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25.ジャケ買い に思う

昔はよくジャケット買いをしていました。

気になるジャケットのレコードを、アーティストも作品も知らないのに、ジャケットの写真だけで選んで買ってしまうのです。そしてそれが意外と自分の趣味に合う音楽だったりするのです。

ローン・ジャスティス (Lone Justice) はまさにそんなジャケット買いの成功の一例でした。

ある日の夕方、前述の、御茶ノ水の駅前の diskunion の2階に何枚も同じLPジャケットが羅列されていました。

エスカレーターを上って行くとそのドアップの写真の女の子と目が合ってしまったのです。

私はそのラップに包まれた輸入盤のLPを買って帰りました。

彼女のシャウトしながら抒情詩を歌うハスキーヴォイスはすぐに私を虜にしました。

ブルース・スプリングスティーン (Bruce Springsteen) さながらのカントリー・ロック調の曲なのに、すぐに私の身体に馴染んだのです。私はもともとカントリーが好きな訳ではなかったはずで、ブルース・スプリングスティーンの泥臭い感じも、当時、巷ではウケはしていましたが(その頃、『Born in the U.S.A. 』 が流行っていました。)特に好きな訳ではありませんでした。 

リード・ヴォーカルのマリア・マッキー (Maria McKee) はそのブルース・スプリングスティーンのコンサートに行って、音楽の道に進むことを決めたと後に音楽関係の雑誌で知りました。

とにかく、彼女のそのLPジャケットの(裏の)、黒のショートブーツにロングスカートのファッションも大好きでした。歌詞を知りたくて、わざわざ同じ盤の日本盤を買いました。当時、輸入盤には歌詞カードが付いていなかったので。

後年、マリア・マッキーがソロ活動になり、渋谷Live-innでのライブを演ったようですが、結局私は行くことができなくて残念な思いをしたことがあります。


中学生の頃にさかのぼれば、ジャケ買いをしたかったのに、できなかったものもありました。

当時、近所のレコード屋さんにたまたま見に行った時に、たまたまみつけたのが、映画『レベル・ポイント』のサウンドトラックのシングル盤でした。アメリカの5、6人のティーン・エイジャーの子どもたちの写真でした。三脚みたいなてっぺんに緩いカーリーヘアーの女の子が座っていて、その右か左側に腕くみをしてこちら側を見ている男の子が映っています。彼が後にアメリカのみならず、日本でも根強い人気を持つことになるマット・ディロン (Matt Dillon) でした。

その時は所持金が足りなくて買えなかったのですが、お金をためてからか、それとも親からもらったかして再びそのレコード屋さんに行った時には、そのシングルレコードは既に売れてしまった後でどんなに店中を探してもらってもなかったのでした。仕方がないので、他に気になっていたもう一枚のシングルレコード、チープトリック (Cheap Trick) のドリームポリス(Dream Police) を買って帰りました。

確か、写真のテロップには、映画『レベル・ポイント』の挿入歌にも起用されたロック・バンドって記載されていたので興味をもったのだと思います。白いポリス(警察官)の制服を着たチープトリックのメンバーの写真でした。


ステレオで聞いたその「初めての音」に、心臓がバクバクして吐きそうな気分になったのを覚えています。

キモチが悪いというのとは違います。あまりにも衝撃的だったということです。

今までかつて聞いたことのない音楽でした。

その後、チープトリックのアルバムを買いました。




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