西の村の視察
東の村を訪れてから三日後、西の村に来ている。
状況から言うと、東の村よりは全然良い
ここは海があるため、農業が衰退してても
漁業で食料事情を賄える。
グスが漁船を売り払って逃げてしまった事もあり
今までのようにはいかないが、皆釣竿を持って
海岸から魚を釣っている。
セバスと村中を視察し、鑑定をかけていく。
大凡が漁師のスキル持ち、たまに船大工のスキル持ちが
いるが、船大工も今は釣竿を握っている。
大体村の視察を終えたら、いつもの様に村長を
呼び出して、話を聞く。
「西の村へようこそ来ていただきました。
村長のカイと申します。」
カイはまだ若いようで、見た目30歳前後といった所か
『早速だが、船について教えてくれ。』
「船でございますか?」
『そうだ、まずグスのおかげで船が一隻も残っていない
のは聞いている、ではそれを作ることは可能か?』
「はい、まずご存じの通り船は一隻も残っておりません
船は現段階では作れません。」
『なぜだ?』
「木材が足りないのです、あとは木材加工を行える
人間です、小さな船であれば、海岸で作ることも
可能ですが、大きな船はドッグも必要になります。」
『そうか、木材と加工者がいないんだな。
そこは何とかしよう。』
「ありがたき幸せにございます、ビクトル様」
『なんだ?』
「船を作る際には港が必要となります、今は桟橋でも
良いですが、港の建造も後々計画していただけると
海側は、勝手に発展できるかと思います。」
『灯台なんかも必要そうだな』
「とうだい?でございますか?」
カイは初めて聞くような声と表情でこちらを見た。
この感じは灯台を知らないようだな。
『あー、忘れてくれ、こちらの話だ。』
「はっ」
『お前は、船の建造について詳しいか?』
「いえ、詳細な所までは」
『では、船大工を呼んでくれ』
「かしこまりました。」
カイは船大工を呼びに外に出ていった。
『セバス』
「はっ!」
『刺身を知っているか?』
セバスは何言ってんだ?こいつみたいな顔で
「さしみ?でございますか?存知あげません。」
『魚はどのようにして食べるのだ?』
「このように海の近くですと、焼き魚がほとんどで
内陸になると干物がほとんどです。」
『そうか、わかった。』
丁度会話の途切れ目でカイが船大工を連れてきた。
『お前が船大工か?』
カイに連れてこられた男は頭を下げて
「はい、船大工のフーダと申します。」
『フーダ、船の構造について詳しく教えろ』
そこからは俺の知識とこの世界、領地の船の構造を
一致させていく作業となった。
まずこの世界の船は帆船、これは想像通りだ
しかし帆船と言っても、西洋で乗られていたような
カッコいい船ではなく。イカダを少しマシにした程度
後々手を入れて行きたいが、まずは今までの船を
作って漁師に海へ出てもらう事にしよう。




