表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/108

95.萩尾望都 「白い鳥になった少女」 と 映画 「Los Parecidos」 に思う

以前に投稿したもので、サブタイトルに 『白い鳥になった少女』 があったにもかかわらず、それについてはまったくの内容も示していなかったので、今ここに簡単に内容を説明します。


服装からして場所はヨーロッパで、はるか昔のこと。

ある冬の寒い日のこと、幼い少女が道端でみすぼらしい小鳥を見つけた。その小鳥は自分では餌となるパン屑を口にすることもなく、他の鳥たちにパン屑のありかをおしえているようだった。「どうしてかしら?」と近くにいた老婆に問いかけると、老婆が昔誰かから聞いたという話をその少女に話し始めた。


ある一人の少女が、彼女のお母さん?からだったのか、おばさんからだったのか。とにかくある日、焼きたての一斤のパンをもらった。少女はそのおばさんの元を離れたところで、「こんなパンなんていらないわ。」と言って、大きな水たまりを渡るときに、長いドレスの裾を汚したくないと、そのパンを水たまりに落として敷石代わりにしてしまった。そしてそのパンを踏みつけたその瞬間、突然水たまりが沈み、水の底で少女は魔法使いに出会って小鳥にされてしまう。魔法使いは小鳥になったその少女に、「お前が今踏みつけたパンと同じ量のパンを天(?)に返し終えた後にお前を自由にしてやろう。」と言った。



以前にも書きましたが、人とは一体、『してしまったこと』に向けて動いていくのか、それとも、『しなかったこと』に向けて動いていくのか・・・。



例えば、映画『千と千尋の神隠し』の千尋の両親は、食べ続けることで人間であることを忘れてしまい豚になってしまいました。(大食らいで寝てばかりの形容をいつも豚さんにされてしまうことが悲しい。豚さんは清潔で頭が良く感受性も豊かなのです。豚さんの胎児の姿は人間の胎児とよく似ているそうです。)

おとぎ話の『ピノキオ』とその仲間たちは遊び続けて、人間であることを忘れてしまい、ロバになってしまいました。

おとぎ話ではなく現実の世界でも、嘘をつき続けて人間であることを忘れてしまっている人たちがなんてたくさんいるのでしょう。あまりにもたくさんの嘘をつき、長い長い時間をかけて嘘をつき続けていたので、もう既に人の体を成していなくて、当の本人にもそのことに気付いていなくて。まわりも皆そのような輩ばかりなので別段奇妙にも思っておらず、嘘をつくことが当たり前の日常で。もう二度と、元の人間の姿にも、心の自由にもなれなくて、ただただ哀れな輩たちと言わざるを得ず。わたしもあなたも結局同じ穴のむじななのなら、己の姿の変化にも他人の姿の変化にも気づくこともせずに何の疑いもなくただただ日々を過ごしているのでしょうか。


広い広い宇宙から見たわたしたちは結局、哀れな los parecidos なのでしょうか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ