成吉思汗の少年時代5 はじめてのさつじん
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そもそもベクテルとベルグタイは身体がテムジン達より大きいようだ。
その反乱はまず末弟のテムゲの元に二人が現れた事から始まった。
テムゲはあっという間に魚釣りの達人になり、家族9人が一尾ずつ食べられるように釣り上げていた。
「おうテムゲ、魚全部寄越せ」
「ダメだよ!」
「良いから寄越せ!」
テムゲが釣り上げた魚をひったくり、どこかで焼いて食べてしまったようだ。
しばらくして今度狙われたのはカサルだ。カサルが捕らえた獲物をまたもやひったくり、やはり焼いて食べてしまったのだ。
皆が食べれば良い物を、何故ひったくるのか。
テムジンはもはや許せなかった。
地味に食い物の事ばかりになってはいるが、その食い意地以上に統率を乱す事を許さなかったのだ。
テムジンはカサルと共に弓矢を担いで出掛ける。
まずはベクテルだ。
実はベクテルの奴、当主の座を狙い出したのだ。許さん!
ベクテルは草原で寝転びながら羊を放っていた。
「ベクテルー!死ねー!」
テムジンが背後から。カサルは恨みを呑んで前から弓を放ち、ベクテルを葬った(やっちまったよ!)。
それを遠くから目撃したベルクタイは当主の座を狙っていない事と、今後反省しますと言う事。そして元よりそこまで暴れる気も無いことを知っていたので赦された。
このベルクタイは後々間違いなく頼れる人物になるのだが、それは後の話だ。
ベクテルを討ち果たした後、家に帰ると流石に母ホエルンも異変に気付いてテムジンを問いつめる。
「もうベクテルは帰って来ません」
「なんたる事!我らは影より他に供も無く、尾より他に鞭も無い身だと言うのに。数少ない味方に手をかけようとは」
さしもの母ホエルンもテムジンを厳しく叱る。しかしテムジンは動じない。
「母上、あれは味方ではありません。僕の言う事を聞けない奴は要らないし、僕に指図する奴も要らない」
13歳にしてこの貫禄である。肝が座っていると言うかなんと言うか。
テムジンはこのスタンスを貫く事になる。
幾人ものそのような奴を葬る事になるのである。
ここはブルカン岳とオノン川の畔。ここには誰も寄らない静か過ぎる地域ではあるが、家族の長を争い殺人事件が起きたのを見ているのはブルカン岳位だ。
結局この抹殺は上手い方に向かった。
家族は一丸となり土ネズミの一種タルバガンという獣を狩るのを喜んだ。
肉が取れる上に毛皮は安いけれども売れた。
これで得たお金で羊や馬を購入し、少しずつ生活が向上していった。
しかし帝王どころかモンゴル高原の一角に覇を唱えるのも大変そうだ。いったいどうなってしまうのだテムジン。頑張るのだテムジン!
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