14.くらもちふさこ 「いつもポケットにショパン」 に思う
再び、ピアノの話を続けます。
「いつもポケットにショパン」の話をします。
主人公の女の子の母親は世界的に有名なピアニストです。
演奏旅行でしょっちゅう家を空けているので、祖母がその女の子の世話をしています。
父親は一緒に住んでいません。
母親は、将来は母親と同じピアニストにと考えているその女の子(娘)に、髪を結わくことをはじめ、全て自分のことは自分でしなさいと、とても厳しいのです。女の子の面倒をみている祖母(母親の母)にさえも、女の子を手伝うなと言います。
滅多に家にもいないくせに随分ひどい母親に思えました。
でも、マンガの後半まで読んでいくと、その母親に対する私の考えもちょっと変わってきました。
母親は、娘に日常を学んで欲しかったというのです。
髪を結わく感覚、音。外を走る音、風の音。
日常の全ての音です。
その母親は彼女に何も禁止事項をつくりません。
料理もさせます。女の子は人参がうまく切れずに指にけがをしたこともありました。
たまたま家に帰ってきていた母親はそれを見ても何も言いません。ただ様子を見ているだけです。
隣に住むきしんちゃんのお母さんも、昔はその女の子の母親と共に音大で音楽を勉強していた人でした。でも彼女は違います。やはり、将来はピアニストにしようとしている息子のきしんちゃんに危ないことはさせたくありませんでした。毎日毎日、ピアノだけを弾くことを半ば強いているようでした。
人気ドラマだったので、ご存じの方も多いと思いますが。
ドラマ、「ロング・バケーション」の中で興味深いシーンがありました。
木村拓哉さん扮するピアニストのセナさんがアルバイト先で生意気な女子高校生(広末涼子さん)のピアノ指導をします。彼女はセナさんに対して何もかもが反抗的で、以前の先生とは指導法が全然違うし、あなたから学ぶことなど何もない、とか言うんです。でもある日、ふと、その彼女のバッグから、ロックバンドのCDか何かが出てきた時にセナさんが、「よかった、安心した。」みたいなことを言うんですね。
結局彼女はセナさんのもとから離れて行くんですけど。
小学生の男の子で、母親から自転車に乗ることを禁止されている子がいます。
男の子なのに。まだ小学生なのに・・・。
受験ってそんなに大切なんですね。
私にはわからないけど。