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80.映画 「レ・ミゼラブル」 に思う

原題: Les Misérables

制作: 2012年

制作国: イギリス

監督: トム・フーパー


原作: Les Misérables

著者:ヴィクトル・ユーゴー (Victor Hugo)

発行日:1862年



すごく昔、子どもの頃にマンガで読んだことがありました。

なんとなく内容は覚えていたけれど、コゼットのかわいらしさしか覚えていませんでした。

マンガのタイトルも「レ・ミゼラブル」だったけれど、年齢としの離れたきょーだいが、「レ・ミゼラブル」って、「かわいそうな人たち」って意味なんだよ、って教えてくれたのを覚えています。


     *


昔、パリのある通りをフランス人と歩いていたことがありました。

その人はその通りにくると、

「ここで、昔、暴動があった。アラブ人がパンを盗んだことがきっかけだった。

たったひとかけらのパンが原因で暴動なんておかしな話だ。

たったひとかけらのパンだぜ。」

その人は侮蔑的に言って笑いました。

「たったひとかけらのパンなのに、なぜ誰も彼にパンをあげなかったの?」

そのように尋ねたわたしに彼は「さあね。」と答えただけでした。


     *


友人が、そのまた友人から借りてきたDVDを一緒に観ました。

「なんだ、ミュージカルかぁ。」と思い、なんか気がのらなかったのですが、なんとなくかけっぱなしにしているうちに画面にのめりこんでしまいました。


妹のために盗んだひとかけらのパンの為に十何年も牢屋に閉じ込められ、それでも、ある神父様のおかげで人生を替え、人から尊敬される偉い人になったジャン・バル・ジャン。

その彼を執拗に追い続ける刑事。

なんだかなぁって思いました。

刑事は目の前にいたジャンを捕まえずに取り逃がしたことに対してすごく悩んで、自ら滝の中に飛び込みました。あ~あ、よかったって思いました。

何が本当の「悪」で何が「善」ってことが、わかってないと思いました。

ジャンがお腹を空かせた妹のためにパンを盗んだというのなら、

子どもたちがお腹を空かせないように国のお偉いさんたちは働かないといけないと思います。

どうして子どもが腹を空かせているのかって原因をよく考えなければいけません。

パンを盗まなくても生活していける土壌を作るのは国の責任です。

自ら悪人をつくり出して、取り締まっても意味がないのです。

「ジャンは神に背いた行為をした。」って、・・・あなたでしょ?

生か死を分ける貧しさの中でさえも清く正しく美しく生きろって?

じゃぁ、あなたがやれば。

神さまは、ジャンが神に背いているなんて思っていないと思います。

むしろ妹の為に身体を張ったジャンのことを誇りに思っているでしょう。

それよりも、あなたですよ。しつこくて、執拗で、

己のためにだけジャンを追っている。

己のためにだけしか生きていない。

空腹の妹の腹を満たすためにパンを盗んだ貧乏人のジャンが「悪」なら、

もう既にたんまりとお金を持っている輩が、無教養の哀れな人々からお金をだまし取ることは「悪」とはいえないのですか?

ねぇ、どうですか?

大金持ちが貧乏人から金を巻き上げることは「悪」ではないのですか?

神の御心に背くことではないのですか?


ねぇ、どうして、あなたはそんなにお金が欲しいのですか?

綺麗で高価なお洋服も、食べきれない程の美味な食事も、

大きな犬と、大きな庭と、大きな家も、

そのでっぷりと肥えた頬も、お腹も、お尻も。

あなたはすべて持っているでしょう。

それなのに、

どうして?

どうして?

どうして?

あなたのお母さんは知っているのですか?

あなたのお母さんは何も言わないのですか?

あなたのお母さんは悲しまないのですか?

そうですか・・・。

きっと、あなたのお母さんがそんな風にあなたに教えたんですね。

他人のものを容赦なくむしり取れって。

やっぱり、あなたはかわいそうな人でした。





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