第二の町の攻防
王都までの道のりである一つ目の町、東の町で
野営を行い無事に通過、そんな中あれが到着した。
そして今は王都までの道のり二つ目の町で
要所である砦を攻略中だ。
何というか、南の国の方々は自由気ままだな
砦の攻防戦だから籠城されるかと思いきや
1500の兵が砦の前で横陣を敷いている。
『パパティさんの情報では敵の兵数は
2500だったな?』
セバスが答える
「はっ、その様に聞き及んでいますぞ」
『で?砦の攻防戦で半数以上が討って出ている
その訳は?』
「流石にそこまでは」
セバスはしょんぼりと答える
『こちらを舐めてるのか、どうなのか。
トリストラ!』
トリストラが敬礼し
「はっ。」
『俺からは細々指示は出さない、お前のやり方で
敵を殲滅しろ、あれのタイミングもお前に
任せる。砦を取るまでが任務だ』
トリストラは深々と礼をして
「承知しました。必ずや砦を奪取致しましょう。」
トリストラの軍の運用か、どんな感じなんだろ
サラもかなり推してたし問題無いと思うけど
トリストラは敵横陣1500に対して
500の縦陣を張った、左右後方にそれぞれ500
残りの1500は後方待機とした。
相手が開戦のドラを鳴らして来た為
こちらもパパティさんがドラを鳴らして
戦場が一気に動いた。
敵横陣はやはりそのままこちらに向かってきた
一方トリストラも縦陣500、トリストラを先頭に
敵陣に突っ込んで行った。
『セバス、トリストラはかなり強いよな』
「はっ、サラと互角程度かと」
『サラよりも強いんじゃ無いか?』
「まあ、あれを見ればそうなるかもしれません」
縦陣500がトリストラを先頭に瞬く間に
横陣を割いた。トリストラは反転し今度は右を
後方から叩きのめす。そのスピード、範囲が
尋常じゃないのだ。
『自身は剣聖持ちで、軍隊指揮のスキルが
あるからな、個人でも強いのに、軍自体も
強いとか、反則だろあれ。』
セバスはにっこりしながら
「味方で良かったですな、まあ、私は
その組み合わせのスキル以上の方を
知っていますが?」
そんな会話をしていたら
敵の右がトリストラの後方500とトリストラの500に
挟撃され消滅していた。
左はトリストラの後方が敵の攻撃をいなしながら
耐えている。
そこへ横っ腹からトリストラ本隊、右と合流した
1000が突っ込んできた。
それを合図に左後方の500も攻勢に転じ、一気に
片を付けた。
ドラがなって30分の出来事だった。
そしてトリストラが右手を挙げるとあれが
その姿を戦場に表した。
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「な、、、なんだよこれは!」
あれ、それは遠距離攻撃に特化した投石器
木製ではなく、金属製の躯体に
スマートな構造をしている為、投石器か
瞬間わからないと思う。
『これは遠距離攻撃用の投石器です。
射程距離は500m、結構遠くから
敵の城なんかを破壊する兵器ですね』
パパティさんは目を輝かせて
「投石器は見たことがあるけど、全然形が違う
しかも木製出なくて、金属製とは
こんなの使われたら、ひとたまりもないよ」
『これを10機用意しました。』
パパティさんは顎が外れるんじゃないかくらい
口を大きく開けてあんぐりしている。
「ビクトル様!」
『ん?』
「ランス近衛隊遠距離攻撃部隊のパットです
攻城兵器10機の運搬およびこのまま
従軍し敵拠点を陥落させる様命を受けて
参りました。」
『おう、お疲れさん。明日か明後日には
出番があると思うから、移動して来て
早々だけど頼むな。』
「はっ!」
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投石器が目標物から350mの位置に
横一列に配置され、トリストラが腕下に振った瞬間
ファイアが装填された鉄球が打ち上げられた
ダイガンなどと違って、火薬を使用していないので
バネ力や魔法の力を借りて飛ばしており弾速が遅い。
その為かなり放物線を描いて球が飛んでいる。
しかし何も遮るものがない為、砦には着弾
落下のエネルギーも加わった炎の鉄球は
砦を散々に蹂躙し、敵将はなすすべなく
投降したのだった。
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私の名はケオケオ、パパティの村からみると
南東に位置する町の町長だ
パパティのやつ、今頃になって王都を目指すとは
何か良い話でもあったのか?
まあ奴の兵力なんて500が良いとこだ王都に
行く前にここで潰してやる。
「敵はパパティ軍だ!そう数もいない!
籠城などみっともない事せず
前線に繰り出せ!」
俺が檄を飛ばすと歓声があがり、皆砦の前に
いつもの様に陣を敷く。
「来たぞ!」
何だか敵の兵力が多いな、1500はいるか?
そうかパパティめ、どこかから援助を貰って
良い気になっていやがるな。
ねじ伏せてやる。
「皆の者!敵は情報よりも多いが大した事はない
我々の力を見せつけてやれ!」
そう言ってドラを鳴らした。
パパティ側もドラを鳴らしてきた。
兵の運用は将に任せ、私は砦の中から戦況を
観察する。
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私はケオケオ軍の将だ
夢でも見ているのか?何だあの化け物は
一振りの攻撃が片手では数えきれない
同志を地に伏せていく、そして軍の力も
圧倒的だ、隙がない。
せめて左右でもと思い、そのまま前進させるが
あっという間に白兵戦はこちらの敗北で
幕を閉じた。この現実を受け止められず
呆然としていると。
「将軍!」
伝令がやって来て
「砦のあちこちが攻撃を受けています!
破損箇所多数!火の手も上がっています!」
「消火作業を急がせろ!」
その時私の目の前に大きな炎を纏った球が
落下して来た。それはそのまま砦を破壊し
炎を舞い上がらせた。
「こんなの勝てっこない!白旗を上げろ!」
私は後世に愚将として名を残すだろう。
戦闘開始1時間もせずに白旗を上げているのだ
しかし勝ち筋も何も全く見出せない
イタズラに被害を大きくするならさっさと
敗北を認めた方が良い。




