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とらぶる8...お買い物へ逝こう

 花園 香織。性別、女。性格、短気。

 黒絹のように綺麗な髪を面倒くさそうにハサミで切ってほったらかしている。それは丁度耳を隠すぐらいのショートカットになっており、これがまた変に似合っているんだよなぁ。

 冬という季節故、厚着をしている。どこにでも売ってるようなロゴ入りの長袖になんというか……探偵が切るような茶色いコート。


 三日月 音々。性別、女。性格、無口。ってかこれ性格なのか?

 ネオンちゃんも香織と同じくショートカットだが、こっちの方は綺麗に切りそろえてあり、これまた変に似合っていた。

 ネオンちゃんは控えめ(?)で、真っ白な長袖の上に真っ白で地味なダッフルコートをまとい、そうしてフードをかぶっていた。

 ……可愛いのに。もうちょっとおしゃれに目覚めてほしいものだ。まぁ、前よりはマシになったが……。以前は真っ黒だったもんな。


 花園 理恵。性別、女。性格、陽気。もしくはのんき。もしくは能天気。……さりげなく酷い性格ばかりだな……。

 こちらは腰辺りまで伸ばしている長い髪をお持ちである。見た目は凄く律儀な人って感じで、その感じがお姉さんという感じを引き出してるというような……。

 眼鏡が似合いそう。……さぁ、次に服装の説明にいこうか。

 可愛らしいうさぎがプリントされているTシャツに赤い革ジャン。一見、とてもラフな格好だ。しかし、それが慣れているためか、よく似合っていると思う。


 海 姫菜。性別、女。性格、素直。……多分。

 長い髪を青いリボンでポニーテールにしている。うむ。やっぱり可愛い。

 そして、その可愛さに比例するように服装もいけている。真っ白なフェイクファーコートを着ており、いやぁ、もこもことして可愛らしい。


 そして俺。性別、男。性格、不明。正直、自分で自分のコト勇敢とか穏やかとかなんかかっこいいこといってたりしたらナルシストっぽから不明で。

 容姿はどうでもいいだろ。男の服装なんて聞いても喜びそうもねぇし。まぁ、俺が超がつくほどのスターだったら聞く価値はあるかもしれないけど。


「なーにジッと見てんのよ。しかもそんなまるで死んだ魚みたいな目で見ないでよね。気持ち悪い」

 死んだ魚の目。

 それはあんまりだろう。

 一睡もしなかったんだから……。

「いやぁ、悪いねぇむーちゃん。酔っちゃってさ、むーちゃんのコト“忘れて”ついうっかりむーちゃんの布団で寝ちゃったんだよ」

 忘れて……。


 あんたら、俺のコトをなんだと思っているんだ!? そこら辺に落ちてる石っころ程度にしか思ってねぇんだろ!

「うわー。美人な人ばっかりですねー。お空の兄ちゃん、はたから見たらとても羨ましがられると思いますよー」

 目をキラキラと光らせて言う姫菜ちゃん。

 ッハ。確かにはたから見りゃ羨ましいだろうよ。だが、俺は学んだ。美人=優しい人という式は間違いだと。可愛い娘とつるむの=幸せというのは間違いだと!

 適当に大学いって適当に就職して適当に結婚してそれなりに幸せな家庭を築けたらいいなぁ、と俺はそんな高望みしなかった。それなのに……。

 人生は皆平等って聞いたことあるけど、嘘だよ、それ。

「どうしたんですか? そんな疲れた顔して。これからが楽しいショッピングなんですよ?」

「姫ちゃん。君は彼女らのショッピングを知らないからそんなことが言えるのさ。楽しい? それは違う。地獄だよ」


 そう。あれから一夜明けて俺達は京都でショッピングをすることになった。どうやら、すでにプログラムは組まれているらしい。

 今日はショッピング。

 明日は観光。

 明後日は遊園地で思い切り遊ぶ。

 ……全部、疲れるものばかりだ……。

 特に最終日。ジェットコースター、バンジージャンプ……兎に角、精神的にくるものばかりに乗せられるに違いない。


「本当にいいんですか? 妹も連れていってもらって……」

 輝さんが申し訳なさそうに尋ねる。今日、輝さんは少し用事があり、家にいならしい。

 ご家族の方も全員用事で、家には必然的に姫菜ちゃん一人になってしまうということだった。

 俺が昨日……いや今日、ロビーをうろうろとしていたらたまたま輝さんと出会い、その話を聞いてそれなら一緒にどうですかと誘って今に至る。

「無論です。人数は多い方が楽しいですし。ね、理恵姉ちゃん、ネオン」

「そうさっ。人数は多い方がいいよ」

「…………うん」

 尋ねる花園。それに二人は同意する。


「誘ってくれてありがとうございます、お空のお兄ちゃん」

 明るい笑顔が俺を照らす。感謝の言葉に心が揺れる。

 ああ。これが優しさ。

「こいつにお礼は言わないでね、姫ちゃん。すぐに調子にのるから」

「分かりましたー」

 納得するな。

「ありがとうございます。本を立ち読みして泣いてしまうような妹ですが、よろしくお願いします」

 買えよ。


「あー、あるある。ホントに感動するした本って立ち読みしながら泣いちゃうよね。私もしたことあるさっ」

「ですよねー。“スイッチを押すとき”なんて姫ちゃん、もう号泣しちゃいましたよ。本を濡らしちゃって大変でした」

 だから買えって。

 そうして、本屋の立ち読みで話が盛り上がっている途中で花園が言った。

「そろそろ行かなくちゃ。最初に行くとこ、後十分で開店しちゃう」

 輝さんが薄い笑みを浮かべて、皆にそろそろ行くように促した。

「開店まであと十分だそうですよ。早くいかないと」

「輝さんの言う通りさっ。早く行こうよ」

 理恵さんが満面の笑みを浮かべて皆を誘う。

 それでようやく皆は歩みを進めた。だけど、俺は足を止めたままだった。

 俺は輝さんを見つめる。

「どうかしたの? 皆行っちゃうよ?」

「いえ……。輝さん、寂しそうにしてたので。……一緒に行きたいのかなぁって。それだけです。それじゃあ」

 まぁ、一緒に行きたいと思うだろうな。はたから見れば。

 輝さんに軽く頭を下げ、俺は駆け足で花園達を追いかけた。

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