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一週間って長く感じるよね


 人の集中力は二時間ぐらいしか続かない、なんて言われるが大抵は二時間ももたない。ましてや帰来な事をしているときなんかはそう思う。同じ体勢で、ずっと指を動かし、



 「なぁ、テスト中に飛んでって他の人の回答を見てくれない? それが一番良いと思うんだげど」



 禁断の技を提案した。もしかしたらセラミーなら軽く二文字で「OKですよ」と言ってくれることを期待した和也だったが、セラミーは顔を横に振って言った。



 「そんなズルは認められないのですよ。学生はちゃんと勉強をして、ちゃんとした成果を得るのですよ。ズルに頼ったら一生ズルに頼ることしか出来なくなるのですよ」



 と最もらしいことを言われてしまったので、仕方なく真面目に勉強することにした和也だが、一つ気になったことがあった。



 「そういや、あんなに学校に行きたいって言ってたけど……お前、勉強できんのか」



 「何を言ってるんですか! 私は超優秀で、スーパーなエリートなのですよ!」



 「そちらはどうだが知らないが、日本にはエイプリルフールってのがあってな、それは四月の初めにあるやつなんだが、その日だけ嘘をいって良いことになっているから、そういう嘘はその日に言いなさい」



 と和也は誰にでもわかりやすいように説明をした。そのような説明と、内容を聞いて



 「そんなことは知ってるのですよ! 嘘じゃないのです!」



 とセラミーは反論した。



 「普段の行いを考えてみろ、スーパーなエリートが授業中にイタズラしたり、涎を垂らしながら寝てたりしないよ」



 「まぁそれらについては、何も言わないことにするのです」



 とセラミーは言ったが、和也は身をもって体感した。セラミー自身がエリートと言っていたことに。

 大人しく和也の勉強を見守っていたセラミーだが、間違いを発見すると、指摘し簡単な説明を教えてくれる。それはまるで家庭教師みたいだった。そこで一つの疑問が和也には出てきた。



 「妖精の学校って何を勉強してんの?」



 「まぁ、色々ですけど……なぜ急になんですか?」



 「いや、普通に問題解けてるから、何でかな~と思ったし」



 妖精の国で人間の勉強をしていたら、納得はいくが、この前のスライムの時から推測すると、科学については知識はないことになる。



 「魔法についてや、歴史、戦闘についてだったり、心理、まぁこの世界のことも多少は勉強しますし」



 「ほぉー、魔法の勉強って何すんだ?」



 和也が一番気になったのが魔法の勉強。歴史はこちらも学校で学ぶことご出来るし、戦闘だと自衛隊などが分類に入るっぽい。心理も気になるがこちらも専門学で学ぶことができるはず。だとすれば学ぶことができない魔法について聞きたくなった。



 「魔法の勉強と言われれも色々ジャンルがあるのです。簡単わけると理論、詠唱、実戦にわけられるんですよ」



 そしてそのままセラミーは話を続けた。どこからともなく眼鏡を出し、先生風を装いながらペラペラと。



 「例えば一つの魔法を取得するときには、先程の三つの過程を学ばなければならないのです。理論についてはその魔法の効果、歴史、構造などを学ぶのです。詠唱は理論を理解できた人が学ぶことができるのです」



 「つまり理論を理解できたら詠唱、詠唱を理解できたら実戦ってなるのか?」



 「そうなるのです。詠唱は魔法を発動するために必要な、言葉や場合によってはポーズなどですね。実戦は言葉と同じで、その魔法を使った訓練ですかね」



 実戦は教室ではなく、外で行うらしく、セラミーが言うにはこの前の授業を見たときに見た体育と似ていると言う。また、魔法自体で勝負をしたりするもあり、時にはクラス対抗で行われたりするらしい、要するに運動会に近いもの。

 

 内容はほとんど和也が通っている学校とは違いがあまりない。魔法が加わっても根本的の違いは聞かれなかった。



 「なんか大変そうだな」



 魔法の勉強もあれば、それ以外もある。つまりは和也の学ぶ教科に魔法という分野が追加されるのと同じ。



 「そうですよ、大変なんですよ。それに比べたら簡単なのですよ。なので、変なことを考えずにやるのです」



 渋々やる和也、教えてあげるセラミー。そんな姿が見えた。まるで家庭教師がいるような――。




 そんなこんなで和也は勉強をし、セラミーがたまに教えながら勉強を進めていった。

 ちなみに和也は真面目に勉強をする日もあれば、しない日もあるので、テストの点は素晴らしい点ではないが、あり得ないほど低いわけでもない。要するに平均点辺りで右往左往する人だと言う。

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