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とらぶる1…ここはどこ? なんでしばれて?

どうも、グレイシャです。


非常に困ったことに、父のメインサーバーに私のパソコンが接続不能になっておりますorz

なので以前別の掲示板にて書いていた作品を修正、加筆して書いていこうと思います。


繋がれた手を読んでくださっている方々には本当に申し訳ないですorz

サーバーにつながり次第、すぐに執筆を再開しようと思いますので今はこの作品を楽しんでもらえれば幸いです。

 相対性理論。

 理科や数学は嫌いな訳じゃないが、俺はこれについてそう詳しい訳じゃない。

 “アルベルト・アインシュタインの創始した理論で、一九〇五年に発表された特殊相対性理論と、一九〇六年に発表された一般相対性理論との総称である。前者は互いに、つまり相対的に等速運動する座標系の間では物理学の法則が不変な形を保つという原理にもとづくものであり、後者は前者に互いに速度を上げたり下げたりする加速運動や重力をも取り入れて一般化した理論である。単に相対論(relativity)ともいわれる。”

 基本の知識。これだけは知っているが……。

 大体、あるかも解らない訳で、そんな不確定要素が多い理論を信じろと言われても困る。俺は信じてない訳でもないが、信じてる訳でもない。実証されたら『あぁー。本当にあったんだー』ぐらいで終わると思う。いや、確実にその程度で終わるな。

 しかし、そんなくだらん(実際には物凄く凄い理論なんだろうけど)ことを実証するような暇があるんだったらまず地球温暖化をどうにかしてほしいね。クーラーのない俺の家は夏になったら生き地獄と化する。実際問題、南極やら北極やらエレベストやらの氷河が溶け始めているじゃないか。今沈んでいる国だってあるのに……。

 まぁ、普段俺はこんな真面目に考えている訳じゃない。道を走っている車を見ても何とも思わないし、誰かが頑張って相対性理論を実証しようとしても頑張れとしか思わないしね。


 ところで君。一つ質問だが、“寝ていて起きたら何かキツい体制で狭い箱に入っていた”という経験をしたことがあるかい?

 俺? 俺はあるよ。なんつったって、今まさにその体験をしているからね。

「いいネオン。だからこの理論さえ解明されれば車だって空飛べるようになるかもしれないのよ。そんな偉大な理論を実証する人物がこんなに近くにいるのに、“コイツ”は何とも思ってないのよ! 大問題よ大問題! 地球温暖化が進んで全ての氷河が解けて地球の海と陸地の比率が九対一になるぐらい大問題よ!!」

「…………」

 …………。

 何を誰に熱弁しているんだ? この状況から察するに、“アイツ”に巻き込まれた人間がもう一人いるのか。ご愁傷様。

 まぁいい。さて、俺は今こうなっているが、どうしてこんなコトになっているかを思い出すとしようか。

 確か、俺は時空と連絡を取っていて…………


   * * *


『僕の家で?』

「うん。俺ん家寒くて寒くて仕様がないんだよ。もうその寒さでネオンちゃんに抱きついて温もりを得ようかとか危険なコトを考えてしまってさ。友人にそんな変態がいたら君だって困るだろう?」

『そりゃ、困ったね。別にそんな変な言い訳しないでもいいのに。君なら本当にやりかねないから怖いよ。そんな危険なコトを、冗談でも言ってほしくないね』

 実に酷い物言いだ。俺はそんな変態じゃないぞ。まぁ、寒さで脳がやられて気がおかしくなったらやりかねないかもしれないが……。

『さて。それじゃあいつから僕の家に?』

「信じてたよ親友。心の友よ。んじゃ早速今から────」


 コンコン。


「…………」

 ノックの音に、俺は黙り込む。何故なら、それは“奴”が来たのかどうかを調べるためだ。

 もしも“奴”だった場合、あと五秒もすれば俺の家のドアをぶち壊そうとヒャクレツケンのスピードでノックをしてくるはずだからね。

『? どうしたのさ青空』

「いや。お客さんだよ」

 電話を耳に当てつつもドアを凝視し、そちらの方へと意識を傾ける。

 四、三、二、一────

 大丈夫か。

 俺は携帯電話を肩にかけて「今出る」と答えてからすくっと立ち上がり鍵を開けようとドアへ向かった。

「悪いね。今開けるよ」

 “アイツ”でないと思い込み、時空との通話を切らずに鍵を開ける。ガチャリとロックが解けた音がし、ドアノブに手をかけたその瞬間────

 バチンッ!

 あれ? 何この音? まるで電気が弾けたような音だけど……?

 なーんてのっそりと考えたと同時に物凄い衝撃が俺の体を駆けめぐり……そこからの記憶はない。


   * * *


 ……オイオイオイオイオイオイオイオイ。肝心な記憶が抜けてるじゃないか。俺の記憶力は鶏並みだと言われたことはあるが、否定しちまったぞ。今更訂正すんのはいやだぜ?

 俺がどうやって言い訳しようかと考えていたとき、花園以外の人物の声が聞こえた。

 思考を停止し、耳を済ませる。

「その大きなのには、何が入ってるの?」

 おお、その声は……ネオンちゃんじゃないか。君か、君なのか。よかったよ。俺を孤独にしないでくれるのは君だけだよネオンちゃん。

 一応、大体の状況は飲み込めてきたぞ。現在、俺はどうやら旅行とかに使う大きな荷物入れに入れられているらしい。予想だけどね。で、俺の体は何とガムテープで両手両足を縛り上げ、オマケに口、さらには目の部分にもガムテープが貼られているではないか。耳が塞がれなかったのが唯一の救いだぜ。

 そして、この“ガタン、ガタン”という音から電車やら新幹線やらに乗っていることが推測される。オイ、お前料金俺の分払ってねぇだろ? 俺は犯罪者になりたくないぜ。もしバレても責任はお前のもんだからな。俺はこれっぽっちも負ってやらんぞ。

 で、外には俺の知っている人物が約二名いると思われる。まずは第二の被害者、ネオンちゃん。可哀想に。ご愁傷様。そして、俺を拘束した人間。もう誰か解っていると思うが言わせてくれ。トラブルキャッチャーこと、花園香織だ。

「ん? これ? これはお荷物よお荷物。そうね、雑用係とでも言ったら解るかしら?」

「そう」

 そう、じゃねぇよ。ネオンちゃん、もっと他に言うことあるだろ? 『毎回毎回巻き込んでいいんですか?』とか、『可哀想じゃないんですか?』とか。君は小学生の頃道徳を習っただろ?

 ここでピロリローとか何とかアナウンスを告げる音がした。ふむ、これは新幹線のようだ。後に車掌さんからの報告が入る。ッチ。こっからじゃ聞こえねぇ。車掌さん、耳が不自由な人のことをちゃんと考えようぜ。そうすりゃきっともっと客さんが入るよ。いや、入りすぎて困ってるかもしれないけどな。

「そろそろ降りるみたいよネオン。準備しなさい準備。本当なら“コレ”に持たせるとこだけど、今回ばかりは仕様がないわ。あ、それと理恵姉ちゃんも起こして」

「…………」

 暗黙の了解ってやつかネオンちゃん。てか理恵さんかよ今回の首謀者は。何回も言ったじゃないですか『コイツがおもしろそうと思うようなこと吹き込まないでください』って。

 俺がスペースのない場所で頑張って頷こうとすると楽しげな花園の声が聞こえてきた。

「さっ、ついたわよ。降りる降りる」

「んにゃ〜。張り切ってるわね、香織。私もそう張り切ってくれるなら今回の旅行を計画した甲斐があったというものだよっ。うれしい限りだ」

 悲しい限りですよ。理恵さん。

 って言うか旅行って何ですか? 俺は何も聞いてませんよ? 理恵さん?

「いざ、旅館に出発!」

「おーっ!」

「…………」

 ガクンと俺の入れ物が揺れる。かなり無理な体勢をとっているため、すべての筋肉が悲鳴をあげてつりそうになっているということをきっと彼女らは知らない。

 あぁ。これ小説とかでよくある夢オチだったらいいのになぁ……。

 そんな淡い希望から目を覚ませというように箱が大きく揺れた。全身を打ち付けられ、悲鳴じみたうなり声をあげる。

 いや、実際には悲鳴をあげたつもりだったんだけど。


 ……神様とやら。もしいるのなら、ひとつだけ願いを叶えてください。

 どうか、わたしくめに平穏な冬休みを……

相対性理論についてはウィキペディアより引用しました。

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