしてやるよ」
「名誉職として貰って置くが、それより女の子30人……欲しい」
意外と下世話なシャーマン爺さんだ。
タイチウトからムンリクが来た。
タイチウトがテムジンから離脱した時に独り離脱に反対して刺された出落ちの善人チャラカの息子だ。
着いていきたいと追いかけて来た人々の追いかけ。テムジンは突如万余を扱う部族を持つ事になったのだ。
しかし、その他集まった面子の内容の中には素直に喜べない者も混ざっているのだ。
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