領都で鑑定してみた
翌日、俺は領都に降りて、早速鑑定を使ってみた。
『こう見ると、結構スキルを活かす職業に就いてはいるな』
もっとこう、なんか勿体ない感じを想像していたが
存外皆、スキルに合った職業で生活していた。
『特に欲しいのは、やっぱ経理みたいなスキルがあると
いいな、財政の立て直しもしたいからな、急務だろ』
経理的といえば商売人だよなぁ。
という事で、歩いている人を片っ端から鑑定し続け
市場にたどり着いた。
わかっていた事だが、活気がない。
『しょうがないか、店を回りながら鑑定してよう』
数件回るが、なかなか経理的なスキルがある人がいない。
困っていると
「(きゃーーー!泥棒ーー!)」
何事だ!?と振り向くと倒れた女性と走り去る男の姿が
『待て!!』
そのあとをすかさず追いかけ、捕まえた。
「離せコラァ!誰だてめえわ!」
『貴様のような下賎に名乗る名はない!』
後からトタトタと女性が走ってきて、お礼を言ってきたので
取られたと思われる、荷物を渡す
『中身に問題はないか?』
「はい、大丈夫です。ありがとうございました。」
そう言って女性は去っていった。
しかし、警らは何をしているのだ?まだ到着せんのか?
『おい、そこの君、警らはまだか?』
野次馬の一人に声をかけると
「警らは動きが遅いよ、犯罪し放題だよ。」
『なぜだ?』
「最近領主がかわって、領都の清掃、清潔政策を
出したんだけど、なかなか街の人に浸透しなくてね
警らはそっちの対応で手一杯みたいだよ」
もう少ししたら来ると思う、との事だったので
暇つぶしに犯人を鑑定してみた。
すると犯人のスキルは
名前:ローカ=トタッケ
スキル:計算、暗算、計画
『おい、おまえ。』
ローカは睨みつけ
「あん!?離せよ!」
『何でこんな事してるんだ?素晴らしいスキル持ちなのに』
「何で、てめえが俺のスキルを知ってんだよ!?」
『さあな、わかるものはわかる』
ローカは少し躊躇ったが
「前領主に雇われてたんだ、下っ端の下っ端だったがな
だけど、あの野郎!帳簿に間違えがあるって指摘したら
俺がやったとなすりつけて来やがった。ぜってえ
許せねぇ」
マジか、親父、こんなスキル持ちを放逐するなんて、
本当にあれだな。
『おまえ、名は?』
「ローカ」
『そうか、ローカ。おまえを雇い上げる。担当は経理だ』
ローカは変な顔をしてこちらを睨んできた。
「何訳わかんねぇ事言ってんだ?雇う?おまえ何様って
まさか!?」
こいつ、色々状況把握する力もあるわけだ、親父ほんと
バカだなぁ。良い人材じゃないか。
『今日この後から、領主の館で働いて貰う。
勿論今の強盗未遂の罪を償う奉仕活動だ、刑期は
そうだな、二週間だ。』
ローカは俯いたまま
「わかった、が、荷物なんて無いし、家もない。
このまま館にいける。」
『よし!じゃあ行くぞ!』
歩き出すと、ローカは黙ってついて来た。
良い人材を確保出来た。まだまだ領地の中にも埋もれた
スキルがあるかもしれないな。今度確認しに行くか。
明日は農地の確認に行く日か。




