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灰色大戦  作者: 灰色のネズミ
第一章 炎路のラスボス
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黒染めの暴波

「速いな、けどなんか、吹っ切れてないな」


「はあはあ……クソが!」


「なんか足りない、なんか、なんなんだろ」



 幾度となく飛び交い交差し攻め合った二人は、島の体力が無くなった頃に終わった。

 タールは平然としている。そしてタールは終わらせるため、島の顔面に蹴りを突き刺した。

 意識が吹っ飛ぶ島。倒れて、力無く崩れ落ちる。



「分析力は誉められるが、お前多分、魔界や魔王に恨みがあるタイプか。けどどこか迷いがある。激しい性格の中に優柔不断な部分が見えた。島、お前、もうちょっとゆっくり考えた方がいいと思う」



 タールは倒れた島から目を離して、立ち去ろうとした。

 だがタールの後ろで、島はゆらりと立ち上がった。その顔は、なんと真っ黒に染まっていた。



「———ッ! な、なんだ、これ!」



 タールは島の変化に驚愕した。何が起きているのかさっぱりわからなかった。



「な、何だあれ⁉︎」



 丘の公園に来ていた利用客も、それを見て驚く。

 黒。暴走。

 景色が揺らぎ、島は理性を取り外し襲いくる。

 その島の体を覆う景色の揺らぎを見てタールは気づいた。



「……お前、の、ヒーロー能力! 速さじゃなくて、“音”なのか? いやもっと純粋な———」



 島の拳がタールの顔面に突き刺さった瞬間、“振動”がタールの体を駆け巡った。それは体を麻痺させた。そこへ島のラッシュパンチが叩き込まれる。

 頭、喉、肩、腕、肘、胸、腹、鼠蹊部、腿、膝とあらゆる箇所に打ち込まれる。



執魔破(しゅーまっは)!!!」



 最後に“振動”が島の拳を揺らし、狙いが乱れるが、ちょうど腕がまっすぐになった瞬間にタールの顔面に叩き込んだ。

 振動はタールの頭を貫き、地面に輪っかの紋様を刻み、タールの意識ごと引き裂いた。

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