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灰色大戦  作者: 灰色のネズミ
第一章 炎路のラスボス
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島VSタール

 真田は気落ちして、そもそも入学式挨拶があるためついて来なかった。

 そうして赤校と密接して東側に建っている炎路の高校、緑高校の前を通り過ぎて、タールは街の東南にある丘に連れて行かれた。公園のようで、しかし朝っぱらだからか人も少ない。

 そして公園の目玉、真ん中で突出した丘は木々草花が生え、灰色の子と青髪の少年を迎え入れた。



「ここは元々、街ができる前に戦地として存在したこの地で自然が残った場所。あのでっかい湖の水の影響でこの街は自然が色濃く残っている」


「お、朝起きる時いつも見る湖だな」


「……もしかしてお前、湖の淵にある車庫群のどこかにいたのか?」


「そーいや炎路も一ヶ月探したって言ってたな。一番大きなのがオレんち。ま、本当は屋敷があるけど遠いし」


「チッ、その辺は探してなかったな」


「え? でもオレ、街中んにも服屋に通ってたけどな。運悪く会わなかったか、というかさ———」



 丘の頂上にたどり着き、話していた途中にタールは島の顔を凝視する。



「———どっかで会ったよな、お前」


「あ? 会ってたら入学式前に学校前で待ち伏せなんてするわけねーだろ」


「それもそうか。でもどっかで見たことある顔なんだよな」


「じゃ、そのもやもやを抱えたまま死國に行っちまえ、ボケ魔王!」



 ドンッ!と島は超高速の超突進で、踏み込みも強く、タールに迫る。

 さっきからスッゴイ恨まれてるな、とタールは思いつつ、突っ込んで来た島のパンチを、裏拳で弾く。突き出した拳の勢いのまま島はタールに体をぶつけてしまう。

 タールは島の体を捕まえて突進の勢いをそのままに、腰を反らし、投げっぱなし後ろ反り落としでぶん投げた。



「反応速度は高いか」



 投げられた島は、手で地面に着地し軽快に体勢を立て直した。そしてさらに投げから体を起こしたタールの背中目掛け、今度は飛び蹴り。

 タールは、速いな、と言う感想を持った。そして躱すことなく背中で受けた。赤校制服のハートマークに島の靴が当たる。

 背中を蹴られても体勢を崩すことなく、逆に背中に手を回して足を掴み、前に投げた。

 だが投げられても島は軽快に体勢を立て直す。



「その細さで足腰も強いと……ふぅん……そうか、そういや魔王の研究でとある説が提唱されていたが……試してみるか」



 また突進するが、タールの目の前で止まり真上にジャンプした。何かの能力を使ったようで、ジャンプした高さはタール三人分。



「(さあ、一緒に跳んでくるか……?)」


「?」



 タールは島が何かを狙っている事を察したが、落ちてくるところで拳を大きく体の後ろに引いて待ち構える。

 島は舌打ちすると、落下地点で張り上げられた拳を足で乗るように受け止め、空中で宙返りした後、タールから大きく離れた位置に着地した。



「なら、これはどうだ」



 また何かを試そうと言うのか、今度は猛スピードでタールのいる位置の周りを走り回る。

 かなりのスピードだが、完全にタールは目で追えている。



「追える、が、追う必要はないか」



 島は同じ場所を走っている。島に当たるタイミングを測る必要はなく、適当にその島が通る道筋に体を入れる。

 それだけで猛スピードで動く島はそれを見て動きを乱す。そこへ拾った石を投げつける。島は石に当たらないようにするため、無理矢理動きを止められてしまった。



「チッ、あまりにも動かねーな。お前の足腰を試してみたかったが」


「ん、なら見せよーか?」



 その言葉が島に完全に届く前に、タールは島の目の前、至近距離まで来ていた。そこから島の真似をするように、真上にジャンプした。その高さはタール五人分。

 さらに空中で縦回転して、島目掛けて落ちてくる。躱す為に島は大きくその場から離れる。かかと落としを狙っていたタールは諦めて普通に着地。



「チッ!」


「には。速さ勝負と読み合い勝負、どっちで決着付けたい?」



 タールと島は同時に高速で動き出す。丘の上で二人の姿が点滅して見える。飛び交い、互いに躱し、超高速のせめぎ合いは丘の上に嵐を起こす。

 公園に来ていた利用客はその光景を見て、こう感想を抱いた。



「なんか低レベルだな、この街基準だと」

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