商会を使って隣領へ
豊作を迎えて、領内がお祭り騒ぎになってから
1ヶ月が過ぎた頃。
『機は熟した。サーダよ、マクスウェル領初の
商会として外でも儲けて来い!』
「はっ!サーダ商会!必ずや期待に応えて
見せますぞ!」
サーダ商会には、いくつかの指令を出している。
一つ目は領地の外での収益を上げて、領内を潤すこと。
二つ目に隣領の状況を把握してくること。
三つ目に移住希望者が居れば連れ帰ること。
他にも細々したことがあるが、大筋はこんな所。
特に三つ目の移住希望者については、頑張って欲しい
領内は繁栄の兆しが少しだが見え始めた。
しかし人口の爆発的増加は見込めない、外部の力に頼る
しかないのだ。
『サーダ、頼んだぞ』
そう言って送り出すと、サーダと商会の面々は
マクスウェル領の特産品や食料を持って
行商に出て行った。今回はとりあえず東に隣接する
二つの領地、ネクストア領とキンポ領だ
領地がある事は知っているが、内情がどんな
領地なのか、まるで知らない。
サーダが頼みの綱だ。
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少し時間は進んで、サーダ商会一行
「もう少しで、ネクストア領に入るな。」
行商の隊列がマクスウェル領を出てネクストア領に
入った。
「うちの領地もそうだが、関所や何かが無いと
出たり入ったりし放題だな。」
早速サーダはメモを取る
その日は夕方に一つの村を見つけて、そこで
宿を取ることにした。
「これは・・・」
村を見回すが、かなりひどい状況だ
マクスウェル領が領主交代の際もかなりひどい
状況だったが、それよりもひどい。
辛うじて宿があるのが奇跡的だ
「ビクトル様のおかけで、衛生という概念が
行き渡って忘れていたが、昔は私たちも
こんな感じでしたね。」
小さな村だが、匂いが結構する
村中がかなり汚いのだ、恐らく貧困している
だろう村の財政は、家の補修などは行えず
ボロボロのまま。
とはいえ、商売にやってきたのだから、店を出さない
訳にはいかないので、広場で店を出した。
結論から言おう
人が殺到して、酷い目にあった。
村人自体、実はそれなりに金は持っているようで
買い物はどんどんしていった。
聞くところによると、ネクストア領主は
税金を作物で収めるようにしているらしい。
食べ物がなくなって、金はあるが飢える状態。
逆にマクスウェル領の事を色々聞かれて
素直に答えると、売られているものの品質や
量をみて、本当だと悟ったのだろう。
早速移住希望者が20名ほど見つかった。
その後も数日かけてネクストア領内を回った。
商品が不足するたびに移住希望者と共に
商会の人間をマクスウェル領へ返し、商品の補充を
させ、届いた商品を売る。
そしてここが重要でビクトル様から
『絶対に領都では売るな』
と厳命されているので、周囲の村を回った。
売り上げは計画の5倍、移住希望者は100名に
登った。
このあとキンポ領にも赴いたが一緒であり
最終的に売り上げは計画の5倍
移住希望者は400人にも登った。




