表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/108

96.「あの人」 に思う

♫ あ~、あの人はいまどこにぃ~ ♫


昔、年齢としの離れたきょうだいと一緒に夜のラジオ番組を聴いていた時期に、このフレーズがよくラジオから流れてきていました。

パーソナリティーは誰だったのか残念ながら覚えていないのですが、おハガキで問い合わせると「あの人は今どこにいるのか」の調査をしてくれるって番組だったように思います。よく覚えていませんですが。


そのメロディーがなんだかおとぼけで、本当はもっと切実な問題かもしれないのに、おもわずクスって笑っちゃうんです。


♫ あ~、あの人はいまどこにぃ~ チャンチャンチャン

あ~、あの人はいまどこにぃ~ あの人は今どこにいるのよぉ

あ~、あの人はいまどこにぃ~ あの人に 今 会いたいぃのよぉ ♫


ってぐあいに延々と続くのです。



そういえば、

わたしがあの人のことを話すとき、いつも 『あの人』 と言ってしまいます。

どうしてかな。

名前で言うのも何か変だし。○ちゃん、○さん、○くん、っていうのもなにかしっくりこないし、ましてや、実名でなんて書くことはできないでしょ。

だからと言って、イニシャルというのも何かしっくりこない。

あまりにも頻繁にイニシャルを使うと何かの事件簿の犯人みたいじゃないですか。


プリプリの歌に 『M』 っていうのがありますけど。

近い人間だったら、あっ、あの子のことだってすぐにわかっちゃうじゃないですか。

イニシャルを替えているだけかもしれないですけど。

ほんとは 『S』 かもしれないし、『R』 かもしれない。

そういえば、夏目漱石の 『こころ』 には 『K』 がいました。

カフカの 『城』 にも 『K』 だったか。

だったら 『K』 でもいいかな。

次回からは 『K』 と記そうかしら。

星新一や眉村卓のショートショートの登場人物であるなら、

イニシャルでもすっきりしていていいと思いますが。

イニシャルだからいいのかもしれない。

眉村卓さんは彼の書き物の中で、

「あれこれ名前を考えるのが面倒なので、『A氏』 、『B氏』、『C氏』 ・・・って順々につけている。作品ごとにチェックをしていただいたらわかっていただけるかも。」

みたいなことを書かれていたような気がします。


でもとにもかくにも、わたしの 『あの人』 はイニシャルではいけないの。

わかってしまってはダメなんです。

わたしと 『あの人』 以外の他人にはね。

だから、『あの人』 ってすごく便利な言葉。

彼とか、元カレとかっていう言い方もあるみたいですけど。

今さら、『彼』 とか、『元カレ』 なんてねぇ。なんかおこがましくって。

言えないでしょ。なんか。



小野小町が詠んだ歌の現代語訳にこのようなものがありましたので、ここに記しておきます。


思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ

夢と知りせば 覚めざらましを

(あの人のことを思いながら寝たのであの人が夢に出てきたのでしょうか。

夢とわかっていれば目覚めなかったものを)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ