成吉思汗の華麗なる皇子達①孤独の長男。ジュチ
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父、ジンギスカンは一度その妻ボルテをメルキト族に奪われ、奪還戦に挑んでいる。
奪還して後、ボルテが産み落とした長男の名前こそジュチである。
ジンギスカンに言わせると果たしてこの子は俺の子かどこぞのメルキト野郎の種の子か分からない。そこでジンギスカンはその名を『他人』であるジュチと名付けた。
この長男ジュチの存在は、弟チャガタイを苛立たせる。
「なんだこのメルキト野郎!」
弟から突き付けられる罵倒、蔑みを受けたジュチは外に愛情を求めるようになった。
メルキト族族長の息子クルトカンの弓の腕前を惜しんで助命を嘆願する。
モンゴル高原の遥か西、キプチャクの平原に住む者を皆殺しにしてこいと言われて帰順させて帰って来る。
果てはモンゴルにとって因縁の都、ホラズム王国のオトラールという都の屠城命令を丸ごと無視して無血開城まで提案する始末。外に愛情を求め、蒼き狼の末裔の一人に列する為、孤独の長男は四苦八苦する。
と、ここまでは作者不明の秘史の話。
その他の歴史書だとジュチの扱いはかなり変わってくる。
ジンギスカンは長男の誕生を事の他喜び、その日居た客人の名前が『ジュチ』だったのでその名を付け、挙げ句の果てにこうジンギスカンに言わせている。
「お前の軍団の馬蹄が踏み荒らした地はお前の物。お前が欲しいと思った物がお前の物だ」
ジュチは割と聞き分けの良い子で、それでもクルトカンの助命が受け入れられなければスパッと斬ったし、オトラールの無血開城が受け入れられないなら諦めてすぐに身を引いた。
割と多くの歴史小説で書かれているが『優柔不断で寛容過ぎる』という評価を与えられるが、それは見間違えだろう。本人は父親の言い様の為に自分だけの色々が欲しかったのだ。それは父親ジンギスカンが要らないと捨てた物から拾い集める事が手っ取り早かったのだ。
他の兄弟達がまだ到達していないキプチャクの遥か西に広がる平原を手に入れ、自分だけのキプチャク。トルコ系遊牧民軍団を手に入れたジュチは、父親からうんざりする程貰った生前分与の財産を前に、かなり好き放題やっていた印象だ。
しかし、彼的には自分は日陰者でなければならない。なんといっても出自が怪しい客人なのだから。
父より早く亡くなったジュチではあるが、帰還を促す使者が来ると狩りをしているふりをして病に臥せり、自分の死後財産をその三男バトゥに集めて帰還した。
「父は最期の最期まで自分は蒼き狼の末裔だと言っていました」
ジンギスカンに報告を入れるバトゥに同情票まで集めさせた。
このかなり好きに生きた『孤独の長男』は、何となく言い出しそうなのだ。
「長男なんてよー。面倒くせーのさ♪」と。
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