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67.映画 「ペーパームーン」 に思う

原題: Paper Moon

公開年: 1973 年

制作国: アメリカ合衆国



紙で作られた大きい三日月の上に小さい女の子とひげを生やした男が並んで座って、

記念写真を撮られている。

二人は詐欺師で、高値で聖書を売りつける詐欺を働きながら小金をかせぎ各地を転々としている。

男は時々、行く先々で出会った女と寝ている。

モーテルのベッドの上ではランニング姿の女の子が、

タバコを吸いながら目を細めて今日の稼ぎの札束を数えている、

この女の子がテータム・オニールで、当時、最年少でアカデミー助演女優賞を受賞した。

父親以上の快挙だった。

彼女は喜んだろうか?

詐欺師役だった彼女の父は喜んだろうか?


     *


ねぇ、笑って!

もっと笑ってよ!!

私は言いたい。


ジェームス・ディーン。

シャルロット・ゲンズブール。

そして、テータム・オニール。


何故いつもそうなんだ?

笑っている時でさえ、笑っていないのは何故だろう?

私が彼らを眺める時、いつもそう感じる。

雑誌の写真や映画の中の彼らなのに。

私の勘繰り過ぎなのかもしれないけど、

でも、いつも決まって彼らは笑っていない。

友人たちの中にいても、

家族と一緒でも

いつも彼らは笑っているようで、

でも、笑っていない。


そういえば、私の母も笑っていなかった。

幼いころに母の母(私の祖母)を亡くしてから、笑えなくなったと言っていた。

母の子どもの頃の写真、若い頃の写真、

どれも笑っていない。

母は、私たちを産んで少しは変わったのだろうか。

写真を撮られるのが好きな人ではなかったから手元にあまり写真は残ってはいないが、

小さい私を膝に乗せた母は、少し笑っているようにも見える。


スピッツの正宗さんは 「テイタム・オニール」 という曲を、

どんな思いで書いたのだろう?





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