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嫌なぐらいジメジメした雨上がりの昼間。
「はぁ?せんぱい何いってんすか?冗談は顔だけでいいんですよww」
友人である花野 遊(25)に金を借りようとしたが、断られてしまった。
ギャンブル、酒、タバコに溺れ金欠になって金を借りようとしてるのは、この俺、鷹之 有馬。26歳だ。
コイツとは腐れ縁だ。小学生から大学、何なら卒業後まで関わってきやがる。(そのくせ「金は出さねぇケチくせえやつだが…
しかも巨大財閥の御曹司と言うんだから、たちが悪い。」
「心の声漏れまくってますよww先輩www」タバコに火を付けるながらそう言われた。
「は?え?俺なんか言ってた?」
タバコをふかしながら「金を出さねえケチ野郎って僕のこと言ってたじゃないですかww」
二人のシェアハウスにあるシーシャやら高そうなワインやらを見ながら、「あぁ!そうだよ!おめえにいっぱい奢ってやったのに何も返されてねえからいってんだよ!」と逆ギレ(?)してしまった。(女の子だと思って貢いでいたとは言えないままだが。)
「いやいやww返してとは言われてないですしww」
「お金に困ってる先輩見て楽しんでるんですからwwそう怒らなwwいでwwwww」
薄暗い電球を眺めながら(今とんでもないこと言われた気がするけど気にしたら負けだな…)と思っていたが気になったので一つ質問をする。「で、なんで貸してくれないのさ?」
「前に働けって言ったのに働かず乞食してるからですよ」
「ゴメンナサイ……スミマセンデシタ……(図星過ぎて精神が崩壊しかけている)」
「わかったらいいんすよ!もうたからないでくださいね?」
「ハタラケルバショガナイデス……」
俺を憐れむような目で見ながら「あれ?前まで『俺は働かなくてもいいの!』って言ってませんでした?」
「あれは嘘デス…結構生活カツカツです……」
ニタニタと怪しい笑顔を見せながら「ならいい仕事があるんすけど……」と言われた。