第一話 冗談が通じない
異世界もの初作品です。
少し異色かもしれませんがのんびり付き合っていただければと思います。
それでは皆様へいつもとは違う異世界物語へご招待。ごゆるりと気長にお付き合いください。よろしくお願いいたします。
「なんか俺のレベルさがり続けてるんですけど!!!」
今俺は森の中で獣と戦っていた。えっ。どうしてそうなっているかって?仕方ない、話してあげよう何故こうなっているのかを。
――――それは数か月前――――――――――――――――――――――――
あけましておめでとう。俺の名前は上村勝利。大層な名前をしていると思われがちだが一般人だ。むしろ普通過ぎて面白味もない。影が薄いともいう。
肌寒い1月1日。今は神社へ新年のお参りに来ているところだ。本当は来たくなかったが、家族が行きたいというから仕方ないだろう。俺はもうすでに働いている。三十路近い大人であるが、実家からの方が通いやすくて楽だから実家から通っている。もちろん生活費も入れている。忘れるはずがない。
列がどんどん進んでいく。両親と来ているが、両親が初詣に行きたいと毎年言い出す。そのため運転手として駆り出されたのだ。
もう3日後には仕事が始まる。仕事したくないな、楽になりたいなと思いながら進んでいく。そして一歩進んだところで急に目の前が真っ暗になった。意識ははっきりしている。だからこそ何があったのか疑問に思う。そう思っていると、目の前が光に包まれ辺りが見え始めた。
「うおっ」
急に目の前に一人の老人が現れる。
「ほっほっほ。おぬしの願いを叶えて楽にしてやったぞ」
話が見えずに呆然とする。
その様子を見ていた老人が話始める。
「おぬしが仕事をしたくないから楽になりたいとお願いしたから殺したのじゃ」
意味が分からない。何故急にそんな話になったのか。
「説明した方がよいのかな?まずは、わしは神じゃ。行いの良い者の願いを叶えておるところじゃった。そしておぬしは仕事をしたくなくて楽になりたいとのことで苦しまずに楽にしてやったのじゃ」
「ふざけんなじじぃ!誰が殺してくれと頼んだ!俺は楽になりたいって言ったんだ」
「だから楽にしてやったんじゃろ」
「休みをもらいたいとか、少しの休日が欲しいって意味だよ!」
このふざけたじじぃぶん殴ってやろうか。冗談はいいからここから帰してほしい。夢なら覚めてほしい。
「夢じゃないぞここは。しかしそうか。わしの勘違いじゃったか」
勘違いじゃったかじゃないだろ。というより心を読めるのか。俺の人生そんな簡単に終わらせたこのじじぃを今すぐ殺してやりたい。
「わしはじじぃじゃなくてゼウスって名前があるんじゃが。そこはいいじゃろ。困ったの。一度叶えた願いは変更がきかんのじゃ」
夢じゃないならこれからどうしろと。俺はこれからどうなるんだよ。
「しょうがない!わしのミスじゃ。本来はこのまま黄泉の国へ向かってもらうところじゃが、今回は出血大サービスで異世界へ送ってやろう。もちろんチート能力もつけてやろう。レベルに上限がなくなるぞ。そしてほかの人よりちと強くしてやろう。そして機会があったらおぬしが死んだときの様子やその後の家族を見せてやろう」
行ってらっしゃいと笑顔で手を振ってくる。なんの案内もなく急に目の前が真っ暗になり目が覚めると辺り一面緑の森の中にいた。やりやがったあのじじぃ。結局何もわからず異世界とやらへ送りやがった。何もわからず、無人島に連れてこられた気分だ。これからそうすればいいのか考えることにする。いつか出会ったら絶対にぶん殴ると誓いながら状況を整理すことにした。
序盤はありがちなふざけた神様展開でしたね。次回から本題に入ります。少しづつ変化がみられる様子をお楽しみください。しかし、連載頻度は低いです。仕事が忙しいのでね。皆様暇つぶし程度にお付き合いください。