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領都の様子を見に行った

セバスの話を聞いた俺は翌日、領都へ降りてみた。

聞いていたがまさかここまでひどいとは思わなかった。


まず衛生の観点から言うともの凄く匂う、この世界ではこれが普通なのか

この領地がひどすぎるのかはわからないが、一番最初に感じたのは悪臭。


そして次に栄養、これもある程度予想はしていたが

領民が皆痩せこけており、顔色も悪い。搾取されてほとんど食べていないのだろう

領民が歩いている所を見るとまるでゾンビの行進のようだ。


次に気になったのは家だ、これもセバスに聞いていた物よりひどい様に感じる

崩れてしまいそうなのでは無く、崩れているのだ。

人によってはテント暮らしの様な者までいる。


そもそも領民は今何をして生計を立てているのだろうか?

もしかして全く経済が回っていないのでは無いだろうか?


____________________________



一旦屋敷に戻ることにした。


『おい、セバス。』


「はい?」


『領都の状況だが、聞いたよりもよっぽどひどかったぞ?』


「さようでございますか・・・。」


『そこでだ、今この屋敷に財はどれほどある?父がすべて持って行ったのか?』


「・・・・坊ちゃまの蓄財された分しかありません。」


『そうか、じゃあ俺の金を使って炊き出しをやろう。何をするにも

 腹が減ってはなさぬだぞ。』


セバスは目を見開いて


「は!すぐに準備いたします!」



_____________________________


領都の広場、領都の人口は約400人で炊き出しをやると

お触れを出したら、ほとんどすべての領民がやってきた。


「領主が変わったのか・・・。」

「腹が減って死にそうだ・・・早く何でもいいからくれ。」

「子供がおなかを空かせているんです、食べ物を恵んでください。」


俺はそんな領民の前に立ち宣言する。

『新しく領主となったビクトル=マクスウェルだ!

 まず皆には炊き出しをおこない、鋭気を養ってもらいたい!

 一つお願いだが食事を終えたら、元農民は私の元へ集まって欲しい!』


炊き出しを開始すると意外に皆順番待ちをして並んで待っている。

今は俺も対した物を準備出来ないが、それでも領民は涙を流して喜んだ。


一通り行き渡り食事が終わった頃に100人ほどの人間が

俺の周囲に集まった。


『みんなは元農民か?』


「はい、いずれも農民です。今は畑も荒れに荒れて私どもも困っております。」

白髪の老人が俺の質問に受け答えしてくれた。


『あなたは?』


「私は畑の管理をしておりました、ジルと言います。」


『ではジル、今から皆で畑に行かないか?』


ジルは驚いた顔をして

「領主様が畑を見に来るなんて、汚い場所ですぞ?」


『何が汚い物か、俺は行くと言ったら行くのだ』


ジルは微笑み

「わかりました、皆、畑に行くぞ」

俺を含めて100名が畑を目指し移動を開始した。


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