90.アニメ 「ひみつのアッコちゃん」 に思う
『ひみつのアッコちゃん』の登場人物の中で誰が一番好きかって?
もちろん、「チカちゃん」です。
黒縁メガネにおかっぱの女の子でいつも三輪車をキコキコ漕いで、アッコちゃんを偵察しています。いつも真実を言っているのに、いつも誰からも信じてもらえない。それでも決して屈しない強い女の子です。
年齢の離れたきょーだいが、三輪車に乗っているわたしを見てはいつも、「アッコちゃんに出てくるチカちゃんに似ている。」と言っていました。
三輪車を買ってもらったわたしはかなりご満悦だったのでしょう。
三輪車とともに映っている写真のわたしは何か誇らしげでに見えます。
三輪車は最強です。
わたしは三輪車を漕いでどこへでも行けると思っていたのでしょう。
ある日曜日、保育園が一緒の近所のおともだちの家にいつもどおり、三輪車を漕いで行きました。庭先に行くと、その子の家の人たちがあわただしくあちらこちら動いていました。
庭に一人でいるその子に「あそぼ。」と声をかけると、「おかあさんに聞いてくる。」と言ってお母さんのところに走って行ってはまた走って戻ってきました。「行くまでの間ならいいって。」
わたしとその子は砂に棒っきれで絵を書きながらおしゃべりをしました。「うちね、ひっこすの。」そうです。大人たちは引っ越しの準備であちこち動き回っていたのでした。
とてもよく晴れたいい日でした。
昼前には終わってしまったのでしょうか。
小さいトラックに乗ってその子は家財道具と家族を乗せた車で去っていきました。
窓から顔を出したその子は「ばいば~い。」とわたしに手を振っていました。
わたしも三輪車の横に立って、去っていくその子に手を振りました。
再びわたしは三輪車に乗って家に帰り、「おともだちが引っ越しちゃった。」と家の人に言いました。親は一瞬「えっ?」って顔をしたのでしょうか。
わたしはテーブルに用意された昼食のおそうめんを食べ始めました。




